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18歳は未成年?
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18歳は未成年?
「ねえ、知ってる?18歳ってさ、まだ未成年なんだよ」
学校の帰り道、夕暮れに染まる坂道を歩きながら、陽菜がぽつりと呟いた。その言葉に僕は思わず笑いそうになった。陽菜は僕よりも3つ年下で、今高校2年生の17歳。僕にとってはその無邪気さがいつも新鮮で、彼女といると穏やかな気持ちになれた。
「知ってるよ。でも、成人式も18歳に前倒しされたし、なんだか曖昧だよな」
「そうだよね。法律で18歳も大人になるって聞いたけど、全部がそうじゃないんでしょ?」
彼女は少し困った顔で僕を見上げた。確かに、18歳になっても一部の法律では大人扱いされないところがある。例えば、お酒やタバコ、それにギャンブルだって20歳からだ。でも、それ以外の権利や義務は成人と同じ扱いを受ける。そんな話を思い出しながら、僕は陽菜に教えてあげることにした。
「そう。責任は大人として持たなきゃいけないけど、自由にはならないことも多いんだよ」
「ふーん、不思議だね」
彼女はそのことに納得していない様子だったが、それ以上突っ込むことはなかった。僕たちの会話が途切れ、坂道を歩く足音だけが響いた。
「…ねえ」
しばらく歩いた後、彼女が少し小声で僕に話しかけた。
「もし私が18歳になっても、こうして一緒に帰れるかな」
その問いかけは、いつも無邪気で素直な彼女からは少し意外で、僕は一瞬返事に詰まった。陽菜の気持ちはなんとなく感じていたけれど、それに気づかないふりをしてきたのかもしれない。
「もちろんだよ。18歳になっても、20歳になっても、きっとこうして一緒に帰れるさ」
僕はそう言って、彼女の目を見た。けれど、陽菜は少し寂しそうに目を伏せた。
「本当に?だって、18歳になると、色々と変わるんでしょ?」
「まあ、責任も増えるけど、僕たちの関係は変わらないさ」
そう答える僕に対して、陽菜は少し肩をすくめるように笑った。その笑顔はいつもより少し大人びていて、少しドキッとする。
「でも、もし大人になったら、お兄ちゃんみたいな存在じゃなくて…もっと特別な関係になれたらいいなって」
彼女の言葉は一瞬耳を疑うような響きだった。「お兄ちゃん」という言葉の意味が突然変わったように感じられ、僕の胸の奥で何かが動き出した。
「陽菜、それは…」
僕は言葉を探し、口を開いたが、何も続かない。今までは弟妹のように感じていた彼女だが、今の彼女はまるで違って見えた。
「今はまだ、私も未成年だし、何もできないかもしれないけど…でも、18歳になったら、その時にはちゃんと伝えたいな」
彼女の真剣な眼差しに、僕もまた本当の気持ちを自覚させられた。
「わかった。陽菜が18歳になったら、僕もちゃんと答えるよ」
彼女は少し頬を赤らめながら、嬉しそうに微笑んだ。その笑顔がとても美しく、僕の心をさらに強く揺さぶった。今までは気づかなかったが、彼女が成長するにつれて、僕の中で何かが変わり始めているのかもしれない。まだ17歳の彼女と、20歳の僕との間にはまだ見えない壁があるように思える。でも、それは時間とともに少しずつ変わっていくのかもしれない。
それからの日々、僕たちは相変わらず学校帰りに一緒に帰ったり、休みの日に一緒に図書館に行ったりする日常を繰り返した。だが、あの日から僕の中には「彼女はやがて18歳になる」という事実が少しずつ重くのしかかってきた。今までの無邪気な陽菜とは違い、彼女は時折ふと大人びた表情を見せるようになり、僕もまた、その表情に対してどう応えていいか分からないまま過ごしていた。
そして、春が来て、彼女の18歳の誕生日が近づいたある日、僕は思い切って彼女に一緒に出かけようと誘った。彼女は驚いたようだったが、とても嬉しそうに笑って「もちろん!」と応えてくれた。
その日、僕たちは夕暮れの公園を歩いた。桜が満開に咲き誇るその中で、彼女は小さな声で、あの日の約束を口にした。
「今日、私18歳になったよ」
その言葉が、僕の心を強く叩いた。彼女は待ち続けていたんだと、その瞬間に理解した。陽菜の真剣な眼差しに、僕ももう嘘をつけないと感じた。
「陽菜、僕もずっと君のことを考えていた。僕にとって君は大切な人だし、だから…これから一緒に歩んでいけたらと思ってる」
彼女の頬が少し赤く染まり、照れくさそうに微笑む姿がとても愛おしかった。僕もまた、ずっと心に秘めていた想いが一気に溢れ出すのを感じた。
「ありがとう。やっぱり、18歳になると少し大人に近づけた気がする」
その言葉に、僕は思わず彼女の手をそっと握った。彼女も驚きつつ、僕の手を握り返してくれた。その瞬間、僕たちの関係は今までとは違う新たな一歩を踏み出したのだと実感した。
