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春秋花壇

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運命の赤い糸

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運命の赤い糸

陽射しが降り注ぐ春の日、私は東京・表参道のカフェで友人と待ち合わせをしていた。待ち時間にふと見上げたガラス越しに、目を奪われるような赤いワンピースを着た女性が歩いているのが見えた。

3人の男性を後ろに従えているかのように歩き方が爽やかだった。

鮮やかな赤は、街の喧騒の中でもひときわ目を惹き、太陽の光を浴びて更に輝いているようだった。ロングヘアをなびかせ、軽やかに歩くその姿は、まるで映画のワンシーンのようだった。

思わず立ち上がり、店外に出て彼女の後を追い始めた。人混みに紛れて見失ってしまうのではないかと焦りながら、必死に彼女を探した。

そして数分後、ようやく彼女を見つけた。彼女は、路地裏にある小さな花屋の前で立ち止まり、一輪の赤いバラを手に取っていた。

その瞬間、私は運命を感じた。赤いワンピース、そして赤いバラ。まるで、私に会いに来たかのようだった。

思い切って声をかけると、彼女は驚いた様子で私を見つめた。しかし、すぐに笑顔になり、柔らかな声で挨拶してくれた。

彼女の名前は、アヤカ。偶然にも同じ大学に通っていたことが分かった。

会話を重ねるうちに、私たちは意気投合し、あっという間に時間が過ぎていった。

アヤカは、ファッションが大好きで、将来はデザイナーになることを夢見ていると話してくれた。

彼女の情熱的な夢を語る姿に、私は心を奪われていた。

カフェを後にし、公園を歩きながら、私たちは様々な話をして笑い合った。

日が傾き始め、そろそろ別れなければならない時間になった。

「また会えますか?」

思い切ってそう尋ねると、アヤカは微笑みながらうなずいた。

「はい、ぜひ。」

そして、アヤカはポケットから小さな赤い糸を取り出した。

「これは、幸運のお守りです。あなたにあげる。」

そう言って、アヤカは私の小指に赤い糸を結んでくれた。

赤い糸は、私たちの運命を繋ぐ絆のようだった。

その日から、私たちは頻繁に会うようになった。

美術館や映画館、カフェなど、様々な場所にデートに行った。

アヤカと話す時間は、いつも刺激的で楽しかった。

彼女の存在は、私の生活を鮮やかに彩ってくれた。

ある日、アヤカから夢を実現するためにパリへ留学する話を聞いた。

寂しさを感じながらも、彼女の夢を応援したいと思った。

「頑張ってね。」

そう言って、私はアヤカに抱擁を送った。

そして、別れ際に、アヤカは私の小指に結ばれた赤い糸をそっと触れた。

「必ず、帰ってくるからね。」

アヤカがパリへ旅立ってから、数ヶ月が経った。

私は毎日、アヤカとの思い出を振り返り、再会の日を心待ちにしていた。

そして、ついにその日が訪れた。

アヤカは、パリでの経験を糧に、さらに輝きを増して帰国してきた。

再会した私たちは、喜びを分かち合い、未来について語り合った。

赤い糸は、私たちを繋ぎ続ける絆となった。

そして、数年後、私たちは結婚した。

結婚式の日、アヤカは真っ赤なウェディングドレスを着ていた。

それは、初めて彼女を見たあの日、街を歩いていた時のように、太陽の光を浴びて輝いていた。

赤い糸に導かれ、運命的に出会った私たち。

これからも、赤い糸を繋ぎ続け、二人で歩んでいきたい。

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