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えくぼが可愛い・・・ウザいあいつ
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・・・ウザいあいつ
俺が小6のときの話
俺は生まれつきスタミナが無くて、友達も少なかった
そのせいでマラソン大会とかマジ地獄だった
そんな俺にやたらまとわりついてくる奴がいて
そいつは明るい性格でクラスの人気者
俺とは正反対の奴だった
いつも笑顔で明るくて変な奴
えくぼがとってもかわいいやつ。
お餅みたいに白くて、思わずぶにゅって押してみたくなる奴。
そいつが俺はウザくてウザくて
話とかは受け流して関わらないようにしてた(向こうから来るけど)
そしてマラソン大会の日、俺は朝からテンションめちゃくちゃ低くて、
「今年も絶対途中で倒れるよなぁ」とか考えてた 毎年倒れてゴールできなかったし
そしてスタート 俺は案の定途中で倒れて、救護テントまで運ばれた
「あーあ、一度でいいから完走してみたい……」
マラソンは嫌いだけど、毎年、大会の日はお汁粉が出る。
疲れた体に、お汁粉の甘みが滲みていくんだ。
「出来るだけのことはしたんだ。お疲れさまって」
添えられている黄色のたくあんもぱりぽり、うまい。
甘みと塩気が絶妙なんだ。
マラソン大会の後も授業だったのでその帰り、いつもどうり一人で正面玄関から出ると
ウざいあいつがマラソン大会のゴール付近に朝礼台おいて
そこにひも結んで立ってた
で、こっちに手招きしてるんだ
無視しようかと思ったけど一応行ってみると
「ゴールテープ切って!」とそいつが言うんだ
仕方なく俺は走り始めた。
あと少しと言う所まで来たのに、
足首がかくんとして転んでしまったんだ。
痛いのと恥ずかしいのとで、このまま消えてしまいたくなった。
もう少し、あと少しなのに……。
すると、突然
「がんばれ、がんばれ」
と、クラスの何人かが応援してくれている。
「何回転んだかじゃない。何回起き上がったかなんだ」
ウザいあいつが叫んだ。
俺は起き上がると、膝のよごれをぽんぽと払って、
また走りはじめる。
膝からは、うっすらと血がにじんでいた。
白いテープが輝いて見える。
俺がそのゴールテープ(ひも)の真ん中を通るとひもが朝礼台からほどけて
俺がゴールした形になった
その後あいつが言ったんだ
「ゴールだ おめでとう」
他の人達も拍手してくれている。
俺は久しぶりに声出して泣いたね
そしてそいつに初めて
「ありがとう」って思った
校庭の白いアナベルの花が誇らしげに揺れている。
俺の涙を隠すように急に小ぬか雨が振りだした。
ウザいあいつ。
ちょっといいよな……。
「アナベル」の花言葉は「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」。
ピンク色の花が咲くピンクアナベルの花言葉は「寛容な女性」。
俺が小6のときの話
俺は生まれつきスタミナが無くて、友達も少なかった
そのせいでマラソン大会とかマジ地獄だった
そんな俺にやたらまとわりついてくる奴がいて
そいつは明るい性格でクラスの人気者
俺とは正反対の奴だった
いつも笑顔で明るくて変な奴
えくぼがとってもかわいいやつ。
お餅みたいに白くて、思わずぶにゅって押してみたくなる奴。
そいつが俺はウザくてウザくて
話とかは受け流して関わらないようにしてた(向こうから来るけど)
そしてマラソン大会の日、俺は朝からテンションめちゃくちゃ低くて、
「今年も絶対途中で倒れるよなぁ」とか考えてた 毎年倒れてゴールできなかったし
そしてスタート 俺は案の定途中で倒れて、救護テントまで運ばれた
「あーあ、一度でいいから完走してみたい……」
マラソンは嫌いだけど、毎年、大会の日はお汁粉が出る。
疲れた体に、お汁粉の甘みが滲みていくんだ。
「出来るだけのことはしたんだ。お疲れさまって」
添えられている黄色のたくあんもぱりぽり、うまい。
甘みと塩気が絶妙なんだ。
マラソン大会の後も授業だったのでその帰り、いつもどうり一人で正面玄関から出ると
ウざいあいつがマラソン大会のゴール付近に朝礼台おいて
そこにひも結んで立ってた
で、こっちに手招きしてるんだ
無視しようかと思ったけど一応行ってみると
「ゴールテープ切って!」とそいつが言うんだ
仕方なく俺は走り始めた。
あと少しと言う所まで来たのに、
足首がかくんとして転んでしまったんだ。
痛いのと恥ずかしいのとで、このまま消えてしまいたくなった。
もう少し、あと少しなのに……。
すると、突然
「がんばれ、がんばれ」
と、クラスの何人かが応援してくれている。
「何回転んだかじゃない。何回起き上がったかなんだ」
ウザいあいつが叫んだ。
俺は起き上がると、膝のよごれをぽんぽと払って、
また走りはじめる。
膝からは、うっすらと血がにじんでいた。
白いテープが輝いて見える。
俺がそのゴールテープ(ひも)の真ん中を通るとひもが朝礼台からほどけて
俺がゴールした形になった
その後あいつが言ったんだ
「ゴールだ おめでとう」
他の人達も拍手してくれている。
俺は久しぶりに声出して泣いたね
そしてそいつに初めて
「ありがとう」って思った
校庭の白いアナベルの花が誇らしげに揺れている。
俺の涙を隠すように急に小ぬか雨が振りだした。
ウザいあいつ。
ちょっといいよな……。
「アナベル」の花言葉は「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」。
ピンク色の花が咲くピンクアナベルの花言葉は「寛容な女性」。
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