いとなみ

春秋花壇

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失われた風景 食べて行くということ

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この小説を書き始めたころは、おふくろが死んだばかりで

喪失感から立ち直るのにやっとだった。

俺の名前は、矢次誠一32歳。

ニート歴10年の自宅警備員のプロだ。

って、また言い訳モードに入ってる。

得意だよな。

誰に言い訳してるんだろう。

東京にいる時は、夜の8時くらいにスーパーに行くとお弁当の30パーセント引きが簡単に手に入った。だから、食べ物にそんなに苦労したことなかったんだ。うつ病だったから、食欲もそれほどなかったのかも知れない。

ログライン

ログラインは、物語の中心的な対立を述べるテレビ番組、映画、または本の簡単な要約であり、しばしば物語の筋書きの概要と、興味を刺激する感情的な「フック」の両方を提供します。 TVガイドの1文のプログラムの概要はログ行です。皮肉を入れる。

東京でさえ、居酒屋に勤めていた人たちが新型感染症のせいでコンビニのアルバイトに変えている。

しかも、深夜だよ。

大きな美しい瞳を持つその女の人は、

「食べていけないから」

と、とびっきりの笑顔で明るく答えた。

その時にはまだ、その本当の意味が解っていなかったんだ。

(へー)

ほんとに人ごとみたいに感じていた。

今は少しは違うよ。

働きたくても10年間、引きこもりニートだった俺は、人と話をする事さえ怯えてしまう。

極度に緊張してしまう。そして、吐き気を伴うほどの頭痛に襲われるのだ。

そんな俺でも、俺に出来る仕事を必死で探そうとしていた。

その前に、毎日都会のように買い物に行ける訳じゃないから、

月にどのくらいのものをいつ買いに行けばいいのかいい加減把握しろよって

感じていた。

親ってすごいよな。

どんなに自然災害に逢おうが、ちゃんと子供たちを育て上げるんだから。

俺は夏バテなのか、朝から悪寒がして起き上がろうとしてもご飯の用意をする事さえ出来ないでいた。

何時の間にかいついてしまったゆきちゃんが代わりにおかゆを作ろうとしてくれたのだが、

「お兄ちゃん、お米がもうあまりないよ」

(この前、20キロ買って来たばかりなのに…)

(新盆で人が一杯来たからな…)

車で35分くらい走らせないとお店はない。

「囲炉裏に金属でできた大きな箱があって、その中にそうめんがあるから…」

米がないと言っているのに、ちんぶんかんぶんな返事をしてる。

「悪寒が止まったら、買い物に行かないとな」

「うん、早く良くなってね」

ゆきちゃんが作ってくれた『粉ふきいも』、めっちゃおいしい。

冷やっこに万能ねぎとみょうがが載っている。

「このみょうが、裏山からとって来た?」

「この前、お兄ちゃんが場所を教えてくれたから」

恥ずかしそうに頬をほんのり赤くして上目遣いに答えるゆきちゃん。

胸、キュン。かわいい。

18歳も違うのにな。

生姜にハチミツを入れて、生姜湯も作ってくれた。

「風邪はひき始めが大切」と、靴下をはかせてくれる。

コイツ、きっといい女房になるよな。

「田舎は店が遠いから大変だな」

様々なことに備えて、腐らない物は多めに用意する必要があるのかな。

でも、子供の頃、お米に虫がついておばあちゃんが良く干していたな。

コクゾウムシ。唐辛子を入れると多少は効果があるのかな。

生協さんとかアマゾンとか入手経路をもっと学ばないとね。

ああ、何にも考えないでゲーム三昧だった頃が懐かしい。

おれ、頑張ってるよな。

誰も褒めてくれないから自分で自分を褒めるんだ。

シムズ3や4のように冷蔵庫明ければ、

いつでも食材が調理できるって夢のようなことを考えて居る。

裏にある倉の中には、食べきれない程のお米が入ってたのにな。

何時までも無い物ねだりしてないで、現実を直面しようよ。

どうやら、俺の頭はどうしようもない事を考える天才らしい。

3歳が理解し、山菜狩り開始


重い気分障害から🌱
解放されると
お部屋の掃除とか🌿
書類の整理とか
何かの申請とか
契約更新とか
基本的な生活態度とか🌼
しなきゃいけない事が
山のように思えて
病気が治った喜びよりも
対処にあたふたする☘️
ゆっくりでいいんだよ
少しずつでいい🍀

https://pin.it/nrIgZUp  via @pinterest pic.twitter.com/Gp05KqH930

悪い時が過ぎれば、

よい時は必ず来る。

おしなべて、

事を成す人は必ず時の来るのを待つ。

あせらずあわてず、

静かに時の来るのを待つ。

- 松下幸之助 -

おはようございます🌼

待つこと続けることは
大人と子供をわけるプロセス
成長を楽しみたいですね

ありがとうございます🌼 pic.twitter.com/zyUux4qaxG


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