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婚約破棄せずにいたら……
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1.その人(飲酒者)が何杯飲むかと気になりますか?
2.その人が原因で、お金の問題がありますか?
3.その人の問題飲酒をつくろうために嘘をつきますか?
4.「飲酒をやめないなら、別れる」と、脅しますか?
5.また飲みだすのではないかという恐れのために、言いたいことも言えないことがありますか?
6.その人の言動によって、恥ずかしい思いをしたり傷ついたことがありますか?
7.隠されている酒瓶を探し回りますか?
8.家をあけることの不安と恐れから、外出しないようにしたり、せっかくの招待もお断りすることがありますか?
9.その人がお酒さえやめれば、問題はすべて解決すると思っていますか?
10.「私の問題は誰にもわからない」と思っていますか?
11.何かあると自分のせいだと思いますか?
12.責任を取ることが恐いですか?または必要以上にとってしまいますか?
13.人に対して反発、怒り、批判がありますか?
14.相手に合わせすぎて苦しくなりますか?
15.どこにいても自分は他の人と違うと感じますか?
16.喜怒哀楽を素直に感じられませんか?
17.何かわからないけれど苦しいですか?
18.人から見捨てられる不安と恐れがありますか?
わたくしの名前は、佐藤 陽葵(さとう ひなた)27歳。
夫の名前は、佐藤 蓮(さとう れん)33歳。
二人は5年前に結婚しました。
結婚する前、彼はあまりお酒を飲みませんでした。
二人で週に一度、お休みの前の日に、
日本酒を一合ずつ飲むくらいでした。
二人の結婚に関しては、親戚から猛反対されたんです。
それは、わたくしの父親も大酒のみでしたが、
彼の父親もお酒を浴びるほど飲む人だったからです。
二人は、生きづらさを感じながら大人になったのです。
アダルトチルドレンとは、 親がアルコール依存症の家庭で育って成人した人。「adult children of alcoholics」の略語。アメリカでアルコール依存症治療との関わりの中で生まれた言葉である。 親や社会による虐待や家族の不仲、感情抑圧などの見られる機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人。
連鎖でしょうか。
父親のような人とは結婚しないと思いながら育ったのに、
いつの間にか心のどこかで身罷った父を求めていたんでしょうね。
3年目くらいからでしょうか。
少しずつ、彼のお酒の問題が増えてきて、
でも、わたくしの思い過ごしだと思っていたのです。
失礼しました。お風呂に入ってきました。
やっぱり、お風呂は気持ちいいですよね。
定期的に距離を置いて自分を見つめなおさないと
どんどん問題に巻き込まれていってしまいます。
そして、しまいにはこの問題が一体、誰の問題なのかさえ
わからなくなってしまうのです。
それは、水から徐々に温められた蛙のように
危険だということを察知できずに我慢して自制して
辛抱強さを示してしまいには煮えて死んでしまうのです。
新型感染症のせいで、飲食店経営は食べていけない状態になっています。
それでも、命があるだけでも感謝なのかもしれません。
2020年、令和2年の1~9月までの自殺者数は
14,974人、男10170人、女4804人です。
2019年の全国の自殺者数は、18年より881人(4.2%)減って1万9959人(速報値)となり、10年連続で前年を下回った。 1978年の統計開始以来、2万人を下回ったのは初めて。
このまま持ちこたえてくれるといいのですが……。
新型感染症の死亡者数が1,628ですから、どんだけ~って感じでしょうか。
古くからやっているお店なら、
常連さんもいるでしょうが、
わたくしたちは今年開店したばかりなのです。
月々の返済もあります。
健康なら励ましあって乗り越えていけるのでしょうが。
そして、何より嫌なのは、彼は最近、女の人の家に泊まることが増えたのです。
