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1月7日,火曜日

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1月7日,火曜日

エホバは私たちのために法を定める方。(イザ 33:22)

エホバは,ご自分に仕える人たちにはっきりとしたおきてを与えてきました。例えば,1世紀の統治体は,クリスチャンがしっかり立つべき3つの大切な点を挙げています。(1)偶像崇拝をきっぱり避け,エホバだけを崇拝すること,(2)血の神聖さに関するエホバのおきてを守ること,(3)聖書に書かれている高い道徳基準に従うことです。(使徒 15:28,29)では,現代のクリスチャンはこうした3つの点でどのようにしっかり立つことができるでしょうか。エホバを崇拝し従うことによってです。エホバはイスラエル人に,全くの専心を持ってご自分を崇拝するようにと命じました。(申 5:6-10)イエスは悪魔から誘惑された時,エホバだけを崇拝しなければならないと答えました。(マタ 4:8-10)私たちも偶像を崇拝することは決してしません。宗教指導者や政治家,スポーツ選手や芸能人を神のように見なして崇拝することもしません。「全てのものを創造された」エホバだけを崇拝します。(啓 4:11)塔研23.07 14-15ページ3-4節

聖書を毎日調べる 2025


1月7日、内なる羅針盤

冷たい風が容赦なく吹き荒れ、灰色の雲が重く垂れ込めた空は、まるで押し黙った群衆のようだ。ビルの谷間にひっそりと佇む小さな王国会館。その前に、アヤは足を止めた。毎朝、この静寂の中で過ごす時間が、彼女の羅針盤となっていた。重い木の扉を開けると、ひんやりとした空気が肌を撫でる。外の喧騒とは隔絶された静かな空間に足を踏み入れた瞬間、アヤの心は深い静寂に包まれ、祈りの準備が整う。

「エホバよ、今日もあなたの導きに従い、あなたの御心を行いますように。」

静かな祈りの言葉が、薄暗い王国会館内に吸い込まれていく。アヤは心を込めて、感謝と信頼を込めて祈った。日々の喧騒から一時的に解放され、内なる声、エホバとの対話に耳を傾けるこの時間は、彼女にとって何よりもかけがえのないものだった。御言葉に触れ、心を新たにする。それは、荒れた海を航海する船にとっての灯台のように、彼女の進むべき道を示す光だった。

祈りを終え、アヤは聖書を手に取った。今日はイザヤ書を開いている。「エホバは私たちのために法を定める方」。その言葉が、凍てついた地面に落ちた種のように、アヤの心に深く根を下ろす。日々の生活で大切にしていることを、改めて思い起こさせる。エホバは私たちに、どのような道を示してくださっているのだろうか。どのような生き方を求めておられるのだろうか。

王国会館の静けさの中で、心は一時的な安らぎを得る。しかし、現実は容赦なく彼女を引き戻す。昨晩、仕事で上司から受けた言葉が、冷たい風のように蘇る。信仰を理由にいくつかの仕事を断ったアヤに、上司は冷たく言い放った。「そんなことでは、会社ではうまくいかないだろう」。その言葉は、アヤの心の奥底に小さな亀裂を作る。それでも、アヤは崩れそうになる自分を必死に支えようとする。幾度となく自分に言い聞かせてきた言葉を、再び心の中で繰り返す。「どんな試練にあおうとも、エホバの道を選ぶ。偶像に従うことなく、エホバだけを崇拝し、正しい道を歩む。」

イエスの言葉が、暗闇の中で一筋の光のように、アヤの心を照らす。「あなたの神であるエホバを崇拝し、ただ彼に仕えなければならない。」(マタイ 4:10)悪魔の誘惑に立ち向かったイエスの力強い言葉は、アヤの心の羅針盤となる。偶像崇拝を避け、エホバだけを崇拝する。それは、アヤにとって最も大切な誓いだった。エホバを心から愛し、その導きに従う道は、決して平坦ではない。茨の道かもしれない。それでも、アヤはその道を選び続けると、静かに、しかし力強く決意を新たにする。

その時、携帯電話が鳴った。友人ユウコの声が聞こえる。「アヤ、今日は一緒にランチしない?最近どうしてるの?」ユウコは、アヤの信仰を理解しようと努めてくれるが、時折、世俗的な価値観との間で葛藤しているようにも見える。

「ありがとう、ユウコ。でも今日は、エホバの言葉を学ぶために王国会館にいるの。」アヤは丁寧に、しかしはっきりと答える。

「またそんなこと言って…でも、わかった。じゃあまた今度ね。」ユウコの声には、ほんの少しの落胆と、ほんの少しの諦めが混じっていた。

電話を切り、アヤは再び聖書に目を落とした。エホバの教えに従うこと。それは、他の何よりも優先すべきことだった。一時的な誘惑に屈するわけにはいかない。今日、改めて、聖書の示す高い道徳基準を守り続けることを誓う。それは、単なる規則の遵守ではない。エホバへの愛と信頼の表明であり、自分自身の内なる羅針盤に従うことなのだ。

「エホバよ、あなたの道を歩むことが、私にとってどれほど大切か、あなたはご存知です。私は偶像を崇拝せず、あなただけを心から崇拝します。あなたの法を守り、あなたの導きに従って生きることを、決して忘れません。」

アヤの祈りは、再び静かな王国会館内に響く。エホバの力強い法と導き。それは、彼女の内なる羅針盤となり、人生の荒波を乗り越えるための確かな支えとなる。アヤはそう信じている。

王国会館の重いドアを開け、外の冷たい空気の中に足を踏み出す。しかし、アヤの心は内なる温かい光で満たされていた。エホバと共に歩むという確信。それは、冷たい風にも、灰色の空にも覆い隠せない、確かな光だった。アヤは、その光を胸に抱き、街の雑踏の中へと、力強く歩み出した。その足取りは、昨日までとは明らかに違っていた。迷いはなく、確信に満ちていた。

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