アルファポリスの投稿インセンティブのスコアを上げるには

１６点の向こう側

１６点の向こう側

カフェのカウンターに座り、私はカップから立ち上る湯気をぼんやりと見つめていた。今日もスコアは16点。目標の34点にはまだ遠い。それでも、パソコンの画面を前にして「お疲れ様！」と自分に言い聞かせるしかない。少しだけため息をつき、コーヒーを一口すする。ほろ苦い味が、少しばかりの安らぎをもたらしてくれる。

「まあ、今日はいいか」そう自分に言い聞かせる。

アルファポリスに投稿し始めたのは、ほんの数ヶ月前だ。最初は何もわからず、手探りで文章をアップし、読者の反応を待つ毎日。少しずついいね！がついて、コメントも来るようになった。だけど、目標にしていたスコアの34点にはなかなか手が届かない。それに、今日の結果は16点。正直、ちょっと残念な気持ちが胸に広がっている。

「どうしてスコアが伸びないんだろう…」そう思いながらも、頭の片隅にはいくつかの理由が浮かんでくる。

作品の質かもしれない。もしかすると、ストーリーの構成が今ひとつだったのかもしれないし、文章の表現がまだ足りないのかもしれない。誤字脱字を見逃しているかもしれないし、他の競合作品に比べてインパクトが弱いのかも。

「でも、もうちょっと工夫すればいい方向に進むかもしれない…」

自分の作品にはどこか自信があった。書くことが好きだし、表現することで自分の心の中を整理できる。だけど、評価となると話は別だ。読者の期待に応えるのは簡単なことじゃない。それでも、自分のペースで続けていくことが大事だと自分に言い聞かせた。

パソコンのスクリーンに映る作品ページを眺めながら、最近の読者コメントを一つ一つ読み返してみる。何人かの読者が、「このキャラクターの感情描写が好きです」と褒めてくれたコメントもあれば、「ストーリーが途中で停滞している感じがする」と指摘してくれたものもあった。どれも大事なフィードバックだ。

「そうか、もっとキャラクターの内面を掘り下げれば、共感してもらえるかもしれないな」

コメント欄のフィードバックを見ながら、次回の章でどんな展開を描こうかと思案する。スコアが伸び悩む原因があるなら、それをしっかりと受け止めて改善していくしかない。

私は小さくメモ帳を開き、次のアイデアをいくつか書き込んだ。「キャラクターの成長」「ストーリーに緩急をつける」「冒頭から読者を引き込む展開」――そんなキーワードを並べて、少しずつ次の展開が見えてくる。何より、作品にオリジナリティを持たせることが大切だ。自分にしか描けない物語、それを探していく作業が必要なんだ。

それにしても、スコアが34点という目標に届かないのは悔しい。けれども、悔しさは前に進むためのエネルギーになる。失敗や不満を感じるたびに、それを力に変えて書き続ければ、きっといつか結果がついてくるはずだ。

私はもう一度、コーヒーを飲み干し、パソコンに向かう。新しいアイデアが頭の中に広がり、少しずつ形になりつつある。自分が書きたいこと、伝えたいこと、それをどうやって読者に届けるか。その答えを見つけるために、もう少しだけ考えを巡らせる。

「よし、次はもっと面白くしよう」と、私は静かに決意した。

スコアが全てではない。もちろん、数字で評価されるのは嬉しいし、それが励みになることもある。でも、本当に大事なのは、自分がどう感じ、どう成長していくかだ。読者に楽しんでもらうことはもちろんだが、まずは自分自身がその物語を楽しめているかどうか。それが一番の基準だと感じる。

外を見ると、夕暮れの光がカフェの窓から差し込んでいる。街の騒がしい音が少しだけ聞こえてくるが、ここは私の小さな作業空間だ。時間を忘れて、ひたすらにキーボードを打ち続ける。

書くことはアウトプットの一つだが、同時に幸せを感じる瞬間でもある。作品を発信することで、どれだけの人がそれに共感してくれるかはわからない。だけど、小さな幸せを自分で味わい、そこから新しいエネルギーをもらえる。それが何よりも大事なんだと改めて思う。

スコアが16点でも、目標に届かなくても、これからだ。作品を書く楽しさ、それを読んでもらえる喜び、それだけで十分に幸せを感じることができる。

「次はもっと頑張るよ、ありがとう」と、自分自身に静かに言い聞かせた。