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失われた風景 わからないことだらけ
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「カエルぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ七ぴょこ八ぴょこ九ぴょこ十ぴょこ」
はうーー。子供じゃあるまいし、何を馬鹿なことを言ってるんだ俺は。
俺の名前は、矢次誠一32歳。
ニート歴10年の自宅警備員のプロだ。
俺は今、陰キャ引きこもりニートから必至に
回復しようとしている。
独り暮らしって、誰とも話さない日とかあって、
そのうち話す事さえ忘れてしまうんじゃないかとか思うことがしばしばある。
陰キャヒッキーだったくせに、何をいまさらって感じなのだが…。
さっきまで、アルファポリスの小説を読んでいたのだが、
訳の解らない中世の恋愛小説、
「もうあきたー」
その癖、去年の芥川賞の受賞作『破局』を買ったのにまだ読み終えていない。
本屋大賞の『流浪の月』も面白かったのに、流し読みをしてしまった。
インプットもアウトプットも出来ないくせに、飽きたなんてどの口で言ってるんだか。
こんな時は、狂った頭で考えるんじゃなくて体を動かすんだと
畑を耕し始めたのだが、畝の作り方が解らない。
鍬もどれを使うんだか知らない。
古い鍬だから、かくかくしてたりするんだけど、楔の打ち方も解らない。
とにかく根が張れるように少し深めに掘り起こして天地返しとやらをやってみた。
まあ、びっくりするほど虫がいる。
カタツムリの外側みたいなやつやら、白いやつ、茶色の奴、ダンゴムシも。
ここは、虫の天国かーといいたくなるほど。
ミミズも沢山。
みみずを別にして他は全部捨てていいのかな。
ちょっとやっては、休んでYouTubeの動画を調べたりネットを調べたり。
ド素人なんだから仕方ないよな。
もんぜん【門前】 の 小僧(こぞう)習(なら)わぬ経(きょう)を読(よ)む 常に見たり聞いたりしていれば、知らず知らずのうちにそれを学び知るようになる。 環境がその人に与える影響の大きいことのたとえ。 勧学院の雀は蒙求を囀る。
毎日少しずつでもやってればその内、ましになっていくものなのか。
土つくりは基本。
水を保つ「保水性」、養分を保つ「保肥性」、空気を通す「通気性」、根腐れしないための「排水性」の4つを考慮する。
朝顔とか、グラジオラス、へちまとか小学校の時色々教わったけど、
ただ植えて、水をあげて、添え木をしてって感じで、
肝心な土つくりなんて習ったんだか習わなかったんだか覚えていない。
人間にとって、最初の共同体である「家族」が重要なように、礎なんだろうけどな。
とりあえず、掘り起こして腐葉土を裏山からとって来てまぜまぜした。
苦土石灰を混ぜ込んで少し放置かな。
はー。重労働だぜ。
鍬を持つ手にまめができている。
楽しいスローライフのはずなのに、結構大変だよな。
お百姓さんに感謝。
のどかな山間の田園風景。
地平線に沈む夕日が美しい。
都会の空と違って、四角くないのも心を広くしてくれる。
そういえば、この辺のカラスは早朝通勤をしないのかな。
繁華街もないから、意味がないのか。
所変われば品変わる。
生態系も変わっていくのだろう。
俺も変化に順応できますように。
いつの日にか、台所の3種の神器くらいは作れたらうれしいよな。
人参、じゃがいも、玉ねぎ。
本来の3種の神器は、
古くから,天皇が皇位の璽(しるし)として,代々伝えた 3種の宝物,すなわち八咫鏡(やたのかがみ),草薙剣(くさなぎのつるぎ),八坂瓊曲玉(八尺瓊勾玉。 やさかにのまがたま)。
過疎の無医村だから買い物は本当に不便。
ちょっと、小腹がすいたからとコンビニでスイーツと言う訳にもいかず
その癖、家が古いからやたら修繕費用がかかる。
あげくに、糞尿は水洗じゃないからある程度溜まると自分で何とかしないといけない。
ああ、もっと子供の頃に親が何処に持って行って処理していたのか聞いておけばよかった。
バキュームカーを呼びたくても、公道から家までの距離が長いから届かないって。
普通のゴミだつて、取集日に出せば終わりじゃない。
焼くか埋めるか結構面倒だ。
のんびりスローライフなんて誰が言ったんだ。
やること多すぎ。
と、愚痴をこぼしてみる。
ほらほら、口がへの字になってるよ。
鏡は先に笑わない。
深呼吸したくなるような満天の星空だけは手放しで喜べる。
