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12月29日,日曜日

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12月29日,日曜日

私はどんなものにも支配されたりしません。(コリ一 6:12)

聖書は健康や食事の専門書ではありません。でも,エホバがそうした点についてどう考えているかを教えています。例えばエホバは,健康に「有害な事柄を体から払いのけ」るようにと言っています。(伝 11:10)また,食べ過ぎや飲み過ぎを避けるようにとも教えています。(格 23:20)エホバは,私たちが何をどのくらい食べたり飲んだりするかについて,自制を働かせることを願っています。(コリ一 9:25)命と健康を大切にするには,思考力を働かせることが大切です。(詩 119:99,100。格 2:11)例えば,どんな物を食べるかについてよく考えるようにしましょう。自分の好きな物であっても,体に良くないことが分かっているなら,それを食べないことにするはずです。健康の大切さを意識しているなら,十分に睡眠を取り,定期的に運動し,衛生習慣を守り,家をいつもきれいにしておくことでしょう。塔研23.02 21ページ6-7節

聖書を毎日調べる 2024

「支配されることなく」

12月29日、日曜日。窓の外は、白く輝く雪で覆われ、世界は静寂に包まれていた。降りしきる雪が窓ガラスに当たるかすかな音だけが、静かな部屋に響いている。私はいつものように目を覚まし、冷たい空気の中で聖書を手に取った。今日の聖句は、「私はどんなものにも支配されたりしません」(コリ一6:12)。その言葉が、雪の日の静けさの中で、一層深く心に響いてきた。

私は日々の生活の中で、様々なものに支配されてしまう弱さを感じている。仕事の締め切り、人間関係の悩み、そして何よりも、自分の欲望—それらは私の時間とエネルギーを容赦なく奪い、気づけば自分がその中で操り人形のように支配されていることに気づく。特に食事や健康に関しては、まるで綱渡りのように、誘惑と自制の間で揺れ動いている。甘い香りのするお菓子を前にすると、抗いがたい衝動に駆られたり、疲れていると運動を先延ばしにしたくなったりする。だが、そのたびに、この聖句が心の奥底から響いてくる。「私はどんなものにも支配されない」。

その言葉は、私に自由と力強い意志を与えてくれる。エホバは、私たちが自制心という鎧を身に着け、誘惑という敵に立ち向かうことを願っておられる。過剰な飲食に溺れることなく、健康を保つために必要な思考力を働かせるようにと、優しく、しかし力強く教えている。そのために、私はこれまで以上に、自分の生活習慣という足元をしっかりと見つめ直さなければならないと感じた。

朝食後、冷たい空気が肺を満たすのを感じながら、いつもの散歩に出かけた。足元では、雪を踏みしめる音が小さく響き、頬を刺すような冷たい風が、私を現実に引き戻す。街路樹の枝に降り積もった雪が、朝日を浴びてダイヤモンドのようにキラキラと輝いている。その清らかな光景に心が洗われると同時に、この体を、エホバから預かった大切な神殿を守ることの大切さを、改めて深く感じた。自分を支配するのは、甘い誘惑でも、怠惰な気持ちでもなく、自分自身なのだ。

食べ物のことを考えると、どうしても好きなもの、特に甘いお菓子やこってりとした料理に手が伸びてしまう。一口食べると、脳が快楽物質を放出し、もっと欲しくなる。まるで麻薬のように、私を支配しようとする。体に良くないと頭では理解していても、その快楽に抗うのは容易ではない。しかし、今日は、その誘惑という鎖を断ち切る決意をした。冷蔵庫を開けると、色とりどりの新鮮な野菜と、太陽の光を浴びて育った果物が目に飛び込んできた。それらを使って、体に必要な栄養が詰まった、彩り豊かなサラダを作った。一口食べると、体の中から力が湧いてくるのを感じた。自分の体を大切にするという、こうした小さな、しかし意識的な選択の積み重ねが、私を真の自由へと導いてくれるのだと実感した。

その日の午後、私は家で静かに過ごし、聖書を深く読み込む時間を持った。エホバの教えを心に刻み込み、自制心という武器をさらに磨くための時間だ。「健康に有害な事柄を体から払いのける」(伝11:10)という言葉が、今日の私には特別な意味を持って迫ってきた。それは、単に体に悪いものを避けるだけでなく、心にも有害な、誘惑に負けやすい弱い自分を払い除くという意味だと理解した。無駄に体に負担をかけることなく、エホバから与えられたこの体を、最大限に活用できる健康的な生活を送るために、今、この瞬間からできることを、しっかりと考えることが重要なのだ。

一日の終わり、私は再び聖書を手に取り、今日の学びを反芻しながら、心を込めて祈りを捧げた。「エホバ、あなたの聖なる力を求めて、私は自分自身を支配し、この大切な体を大切に守ることを、改めて誓います。日々の小さな誘惑に負けることなく、あなたの道を、力強く歩み続けることができますように。そして、この体を通して、あなたの栄光を現すことができますように。」その祈りを終えると、心の中に静かで深い安らぎが広がり、体全体が温かい光で満たされるような、不思議な感覚に包まれた。

眠る前、私は再び窓の外を見た。雪は静かに降り続いており、世界は一層深く静かな夜に包まれていた。その静寂の中で、私は確信を持って、自分の歩むべき道を、はっきりと見定めた。自分を支配するのは、他の何物でもない。エホバから与えられた力と、自分の意志なのだ。エホバの教えという羅針盤に従い、自制心という武器を手に、健康を大切にすることで、私は心も体も、真に強く、自由になれると、深く信じている。

そして、明日という新しい一日、そしてその先にある未来に向けての、力強い決意を胸に、私は安らかな眠りについた。
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