まるで放蕩息子のように、二人してお酒を飲みながら
ベッドの中で一日中ごろごろしているようなのです。
妻というものは悲しいものですよね。
彼が、自分の愛する人が、自分の夫が苦しんでいるときに
一緒にいてあげることもできない。
一緒にベッドでいちゃいちゃして、苦しいことを忘れる手伝いもできない。
自分の生真面目さが本当に嫌になります。
迎えにいくと、だらしないジャージ姿で、ひげもそらないで
お風呂も入っていないのでしょうか。
頭に白い粉をまとって、ぬーと出てくるのです。
そして、そばにいる女は場末のお女郎やさんの女のように、
彼の腕にしがみついてにまにまと笑っているのです。
彼はきっと今、支えてくれたりお説教するひとではなく、
一緒にないて笑って共感してくれる人が欲しいのでしょう。
幼いとき、父を何度か迎えにいきました。
恥ずかしさで身が震えるほど悲しかった。
また、同じ思いをしているのです。
父が昔、母のことを
「かあさまは、私の言ってることに心から賛同してるのではなく、
しかたなく返事をしているのだ」
と、とても悲しそうにつぶやいたのです。
大酒のみの飲んだくれの父でも、そうそうという話が
したかったのでしょうね。
寂しかったのでしょうね。
何があっても揺るがない強健な人も素敵ですが、
もろくて弱い人間らしい人も好きです。
むしろ、そういう人と寄り添いたいと思ってしまうのです。
ああはなりたくないと思っていた母と同じことをしているのです。
わたくしも夫のまねをして、酔っ払ってみました。
落ちるなら、地獄の底まで着いていく。
それが、いい妻だと思えたからです。
目がかすみます。
舌がもつれます。
足が千鳥足になります。
頭の中では、
「お前が悪い」
と、自分を攻め立てるのです。
イネイブラー(enabler)とは、嗜癖その他の問題行動を陰で助長している身近な人のことをいいます。「世話焼き人」などと訳されることもあります。尻拭いをしてしまうのです。
これでは、両親と同じ生き方になってしまいます。
頭ではわかっているのです。
でも、共依存なのでしょうか。
彼を放っておけないのです。
そして、私が手を出せば出すほど、
彼は、無責任になっていくのです。
彼には、失敗する権利があるのです。
彼には、転ぶ権利もあるのです。
わたくしは、お店を閉じて、介護の見習いで働くことにしました。
お給料は安くても、ちゃんとお金が入ってくるから。
己を生かし、他を生かせ。
自分がまず立つことです。
自律、自立なのです。
そして、わたくしはアルコール依存症家庭で育った
アダルト・チルドレンとして健全な考え方、生き方を学ぶことにしました。
あんなに降り続いていた長雨も、いつの間にか止んで
爽やかな秋風が吹いています。
むせ返るような甘いきんもくせいの花は、
地面に落ちてオレンジ色のじゅうたんを敷き詰めています。
そうです。すべてのものは変わるのです。
きっと、わたくしも変われるのです。
明るく、朗らかに愉快な人生を送るのです。
ありがとうございます。
2.その人が原因で、お金の問題がありますか?
3.その人の問題飲酒をつくろうために嘘をつきますか?
4.「飲酒をやめないなら、別れる」と、脅しますか?
5.また飲みだすのではないかという恐れのために、言いたいことも言えないことがありますか?
6.その人の言動によって、恥ずかしい思いをしたり傷ついたことがありますか?
7.隠されている酒瓶を探し回りますか?
8.家をあけることの不安と恐れから、外出しないようにしたり、せっかくの招待もお断りすることがありますか?
9.その人がお酒さえやめれば、問題はすべて解決すると思っていますか?
10.「私の問題は誰にもわからない」と思っていますか?
11.何かあると自分のせいだと思いますか?
12.責任を取ることが恐いですか?または必要以上にとってしまいますか?
13.人に対して反発、怒り、批判がありますか?
14.相手に合わせすぎて苦しくなりますか?
15.どこにいても自分は他の人と違うと感じますか?
16.喜怒哀楽を素直に感じられませんか?
17.何かわからないけれど苦しいですか?
18.人から見捨てられる不安と恐れがありますか?
