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ロミオメール
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自分から好きな人ができたからと婚約破棄しておいて、
いまさら、雨あられのロミオメール。
いったい何なのよ。
あれほど、つらい思いをさせられたのに、
ブロックできないわたくしのばかばか。
多少なりとも、後ろ髪惹かれていることを
見透かすように何度も何度も心を溶かすような甘い言葉。
せつない想いは、消し炭のようにくすぶり続けている。
大好きなあなたに喜んでもらいたくて、
清潔感のあるシンプルな中にもどことなく品を感じられるような
美的センスを養い、片付け、掃除、料理、お話の聞き方、
一つずつ丁寧に積み上げてきたのに、
無残にもがらがらがシャーんと崩したのは、
あなたでしょう……。
二人で写った写真たてを捨てることもできずに
後ろ向きにしたわたくしの哀しみがあなたには
伝わらなかったのかしら。
わたくしは、月島 紬 23歳。
わたくしは、保科 蒼さま 29歳から2ヶ月前に
婚約破棄されました。
ロミオメールとは、過去に付き合っていた男性が復縁を求めて、
突然女性に送ってくるメールのことです。
「お待たせ。僕たちは1度別れたけど、
お互いの大切さを分かるために必要な期間だったんだね。」
とか、
「ああ、僕たちは、まるでロミオとジュリエットのように
離れても固く結ばれているんだ。愛しているよ」
とか、
「逢いたい、2ヶ月も君に逢っていない。
僕の胸は今にも張り裂けそうだ」
とか、はーーーーー。
「やっぱり、僕たちは運命の糸でつながれていたんだね。
僕のお姫様、王子として君を迎えに行くよ」
学芸会ではありません。
「君は美しいこの世にたった一つの花。
待たせてごめんね、お姫様」
大根役者ですか?
「まだ結婚してないんだろ?
どうせお前のことだから、俺にフラれて毎日泣いてると思ってメールしてあげた」
もう、結構です。
「祈り、僕と君は永遠に結ばれる運命なんだ」
ご勝手にお一人でどうぞ。
おうちに何度もこられて、困るので
THE HIRAMATSU
HOTELS & RESORTS 宜野座
に、一人海を見に来ました。
沖縄のエメラルドグリーンの海、
白い砂、畏怖の念を抱かせる朝日。
地球は丸いと心から感じられる地平線。
そよぐ風。ゆれるハイビスカス。
潮の香り、キラキラ光る陽光。
生まれてきてよかったと心から思える
おもてなしの楽園です。
あまりにうるさいロミオメールをブロックして、
地球と戯れるのです。
ディナーは、透明感のあるフランス料理。
気品と軽やかな仕立てのシェフの厳選されたこだわりを感じます。
・沖縄食材3皿のアミューズ
・前菜2品
・魚料理
・肉料理(石垣島産美崎牛2皿)
・お口直しのデザート
・季節のデザート
・小菓子&コーヒー
とどろけ,深い紺青の海よ ― 鳴りとどろけ!
