いとなみ

こんなことってあるのでしょうか?

こんなことってあるのでしょうか?

わたしは、重症うつ病と摂食障害で入院しました。

2人部屋だったのですが、同室の人はいないので実質ずっと一人で使っていました。

病室の一角には静けさが漂っていた。昼も夜も、ひとりで時が過ぎる。病院の壁に映し出される白い光が、時折わたしの不安を明るく照らす。しかし、その光もいつしか暗闇に吸い込まれ、わたしの心は暗い闇に包まれる。

病室には誰もいない。一人で静かに時間が流れる。しかし、その孤独感は時として恐怖に変わり、胸を締め付ける。そして、その孤独を埋めるために、わたしは時折窓の外を見つめる。外の景色は変わらずに、人々の生活が続いているのだろうか。わたしはそんなことを考えながら、ただ時が過ぎるのを待つ。

だが、ある日、異変が起こった。夜中の時計は深夜を示し、病室は静寂に包まれていた。そのとき、わたしはふと目を覚ました。部屋にはわたし以外誰もいないはずなのに、なぜか異様な気配を感じる。心臓が高鳴り、わたしは慎重に周りを見回した。すると、隣のベッドに影がうごめいているのを見つけた。恐怖に襲われながらも、わたしは声を潜めて呟いた。

「誰？」

しかし、返答はなかった。影は静かに動き続け、わたしの部屋に近づいてきた。わたしは恐怖に打ち震えながら、壁に背を預けていた。そして、その影がわたしのベッドに近づくと、何かを取り出しはじめた。そのとき、わたしは驚愕の表情を浮かべた。

それは何と、睡眠薬だったのだ。わたしの体が微量の薬に過敏なことはよく知られていた。そして、わたしはそれに反応し、すぐに眠りに落ちてしまう。

「止めて！」

わたしの叫び声が病室に響き渡る。しかし、それでも影は動き続け、わたしのベッドに近づいてくる。彼女の目は異様な光を放ち、わたしの心臓は激しく鼓動する。

そのとき、わたしは何者かに助けを求めるように祈り、力を振り絞ってベッドから立ち上がった。しかし、その瞬間、病室の扉が開き、看護師が姿を現した。

「大丈夫ですか？」

看護師の声がわたしを現実に引き戻す。そして、わたしはただただ深い安堵の息をついた。彼女が駆け寄ってくれたおかげで、わたしは難を逃れることができた。

その後の調査で、夜這いをしてきたのは病院の患者であることが判明した。彼女はわたしの睡眠薬を盗んでいたのだ。その事実に驚きながらも、わたしは看護師に感謝の言葉を伝えた。

その日以降、わたしは夜中に起きることを恐れるようになった。しかし、その恐怖を乗り越えることで、わたしは少しずつ前向きな気持ちになっていった。そして、退院の日が近づくにつれ、わたしは新たな希望と勇気を抱くようになったのだった。