こうして、18歳と20歳の僕たちは、今度こそ特別な関係へと進み始めたのだった。
「ねえ、知ってる?18歳ってさ、まだ未成年なんだよ」
学校の帰り道、夕暮れに染まる坂道を歩きながら、陽菜がぽつりと呟いた。その言葉に僕は思わず笑いそうになった。陽菜は僕よりも3つ年下で、今高校2年生の17歳。僕にとってはその無邪気さがいつも新鮮で、彼女といると穏やかな気持ちになれた。
「知ってるよ。でも、成人式も18歳に前倒しされたし、なんだか曖昧だよな」
「そうだよね。法律で18歳も大人になるって聞いたけど、全部がそうじゃないんでしょ?」
彼女は少し困った顔で僕を見上げた。確かに、18歳になっても一部の法律では大人扱いされないところがある。例えば、お酒やタバコ、それにギャンブルだって20歳からだ。でも、それ以外の権利や義務は成人と同じ扱いを受ける。そんな話を思い出しながら、僕は陽菜に教えてあげることにした。
「そう。責任は大人として持たなきゃいけないけど、自由にはならないことも多いんだよ」
「ふーん、不思議だね」
彼女はそのことに納得していない様子だったが、それ以上突っ込むことはなかった。僕たちの会話が途切れ、坂道を歩く足音だけが響いた。
「…ねえ」
しばらく歩いた後、彼女が少し小声で僕に話しかけた。
「もし私が18歳になっても、こうして一緒に帰れるかな」
その問いかけは、いつも無邪気で素直な彼女からは少し意外で、僕は一瞬返事に詰まった。陽菜の気持ちはなんとなく感じていたけれど、それに気づかないふりをしてきたのかもしれない。
「もちろんだよ。18歳になっても、20歳になっても、きっとこうして一緒に帰れるさ」
僕はそう言って、彼女の目を見た。けれど、陽菜は少し寂しそうに目を伏せた。
「本当に?だって、18歳になると、色々と変わるんでしょ?」
「まあ、責任も増えるけど、僕たちの関係は変わらないさ」
そう答える僕に対して、陽菜は少し肩をすくめるように笑った。その笑顔はいつもより少し大人びていて、少しドキッとする。
「でも、もし大人になったら、お兄ちゃんみたいな存在じゃなくて…もっと特別な関係になれたらいいなって」
彼女の言葉は一瞬耳を疑うような響きだった。「お兄ちゃん」という言葉の意味が突然変わったように感じられ、僕の胸の奥で何かが動き出した。
「陽菜、それは…」
僕は言葉を探し、口を開いたが、何も続かない。今までは弟妹のように感じていた彼女だが、今の彼女はまるで違って見えた。
「今はまだ、私も未成年だし、何もできないかもしれないけど…でも、18歳になったら、その時にはちゃんと伝えたいな」
彼女の真剣な眼差しに、僕もまた本当の気持ちを自覚させられた。
「わかった。陽菜が18歳になったら、僕もちゃんと答えるよ」
彼女は少し頬を赤らめながら、嬉しそうに微笑んだ。その笑顔がとても美しく、僕の心をさらに強く揺さぶった。今までは気づかなかったが、彼女が成長するにつれて、僕の中で何かが変わり始めているのかもしれない。まだ17歳の彼女と、20歳の僕との間にはまだ見えない壁があるように思える。でも、それは時間とともに少しずつ変わっていくのかもしれない。
それからの日々、僕たちは相変わらず学校帰りに一緒に帰ったり、休みの日に一緒に図書館に行ったりする日常を繰り返した。だが、あの日から僕の中には「彼女はやがて18歳になる」という事実が少しずつ重くのしかかってきた。今までの無邪気な陽菜とは違い、彼女は時折ふと大人びた表情を見せるようになり、僕もまた、その表情に対してどう応えていいか分からないまま過ごしていた。
そして、春が来て、彼女の18歳の誕生日が近づいたある日、僕は思い切って彼女に一緒に出かけようと誘った。彼女は驚いたようだったが、とても嬉しそうに笑って「もちろん!」と応えてくれた。
その日、僕たちは夕暮れの公園を歩いた。桜が満開に咲き誇るその中で、彼女は小さな声で、あの日の約束を口にした。
「今日、私18歳になったよ」
その言葉が、僕の心を強く叩いた。彼女は待ち続けていたんだと、その瞬間に理解した。陽菜の真剣な眼差しに、僕ももう嘘をつけないと感じた。
「陽菜、僕もずっと君のことを考えていた。僕にとって君は大切な人だし、だから…これから一緒に歩んでいけたらと思ってる」
彼女の頬が少し赤く染まり、照れくさそうに微笑む姿がとても愛おしかった。僕もまた、ずっと心に秘めていた想いが一気に溢れ出すのを感じた。
「ありがとう。やっぱり、18歳になると少し大人に近づけた気がする」
その言葉に、僕は思わず彼女の手をそっと握った。彼女も驚きつつ、僕の手を握り返してくれた。その瞬間、僕たちの関係は今までとは違う新たな一歩を踏み出したのだと実感した。
こうして、18歳と20歳の僕たちは、今度こそ特別な関係へと進み始めたのだった。
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