天の川 相向きたちて 我が恋ひし
君来ますなり 紐解き設けな
俺にも紐解いて待っててくれるような女が現れないかな。
ああ、まったりとゲームしたくなっちまうぜ。
はうーー。子供じゃあるまいし、何を馬鹿なことを言ってるんだ俺は。
俺の名前は、矢次誠一32歳。
ニート歴10年の自宅警備員のプロだ。
俺は今、陰キャ引きこもりニートから必至に
回復しようとしている。
独り暮らしって、誰とも話さない日とかあって、
そのうち話す事さえ忘れてしまうんじゃないかとか思うことがしばしばある。
陰キャヒッキーだったくせに、何をいまさらって感じなのだが…。
さっきまで、アルファポリスの小説を読んでいたのだが、
訳の解らない中世の恋愛小説、
「もうあきたー」
その癖、去年の芥川賞の受賞作『破局』を買ったのにまだ読み終えていない。
本屋大賞の『流浪の月』も面白かったのに、流し読みをしてしまった。
インプットもアウトプットも出来ないくせに、飽きたなんてどの口で言ってるんだか。
こんな時は、狂った頭で考えるんじゃなくて体を動かすんだと
畑を耕し始めたのだが、畝の作り方が解らない。
鍬もどれを使うんだか知らない。
古い鍬だから、かくかくしてたりするんだけど、楔の打ち方も解らない。
とにかく根が張れるように少し深めに掘り起こして天地返しとやらをやってみた。
まあ、びっくりするほど虫がいる。
カタツムリの外側みたいなやつやら、白いやつ、茶色の奴、ダンゴムシも。
ここは、虫の天国かーといいたくなるほど。
ミミズも沢山。
みみずを別にして他は全部捨てていいのかな。
ちょっとやっては、休んでYouTubeの動画を調べたりネットを調べたり。
ド素人なんだから仕方ないよな。
もんぜん【門前】 の 小僧(こぞう)習(なら)わぬ経(きょう)を読(よ)む 常に見たり聞いたりしていれば、知らず知らずのうちにそれを学び知るようになる。 環境がその人に与える影響の大きいことのたとえ。 勧学院の雀は蒙求を囀る。
毎日少しずつでもやってればその内、ましになっていくものなのか。
土つくりは基本。
水を保つ「保水性」、養分を保つ「保肥性」、空気を通す「通気性」、根腐れしないための「排水性」の4つを考慮する。
朝顔とか、グラジオラス、へちまとか小学校の時色々教わったけど、
ただ植えて、水をあげて、添え木をしてって感じで、
肝心な土つくりなんて習ったんだか習わなかったんだか覚えていない。
人間にとって、最初の共同体である「家族」が重要なように、礎なんだろうけどな。
とりあえず、掘り起こして腐葉土を裏山からとって来てまぜまぜした。
苦土石灰を混ぜ込んで少し放置かな。
はー。重労働だぜ。
鍬を持つ手にまめができている。
楽しいスローライフのはずなのに、結構大変だよな。
お百姓さんに感謝。
のどかな山間の田園風景。
地平線に沈む夕日が美しい。
都会の空と違って、四角くないのも心を広くしてくれる。
そういえば、この辺のカラスは早朝通勤をしないのかな。
繁華街もないから、意味がないのか。
所変われば品変わる。
生態系も変わっていくのだろう。
俺も変化に順応できますように。
いつの日にか、台所の3種の神器くらいは作れたらうれしいよな。
人参、じゃがいも、玉ねぎ。
本来の3種の神器は、
古くから,天皇が皇位の璽(しるし)として,代々伝えた 3種の宝物,すなわち八咫鏡(やたのかがみ),草薙剣(くさなぎのつるぎ),八坂瓊曲玉(八尺瓊勾玉。 やさかにのまがたま)。
過疎の無医村だから買い物は本当に不便。
ちょっと、小腹がすいたからとコンビニでスイーツと言う訳にもいかず
その癖、家が古いからやたら修繕費用がかかる。
あげくに、糞尿は水洗じゃないからある程度溜まると自分で何とかしないといけない。
ああ、もっと子供の頃に親が何処に持って行って処理していたのか聞いておけばよかった。
バキュームカーを呼びたくても、公道から家までの距離が長いから届かないって。
普通のゴミだつて、取集日に出せば終わりじゃない。
焼くか埋めるか結構面倒だ。
のんびりスローライフなんて誰が言ったんだ。
やること多すぎ。
と、愚痴をこぼしてみる。
ほらほら、口がへの字になってるよ。
鏡は先に笑わない。
深呼吸したくなるような満天の星空だけは手放しで喜べる。
天の川 相向きたちて 我が恋ひし
君来ますなり 紐解き設けな
俺にも紐解いて待っててくれるような女が現れないかな。
ああ、まったりとゲームしたくなっちまうぜ。
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