いとなみ

由美との距離

由美との距離

結婚を前提に付き合っていると思っていいのかな？と、思い切ってLINEで聞いてみた。ドキドキしながら待つと、すぐに由美から返事が返ってきた。「もちろん、よろしくお願いします。両親からもOKが出ました。ガンガン来てください！」彼女の文字の向こうから、明るい声が聞こえてくるようだった。

俺は一瞬、心が躍った。家族からの承認を得た由美と、これからどのように進んでいくのか、想像するだけでわくわくした。しかし同時に、少し不安もあった。彼女の手の中に、自分が乗せられているような感覚がして、どこかその重みを感じていた。

「ガンガン来てください」という言葉には、期待と同時にプレッシャーも含まれている気がした。果たして、俺はこの期待に応えることができるのだろうか？不安を抱えながらも、俺は素直に嬉しかった。

その後、次のデートの約束を取り付けた。お互いの予定を確認し、再び東京の街で待ち合わせることにした。今回は、もっと特別な場所を選ぼうと心に決めていた。由美の心を掴むために、努力を惜しまないつもりだ。

待ち合わせの日、俺は早めに指定された場所に到着し、心を落ち着けるために周囲を見回した。待っている間、俺の中には緊張感が走っていた。由美との時間が、どんな形で展開していくのか、楽しみでもあり、不安でもあった。

待ち合わせの時間が近づくと、由美が改札口から現れた。彼女の姿を見た瞬間、心の中の不安は薄れていった。彼女の笑顔が、すべての緊張を解きほぐしてくれるようだった。「お待たせ、圭介さん！」と、彼女が元気に声をかけてくれた。

「全然待ってないよ、今日もいい天気だね」と返すと、由美は嬉しそうに微笑んだ。彼女の笑顔は、俺にとっての特効薬だった。

その日は、少し歩きながら行ける場所を考えていた。最初に向かったのは、代々木公園。広々とした緑の中を散策するのは、二人にとってリラックスできる時間になると思った。

公園の中を歩きながら、軽い話をし続けた。由美の好きなこと、趣味、将来の夢について、徐々にお互いを知る時間が流れた。由美は、子供の頃からの夢を語ってくれた。「私は、ずっと子供の頃から絵を描くのが好きで、いつか絵本を出版するのが夢なんです」と彼女が言ったとき、俺はその言葉に耳を傾けた。

「それ、素敵だね。絵本って、いろんな人に感動を与えることができるよね」と俺が返すと、由美は「そうなんです！私の絵本で子供たちが笑顔になってくれたら最高です」と目を輝かせた。

彼女の夢を聞いていると、彼女がどれだけ真剣に取り組んでいるのかが伝わってきた。その姿に、俺はどんどん引き込まれていった。そうか、由美にはこんなにも素敵な一面があるんだ。彼女の描く世界に、少しずつ触れていく感覚が心地よかった。

散歩を続ける中で、ふとした瞬間に由美の手に触れた。互いの手が触れた瞬間、心の中に温かい感情が広がった。「圭介さん、手が冷たい」と彼女が笑いながら言った。その言葉が、俺の心に何か特別な感覚を呼び起こした。少しずつ、由美との距離が縮まっているように感じた。

「そうかな？じゃあ、少し温めてあげるよ」と冗談交じりに返すと、由美は頬を赤らめた。その反応が可愛らしくて、心が躍った。俺は、彼女と一緒にいるとどんどん楽しくなっていくのを実感していた。

その後、公園を出てカフェに向かった。カフェの窓際に座り、コーヒーを飲みながら話を続けた。お互いのことを少しずつ知っていくことで、少しずつ心の距離も近づいていくのを感じた。由美は自分の夢だけでなく、家族の話や友人とのエピソードも共有してくれた。

「私の家族はみんな優しくて、特にお父さんは冗談を言って笑わせてくれるんです」と話す由美の笑顔を見ていると、俺もつられて笑顔になってしまった。彼女の家族がどんな人たちか、ますます興味が湧いてきた。

カフェでの時間が過ぎるにつれ、俺の中に由美への愛おしさがじわじわと広がっていくのを感じた。「ねぇ、圭介さん」と由美が少し真剣な顔で呼びかけてきた。「これからのこと、少し考えてみたんだけど、私たち、もっとお互いのことを知り合って、少しずつ進んでいけたらいいなって思ってるの」

その言葉に俺は思わずドキッとした。由美も同じ気持ちを持っているのだろうか？心が高鳴り、これからの未来がどのように広がっていくのか、期待でいっぱいになった。自分たちの未来を考えることで、少しずつ現実が見えてくる気がした。

「もちろんだよ、由美。俺も同じ気持ちだ。お互いのことをもっと知って、一緒に未来を描いていけたらいいね」と真剣に返すと、由美は満足そうに微笑んだ。その瞬間、俺たちの間に流れる空気が、何か特別なものに変わっていくのを感じた。

この日の出会いが、俺たちの未来への一歩となる。少しずつ、二人の関係が深まっていくことを願いながら、心の中に新たな希望を灯していた。彼女との関係がどのように進化していくのか、楽しみでならなかった。