わたくしの名前は、佐藤 陽葵(さとう ひなた)27歳。
夫の名前は、佐藤 蓮(さとう れん)33歳。
二人は5年前に結婚しました。
結婚する前、彼はあまりお酒を飲みませんでした。
二人で週に一度、お休みの前の日に、
日本酒を一合ずつ飲むくらいでした。
二人の結婚に関しては、親戚から猛反対されたんです。
それは、わたくしの父親も大酒のみでしたが、
彼の父親もお酒を浴びるほど飲む人だったからです。
二人は、生きづらさを感じながら大人になったのです。
アダルトチルドレンとは、 親がアルコール依存症の家庭で育って成人した人。「adult children of alcoholics」の略語。アメリカでアルコール依存症治療との関わりの中で生まれた言葉である。 親や社会による虐待や家族の不仲、感情抑圧などの見られる機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人。
連鎖でしょうか。
父親のような人とは結婚しないと思いながら育ったのに、
いつの間にか心のどこかで身罷った父を求めていたんでしょうね。
3年目くらいからでしょうか。
少しずつ、彼のお酒の問題が増えてきて、
でも、わたくしの思い過ごしだと思っていたのです。
失礼しました。お風呂に入ってきました。
やっぱり、お風呂は気持ちいいですよね。
定期的に距離を置いて自分を見つめなおさないと
どんどん問題に巻き込まれていってしまいます。
そして、しまいにはこの問題が一体、誰の問題なのかさえ
わからなくなってしまうのです。
それは、水から徐々に温められた蛙のように
危険だということを察知できずに我慢して自制して
辛抱強さを示してしまいには煮えて死んでしまうのです。
新型感染症のせいで、飲食店経営は食べていけない状態になっています。
それでも、命があるだけでも感謝なのかもしれません。
2020年、令和2年の1~9月までの自殺者数は
14,974人、男10170人、女4804人です。
2019年の全国の自殺者数は、18年より881人(4.2%)減って1万9959人(速報値)となり、10年連続で前年を下回った。 1978年の統計開始以来、2万人を下回ったのは初めて。
このまま持ちこたえてくれるといいのですが……。
新型感染症の死亡者数が1,628ですから、どんだけ~って感じでしょうか。
古くからやっているお店なら、
常連さんもいるでしょうが、
わたくしたちは今年開店したばかりなのです。
月々の返済もあります。
健康なら励ましあって乗り越えていけるのでしょうが。
そして、何より嫌なのは、彼は最近、女の人の家に泊まることが増えたのです。
まるで放蕩息子のように、二人してお酒を飲みながら
ベッドの中で一日中ごろごろしているようなのです。
妻というものは悲しいものですよね。
彼が、自分の愛する人が、自分の夫が苦しんでいるときに
一緒にいてあげることもできない。
一緒にベッドでいちゃいちゃして、苦しいことを忘れる手伝いもできない。
自分の生真面目さが本当に嫌になります。
迎えにいくと、だらしないジャージ姿で、ひげもそらないで
お風呂も入っていないのでしょうか。
頭に白い粉をまとって、ぬーと出てくるのです。
そして、そばにいる女は場末のお女郎やさんの女のように、
彼の腕にしがみついてにまにまと笑っているのです。
彼はきっと今、支えてくれたりお説教するひとではなく、
一緒にないて笑って共感してくれる人が欲しいのでしょう。
幼いとき、父を何度か迎えにいきました。
恥ずかしさで身が震えるほど悲しかった。
また、同じ思いをしているのです。
父が昔、母のことを
「かあさまは、私の言ってることに心から賛同してるのではなく、
しかたなく返事をしているのだ」
と、とても悲しそうにつぶやいたのです。
大酒のみの飲んだくれの父でも、そうそうという話が
したかったのでしょうね。
寂しかったのでしょうね。
何があっても揺るがない強健な人も素敵ですが、
もろくて弱い人間らしい人も好きです。
むしろ、そういう人と寄り添いたいと思ってしまうのです。
ああはなりたくないと思っていた母と同じことをしているのです。
わたくしも夫のまねをして、酔っ払ってみました。
落ちるなら、地獄の底まで着いていく。
それが、いい妻だと思えたからです。
目がかすみます。
舌がもつれます。
足が千鳥足になります。
頭の中では、
「お前が悪い」
と、自分を攻め立てるのです。
イネイブラー(enabler)とは、嗜癖その他の問題行動を陰で助長している身近な人のことをいいます。「世話焼き人」などと訳されることもあります。尻拭いをしてしまうのです。
これでは、両親と同じ生き方になってしまいます。
頭ではわかっているのです。
でも、共依存なのでしょうか。
彼を放っておけないのです。
そして、私が手を出せば出すほど、
彼は、無責任になっていくのです。
彼には、失敗する権利があるのです。
彼には、転ぶ権利もあるのです。
わたくしは、お店を閉じて、介護の見習いで働くことにしました。
お給料は安くても、ちゃんとお金が入ってくるから。
己を生かし、他を生かせ。
自分がまず立つことです。
自律、自立なのです。
そして、わたくしはアルコール依存症家庭で育った
アダルト・チルドレンとして健全な考え方、生き方を学ぶことにしました。
あんなに降り続いていた長雨も、いつの間にか止んで
爽やかな秋風が吹いています。
むせ返るような甘いきんもくせいの花は、
地面に落ちてオレンジ色のじゅうたんを敷き詰めています。
そうです。すべてのものは変わるのです。
きっと、わたくしも変われるのです。
明るく、朗らかに愉快な人生を送るのです。
ありがとうございます。
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