いとなみ

ドッグランでの出会い

ドッグランでの出会い

霊実（れいみ）は、週末の朝、愛犬のココを連れて近くのドッグランに向かった。公園に着くと、青空が広がり、心地よい風が吹いていた。ココはすぐに他の犬たちと遊び始め、霊実はその様子を見守りながら、日常の忙しさを忘れ、しばしの安らぎを感じていた。

そんな時、彼女の視線を引きつけたのは、白い犬を連れた男性だった。彼の名前は蓮（れん）。明るい茶色の髪と爽やかな笑顔が印象的で、彼の犬もまた元気に走り回っていた。霊実はドキドキしながら、ココと一緒に蓮の犬と遊ぶことにした。

「こんにちは！この子はココです。」霊実は犬を指差して話しかけた。

「こんにちは！うちの犬はルーシー。とてもフレンドリーなんですよ。」蓮は優しい声で返した。彼の声に、霊実の心は少しずつ和らいでいった。

二人は犬たちが遊ぶ様子を見ながら、自然と会話が弾んでいく。趣味や仕事、好きな食べ物など、話題は尽きなかった。霊実は自分の思いを素直に話せる相手に出会えたことに驚き、嬉しさが広がっていく。

「ドッグラン、よく来るんですか？」霊実が尋ねると、蓮はうなずいた。

「毎週末、時間があるときに。やっぱり犬たちが楽しそうに遊んでるのを見ると、こっちも元気をもらえるよね。」

その言葉に、霊実も共感した。犬たちの無邪気な姿は、日々の疲れを癒してくれる。話しながら、二人の距離が少しずつ近づいていることを感じた。

「よかったら、来週もここで会いませんか？ココとルーシーが友達になったら、また一緒に遊ばせたいです。」霊実は少し緊張しながらも、思い切って誘ってみた。

「ぜひ！楽しみにしてるよ。」蓮は笑顔で答えた。

その後、二人は連絡先を交換し、別れた。帰り道、霊実は心の中が高揚しているのを感じていた。普段は忙しさに追われていた日常の中で、蓮との出会いは特別なものとなった。

次の週末、約束通りドッグランに足を運んだ霊実は、蓮が待っているのを見つけて、嬉しくなった。再会した二人は、犬たちを遊ばせながら、また楽しい時間を過ごした。時間が経つのも忘れて、笑い声が響き渡った。

何度も会ううちに、霊実と蓮の距離はますます縮まっていった。お互いの好きなことを共有し、犬たちを通じて絆を深めていく。ドッグランは、二人の愛を育む特別な場所となった。

ある日、霊実が「いつか、ココとルーシーの散歩デートもしてみたいな」と言った。蓮は「いいね！その時は、僕がルーシーを連れて行くから、ココも一緒に楽しめるよ。」と答え、二人は笑顔で未来の計画を立てた。

そして、数か月後、ドッグランでのある晴れた日、蓮が霊実に向かって真剣な表情を見せた。「霊実、僕は君といると本当に幸せなんだ。これからもずっと一緒にいたい。」

霊実は心臓がドキドキした。「私も、蓮といると毎日が楽しい。私たち、もっと仲良くなれたらいいな。」

蓮は優しく彼女の手を取り、二人は互いの目を見つめ合った。その瞬間、彼らの心はひとつになった。ドッグランでの出会いが、人生の新たな章の始まりを告げるものとなったのだ。

霊実は微笑みながら、「これからも、ずっと一緒にココとルーシーを連れて遊びに来ようね。」と話しかけた。

蓮は頷き、「もちろん、ずっと一緒にいよう。」と答えた。

二人の関係は、愛犬たちと共に新たなステージへと進んでいく。これからも続く幸せな時間が、彼らを待っていた。