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12月12日,木曜日

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12月12日,木曜日

世の王国は,私たちの主と,その方のキリストの王国となりました。(啓 11:15)

今の世界の様子を見ると,将来を前向きに考えることを難しく感じるかもしれません。家族の絆はますます弱くなり,人々は暴力的で自己中心的になっています。多くの人は,政府などの権威を信じられなくなっています。でも,こうした様子は,私たちの信仰を強めるものとなります。なぜでしょうか。人々が,「終わりの時代」について聖書で預言されている通りのことをしているからです。(テモ二 3:1-5)この預言が実現していることは,物事を誠実に考える人であれば否定できないことです。そして,キリスト・イエスが神の王国の王として統治していることの証拠ともなっています。王国に関する預言はほかにもたくさんあります。これらの預言をジグソーパズルのピースのように組み合わせていくなら,エホバの時刻表の中で自分がどこにいるかが見えてきます。塔研22.07 2ページ1-2節

聖書を毎日調べる 2024


「エホバの時刻表」
12月12日、木曜日。冷たい風が街のビル群を吹き抜け、空は重たく曇っていた。久美子は一冊の聖書を膝に置き、窓辺の椅子に腰掛けていた。子どもたちが学校に出かけた後、束の間の静寂が訪れるこの時間が彼女にとって一日の中で最も大切なひとときだった。

今日の聖句は、啓示11章15節。「世の王国は、私たちの主と、その方のキリストの王国となりました。」その言葉が心に響いた。今の世界の混乱と人々の不安を見ていると、将来がどれほど不透明に感じられるかを久美子は痛感していた。それでも、彼女の心には静かな確信があった。

リビングの片隅には、子どもたちが作りかけているジグソーパズルが置いてあった。そのパズルは、神の王国についての聖書の預言を思わせた。預言の一つ一つはジグソーパズルのピースのようで、すべてが集まると一つの明確な絵が浮かび上がる。

久美子はふと、そのパズルに目をやった。何百もの小さなピースが無秩序に散らばっている様子は、まるで現在の世界の様子そのものだ。ニュースでは暴力や自己中心的な行動が報じられ、家族の絆が薄れつつあることが指摘されている。久美子自身も、最近は隣人や職場での人間関係がぎくしゃくしていると感じていた。しかし、それでも彼女は失望しなかった。むしろ聖書の預言がまさに現実となっている証拠だと理解し、希望を抱いていた。

その日、久美子は訪問の予定があった。彼女は近所に住む老夫婦の家を訪れることにしていた。ご主人は最近病気を患い、奥さんも心労から塞ぎ込んでいた。久美子は二人に、聖書を使って励ましの言葉を伝えたいと思っていた。

ドアをノックすると、奥さんが少し憔悴した顔で出迎えてくれた。「あら、久美子さん。来てくれてありがとう。」

居間に通されると、ご主人はソファに座っていたが、その顔には疲労の色が濃かった。久美子は微笑みながら、「今日の聖句を共有したくて来たんです」と言い、聖書を開いた。そして、啓示11章15節の言葉を静かに読み上げた。

「……世の王国は、私たちの主と、その方のキリストの王国となりました。」

その言葉に老夫婦はじっと耳を傾けていた。

「今、世界は混乱しているように見えます。でも、それは聖書が言っている通りのことが起きている証拠なんです。エホバが用意した時刻表の中で、私たちはとても重要な瞬間に生きています。」

久美子は優しい声で続けた。「これからさらに難しいことが起きるかもしれません。でも、それが終わりではなく、新しい始まりへの準備だと信じています。」

奥さんは目に涙を浮かべながら頷いた。「私たちも、もっと聖書を読み直さなきゃいけないわね。」

久美子は微笑みながら言った。「一つ一つの預言を見直していくと、それが全てエホバの計画の中でどう繋がるかが分かってきます。それはジグソーパズルを完成させるようなものです。」

帰り道、久美子の心には暖かな満足感があった。彼女が語った言葉が老夫婦の心に何かを残したなら、それだけで十分だった。

夜、自宅に戻ると、子どもたちがジグソーパズルを完成させたと声を弾ませていた。久美子が覗き込むと、美しい絵がテーブルに広がっていた。それは穏やかな牧草地と、その奥に輝く虹がかかった風景だった。

「見て、ママ!これ、きれいでしょ?」

子どもの声に、久美子は微笑んだ。

「本当にきれいね。これを見ると、未来が明るい気がしてくるわ。」

それは彼女自身が信じる未来の王国の姿に重なっていた。エホバの時刻表が進み、すべてがその計画に従って成就していく。久美子は心の中でそっと祈りながら、子どもたちと一緒にその絵を眺め続けた。






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