万を数える艦隊も,汝にあっては無きに等しく,
人は地に爪痕を残すとも ― その支配は
岸を越ゆることなし
わたしたちの吸う酸素のおよそ90%は,地球上の海,
特にその中の藻類から供給されています。
海洋の微小な植物プランクトンだけで
地球の酸素の3分の1が賄われているとも言われています。
広大で美しい愛の供給源。
寄せては返す心地よい波の音が耳に軽やかです。
月・星・太陽が海に溶ける
自然に抱かれる日々
ゆっくりと満喫するのです。
頭で考えるのではなく、
感じていたいのです。
地球の温度差を和らげ,信じがたいほど多種多様な生物を養い,
世界の気候や雨水の循環に極めて重要な役割を果たしている海。
沖縄美ら海水族館(沖縄本島)にも、
これから行ってみようかなと思っています。
タイマイ、アオウミガメ、アカウミガメ。
水族館生まれの亀さんたち。
竜宮城にいざなってくれるでしょうか。
後、何十年かしたら夢のように過ぎ去った日々を思い、
くすっと笑えるかな。
玉手箱を開けてしまった浦島太郎のように……。
「お言葉通りに頂戴いたしましょう。
ただ一言、僕を恋人と呼んでください。
さすれば新しく生まれ変わったも同然、
今日からはもう、ロミオではなくなります」
「恋人のところへ行く時は、
学校の生徒が教科書を離れるときのように嬉しいが、
恋人と別れるときは、重い本をさげて学校へ行く時のように悲しい」
「案内人などいません。
しかし、あなたがどれほど離れていようと、
そこがはるかな海に洗われている広々とした岸辺だとしても、
私はあなたのような宝を求めて旅に出ますよ」
来なくていいです。きっぱり。
はいはい、もう十分です。
スマホブロックしたのに、
今度は紅の文ですか。
うふ、すこしうれしいかも。
提琴桜(ていきんざくら)の赤い艶やかなお花が青い空と海に映えて美しい。
花言葉は「優れた美人」
ロミオメールみたい……。
地球と仲好しファシリティー
THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 宜野座
広大な敷地に19の客室しかないんですよ。
テラスと広い庭の向こうにはプライベートビーチのような
自然な宜野座の海と緑が広がっている。
ああ、思わず深呼吸。
目をつぶって、瞑想タイム。
光療法、自律神経訓練。
リフレッシュされていく。
新鮮な空気と海風がゆっくりじんわり体にしみていく。
沖縄は、わたくしにとって地上の楽園。
開放感に満たされていく。
楽しいね。
幸せだね。
運がいいね。
明るい未来が待っているね。
ポジティブな言葉をいっぱい自分に浴びせてあげる。
テラスにあるジェットバスに浸りながら
お魚になったみたいに水平線に酔いしれるのです。
しばらくすると、お部屋の電話のベルが突然鳴り、
「フロントですが、お客様がお見えです」
と、連絡が入りました。
慌てて、着替えてフロントに向かうと、
保科 蒼さまがダブルのこげ茶のスーツに身を包んで
コンソルジェと、お話中。
わたくしの顔を見るなり、つかつかと近寄ってきて、
「ただ一言、僕を恋人と呼んでください」
どんだけ、ロミオメッセージを送れば気が済んだろう。
許すか許さないか、今はまだ決めることができません。
至れり尽くせりの心づくしと共に今日一日を楽しみましょう。
ご一緒にいかがですか
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伝わらなかったのかしら。
わたくしは、月島 紬 23歳。
わたくしは、保科 蒼さま 29歳から2ヶ月前に
婚約破棄されました。
ロミオメールとは、過去に付き合っていた男性が復縁を求めて、
突然女性に送ってくるメールのことです。
「お待たせ。僕たちは1度別れたけど、
お互いの大切さを分かるために必要な期間だったんだね。」
とか、
「ああ、僕たちは、まるでロミオとジュリエットのように
離れても固く結ばれているんだ。愛しているよ」
とか、
「逢いたい、2ヶ月も君に逢っていない。
僕の胸は今にも張り裂けそうだ」
とか、はーーーーー。
「やっぱり、僕たちは運命の糸でつながれていたんだね。
僕のお姫様、王子として君を迎えに行くよ」
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待たせてごめんね、お姫様」
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沖縄のエメラルドグリーンの海、
白い砂、畏怖の念を抱かせる朝日。
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潮の香り、キラキラ光る陽光。
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おもてなしの楽園です。
あまりにうるさいロミオメールをブロックして、
地球と戯れるのです。
ディナーは、透明感のあるフランス料理。
気品と軽やかな仕立てのシェフの厳選されたこだわりを感じます。
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・前菜2品
・魚料理
・肉料理(石垣島産美崎牛2皿)
・お口直しのデザート
・季節のデザート
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岸を越ゆることなし
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世界の気候や雨水の循環に極めて重要な役割を果たしている海。
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これから行ってみようかなと思っています。
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