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11月15日,金曜日

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11月15日,金曜日

エホバは,……世界中に目を行き届かせています。(代二 16:9)

長老として奉仕しているミケイアス兄弟は,責任を委ねられている兄弟たちからとてもひどいことをされたように感じました。でも,兄弟は冷静さを保ち,感情に流されないようにしました。聖なる力や忍耐するための力を求めて,何度も何度もエホバに祈りました。そして,出版物を調べて,助けになりそうな資料を探しました。兄弟の手本からどんなことを学べるでしょうか。兄弟や姉妹からひどいことをされたと感じるとしても,穏やかでいるようにし,良くない考え方に負けないようにしましょう。私たちは,兄弟姉妹がどうしてそんなことを言ったりしたりしたのかを必ずしも知っているわけではありません。それで,相手の立場に立って考えられるように助けてください,と祈りましょう。きっと悪気はなかったのだと考えて,仲間を許すように努力しましょう。(格 19:11)エホバは私たちの状況をよくご存じで,忍耐できるようにしてくださいます。(伝 5:8)塔研22.11 21ページ5節

聖書を毎日調べる 2024


「見えない優しさの糸」

11月15日、金曜日。冷たい風が吹く中、エリカはクリスチャンの集会場に向かって歩いていた。いつも心が癒されるこの場所で、今日は少し気が重い。クリスチャンで長く友人だったマナミに、些細な誤解から冷たくされて以来、心の中にはわだかまりが残っていたからだ。

数週間前の出来事が頭から離れなかった。エリカがある意見を述べた時、マナミがその考えを真っ向から否定したのだ。さらに、他の兄弟姉妹の前でエリカを批判するような言葉も投げかけた。マナミに悪気はなかったかもしれないが、エリカにとってそれは非常に傷つく言葉だった。以来、エリカはマナミと顔を合わせることが少し怖くなっていた。

だがその夜、エリカは祈りの中で、悩む自分の心をエホバに打ち明けた。「エホバ、どうか私が穏やかでいられるようにお助けください。なぜマナミがあんなことを言ったのか、その理由を知る必要はありません。ただ、彼女を許したいのです。」

次の日の朝、エリカは聖書の言葉に導かれるように、第二歴代誌の一節を開いた。「エホバは、……世界中に目を行き届かせています。」この言葉を目にした時、エリカは不思議な安堵感に包まれた。自分の心の中を知り、慰めてくれる存在がいる。たとえ誰かに理解してもらえなくても、エホバはすべてを見て、知ってくれているのだ。

その後、エリカは集会の準備をしている最中、ある出版物の記事に目を留めた。それは、ミケイアスという兄弟が自身の怒りや悲しみと向き合い、どのように冷静さを保ったかという内容だった。エリカはその記事に心を打たれ、ミケイアス兄弟のように、感情に流されずに穏やかでいるための祈りの大切さを改めて感じた。

集会場に到着したエリカは、少し緊張しながらも礼拝に集中しようと努めた。集会が終わり、皆が帰り支度をしている時、マナミがエリカに近づいてきた。「エリカ、少し話せるかな?」

心の中で「エホバ、お力をお貸しください」と祈りながら、エリカは微笑んでうなずいた。

マナミはゆっくりと深呼吸をし、話し始めた。「実は、あの時の私の言い方が良くなかったとずっと思ってたの。なんであんな風に言ってしまったのか自分でも分からないんだけど、エリカの気持ちを傷つけてしまったこと、本当にごめんなさい。」

エリカは思わず目頭が熱くなり、そっと涙を拭った。マナミの真摯な謝罪に、心の中のわだかまりが溶けていくのを感じた。

「大丈夫だよ、マナミ。私もずっと悩んでいたけれど、あなたが悪気なく言ったのだと信じてた。そして、エホバに何度も祈り、あなたを許したいと願ってたの。」

二人はしばらくの間、何も言わずにお互いを見つめ合った。その瞬間、エリカの心には温かな愛が広がり、すべてを見守り、導いてくれたエホバの存在を再確認した。

「エリカ、これからも私たち、助け合っていこうね。」マナミの声は柔らかで、少し震えていた。

エリカは深く頷き、心から「もちろん」と答えた。









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