いとなみ

春秋花壇

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君のいたずらっぽい瞳が

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君のいたずらっぽい瞳が

あの日、学校の図書室で初めて君を見たとき、私はそのいたずらっぽい瞳に心を奪われた。金色の光が差し込む静かな空間で、君は本を手に取り、何かを企んでいるような笑みを浮かべていた。その瞬間、私の胸は高鳴り、運命的な出会いを予感させた。

「ねえ、あの本、面白いの?」私は勇気を振り絞って声をかけた。君は驚いた顔をして振り返り、目が合った瞬間、微笑んだ。

「うん、すごく面白いよ。特にこのページ!」君はページをめくり、興奮したように内容を説明し始めた。その瞬間、私は君の魅力にどんどん引き込まれていった。

それからというもの、私たちは図書室での小さな冒険を共にするようになった。君のいたずらっぽい瞳が、何か新しいことを企んでいるのを感じると、私もそのワクワク感に抗えず、一緒になって遊び心を持つようになった。

「今日、放課後に美術室で絵を描こうよ!」ある日、君が提案した。私たちの学校は美術の授業が充実していて、自由に使える美術室があった。私はすぐに賛成した。

放課後、私たちは美術室に向かった。そこは薄暗いが、カラフルな絵具やキャンバスが並び、創造力を掻き立てる場所だった。君は絵具を手に取り、私にいたずらっぽく笑いかけた。

「じゃあ、リナの顔を描いてみよう!」と言いながら、君はすぐに私の顔に青い絵具を塗りつけた。私は驚き、笑いながら抵抗しようとしたが、君のいたずら心には勝てなかった。

「ちょっと待って!」私は悲鳴をあげたが、君はますます楽しそうに笑い続けた。結局、私は青い顔のまま、君の描く絵に協力することになった。君は私の顔をキャンバスにして、さまざまな色を重ねていった。

その時、私たちはただの友達以上の存在になっていくように感じた。君の笑顔、いたずらっぽい瞳、そして私への優しさが、私の心に温かさを与えてくれた。放課後の時間は、まるで夢のように過ぎていった。

日が経つにつれ、私たちの友情は深まっていった。学校の帰り道、君と手をつないで歩くのが日課になり、楽しい会話や秘密を共有する時間は、私にとってかけがえのないものとなった。君が見せるいたずらっぽい瞳には、いつも新しい冒険が詰まっているように思えた。

しかし、ある日、君が私に言った。「リナ、少し話があるんだ。」その言葉に、私は少し不安を感じた。君の瞳が真剣な色を帯びているのを見て、心がざわめいた。

「実は、僕の家族が引っ越すことになったんだ。来月には新しい町に行かなきゃいけない。」君の声には、少しの悲しみがこもっていた。私は一瞬、言葉を失った。君と過ごす時間があまりにも大切だったから、突然の知らせが信じられなかった。

「でも、離れても大丈夫だよ。僕たちの絆は消えないと思うから。」君は微笑んでそう言ったけれど、私の心には重いものがのしかかっていた。

「どうして、もっと早く言ってくれなかったの?」私は涙をこらえながら言った。

「驚かせたくなかったんだ。最後の日まで、楽しい思い出を作りたかったから。」君は少し恥ずかしそうに言った。

その瞬間、私は自分の気持ちに気づいた。君への友情が、いつの間にか特別な感情に変わっていた。私は君のことが好きだと自覚した。しかし、伝えられないまま別れが近づいていることがもどかしかった。

君との最後の日、私たちは美術室で過ごすことにした。君が最後の作品として、私の顔を描くことを提案した。私は嬉しさと寂しさが入り混じった気持ちで頷いた。

君が絵具を使って描くたびに、私の心も一緒に描かれていくような気がした。君のいたずらっぽい瞳が、私の心を照らしてくれる。

「これが、僕の大切な友達、リナだよ。」君は描き終えた絵を見せてくれた。そこには、私の笑顔が描かれていた。私はその絵を見て、涙がこぼれそうになった。

「ありがとう、ユウタ。あなたのおかげで楽しい思い出がたくさんできた。」私は思いを込めて言った。

「僕も、リナと過ごした時間は本当に宝物だよ。」君は微笑んで、私を見つめ返した。

その日、私たちはお互いの心に深く刻まれた思い出を抱えて、別れを迎えた。君のいたずらっぽい瞳は、私にとって特別な存在であり続ける。どんなに遠くに離れても、その目の奥にある温かさを忘れない。

私の心の中に、君の笑顔と、あの青い絵具の思い出が色鮮やかに残り続ける。運命の出会いがもたらした、かけがえのない瞬間だった。
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