いとなみ

春秋花壇

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だって、あなたが浮気をしたから

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だって、あなたが浮気をしたから

「だって、あなたが浮気をしたから」

静まり返った部屋に、響き渡る私の声。目の前の彼氏は、うつむいたまま何も言わない。

数時間前まで、私たちは幸せな時間を過ごしていたはず。誕生日ディナーを一緒に食べ、プレゼントを交換し、愛の言葉を囁き合った。

なのに、なぜこんなことになっているのか。

数日前に、彼のスマホに知らない女性からのメッセージを見つけた。最初は気のせいかと思ったけど、何度もやり取りしている様子を見て、確信した。

彼は、浮気をしていた。

「なんで?どうして?愛してるって言ってたじゃない。」

声にならない声で、彼に問いかける。

「…ごめん。…他に好きな人ができた。」

ようやく顔を上げた彼氏は、申し訳なさそうな顔でそう言った。

信じられなかった。今まで信じていた人、愛していた人が、こんな裏切りをするなんて。

「…もう、あなたのこと信じられない。」

涙が溢れ、止まらない。

「…本当にごめん。」

彼はただ、そう繰り返すだけ。

部屋は再び静寂に包まれた。

これからどうすればいいのか分からない。

愛していた人との別れは、想像以上に辛い。

でも、このまま彼と一緒にいることはできない。

私は、彼氏から離れることを決意した。

「…もう会わない。」

そう告げて、私は部屋を出た。

後ろを振り返らず、歩き続ける。

涙で前が見えないけど、それでも前に進むしかない。

いつか、この苦しみを乗り越えられる日が来るのだろうか。

今はただ、前に進むことしかできない。

数ヶ月後、私はようやく立ち直り始めていた。

新しい仕事に就き、新しい友達もできた。

まだ、彼氏のことを思い出すこともあるけど、以前よりは苦しくなくなった。

いつか、また愛せる人と出会えるかもしれない。

そう信じて、私は今日も前を向いて歩いていく。

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