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春秋花壇

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1月2日,木曜日

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1月2日,木曜日

この病気は死で終わるのではなく,神に栄光をもたらし……ます。(ヨハ 11:4)

イエスはラザロが死んだことを知った後,そこに2日とどまってからベタニヤに向かいました。イエスが到着した頃には,ラザロが死んでもう4日たっていました。この時,イエスは友のために素晴らしいことを行おうとしていました。そして,それは神に栄光をもたらすものとなりました。(ヨハ 11:6,11,17)この記述から,友情について大切なことを学べます。マリアとマルタはイエスに使いを送った時,ベタニヤに来てほしいとは言いませんでした。あなたの大切な友が病気です,とだけ伝えました。(ヨハ 11:3)ラザロが死んだ時,イエスは自分がいた場所からラザロを復活させることもできましたが,そうはしませんでした。ベタニヤに行って,マリアとマルタのそばにいることにしました。あなたにも,こちらから頼まなくても助けになってくれる友人がきっといるでしょう。そうした人は,あなたにとって「苦難の時」に頼れる友と言えます。(格 17:17)イエスのように,私たちもそんな友になりたいものです。塔研23.04 10ページ10-11節

聖書を毎日調べる 2025

友情の証明
1月2日、寒空の下、ベタニヤの村には重苦しい静けさが漂っていた。村人たちは集い、悲しみに暮れるマリアとマルタを慰めていた。二人の兄、ラザロが病に倒れ、ついに息を引き取ったからだ。兄を失った妹たちは、涙に暮れながらも希望を捨てきれずにいた。彼女たちはイエスに使いを送ったものの、彼はすぐには来なかった。

「もし主がここにいてくださったら……兄は死ななかったでしょうに。」
マルタは小さくつぶやきながら、空を見上げた。

ラザロの墓の前には冷たい石が封印され、花が供えられていた。その静けさを破るように、村の入り口から歩み寄る一団の姿が見えた。その中心にはイエスがいた。彼は人々の間を進み、マリアとマルタの元にたどり着くと、二人の目を真っすぐ見つめた。

「主よ……もしここにいてくださったら、兄は……」
マリアは涙ながらに言葉を絞り出した。

イエスはその言葉を聞きながら、目を伏せた。彼の心は痛み、深い悲しみが胸を締め付けた。友人ラザロを失った悲しみと、マリアとマルタの苦しみに共感する思いが重なり、彼の目には涙が浮かんだ。

「あなたの兄はよみがえります。」
イエスは静かに言った。

その言葉にマルタは驚きながらも頷いた。「終わりの日に、すべての者がよみがえる時が来ます。それは分かっています。でも今は……」

イエスは微笑み、はっきりとした声で言った。「私は復活であり、命です。私を信じる者は死んでも生きるのです。」

その言葉に村人たちも耳を傾け、彼の言葉の意味を測りかねている様子だった。イエスは墓の前に歩み寄り、その冷たい石を指差して言った。

「石を取り除けなさい。」

村人たちはざわめいた。「もう四日もたっています。臭いがするでしょう……」

それでもイエスの言葉に従い、石が取り除かれた。墓の奥は暗闇に包まれていたが、イエスはそのまま天を見上げ、静かに祈りを捧げた。そして、力強い声で叫んだ。

「ラザロ、出てきなさい!」

その瞬間、村人たちは息を呑んだ。暗闇の中から白い布に包まれた人影が現れたのだ。ラザロだった。彼は歩み出し、イエスの前に立った。マリアとマルタは歓喜の声を上げ、兄を抱きしめた。

村人たちは口々に驚きと感動を語り合い、その奇跡の目撃者となった。そして何よりも、イエスの行動が彼の友情の深さを証明していた。ラザロを失った妹たちのもとに駆けつけ、悲しみを共有し、希望を与えた彼の姿は、人々の心に深く刻まれた。

その日、村は喜びに満ち、友情と信仰の力を新たに知った。そしてイエスは、何よりも大切なことを示していた――苦難の時にこそ、真の友であり続けることの意義を。

(完)






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