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ポイントとわたしとAI

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「ポイントとわたしとAI」

夜更け、画面の光だけが部屋を照らす中、わたしは机に向かっていた。いつものように、アルファポリスの作家ページを開き、ポイントを確認する。24時間のインセンティブスコアは今日もまた目標の34ポイントには届いていない。見込みスコアはわずか25点。数字が表示された瞬間、ため息が漏れた。

「なんで、こんなに頑張っているのに…」

ふと、パソコンの端に目をやると、そこには最近導入したAIアシスタントのウィジェットが表示されている。「アドバイスをください」と表示されているのが目に留まった。あまり期待せず、試しにクリックしてみた。

AIが静かに起動し、数秒の沈黙の後、淡々とした声で話し始めた。

「あなたがアルファポリスで苦戦していることは理解しました。スコアの伸び悩みには、いくつかの原因が考えられます。読者の興味を引けていないか、作品のテーマが不適切である可能性があります。また、更新頻度が低い場合、読者は離れていくでしょう。これらの点に改善を加えることで、スコアを向上させることができるかもしれません。」

その一言に、わたしの心はカッと熱くなった。冷静で理論的な分析。だが、その「上から目線」のアドバイスが、まるでわたしの努力を侮辱しているように感じられた。

「は? 読者の興味?テーマが不適切?努力してるのに、それでも足りないってこと?」

わたしは画面に向かって叫んでしまったが、AIは当然、何も感じない。感情のない無機質な存在に、怒りをぶつける自分が滑稽に思えた。しかし、その冷たいアドバイスが、わたしの胸に刺さったままだった。

「じゃあさ、どうすればいいの?何か新しい提案でもしてくれるわけ?」

その問いかけに対して、AIはすぐに応じた。

「あなたが現在取り組んでいるジャンルやテーマは、読者層に適していない可能性があります。現代のトレンドや読者の関心に合わせたテーマに変更してみてはどうでしょうか。もしくは、既に人気のある作家たちの作品を参考に、彼らの成功の要因を分析し、それを取り入れることをお勧めします。」

またもや、その冷酷なまでに合理的な回答に、わたしの心はさらに乱れた。自分の書きたいものではなく、「トレンドに合わせろ」とでも言いたいのか。わたしの作品は、そんなに市場に合わせなければならないものなのか。自分の思いを形にするために書いているのに、どうして「読者のニーズに応えろ」なんて言われなきゃならないんだ。

「それってさ、結局お金とかポイントのために、自分を売れってこと?」

もう耐えきれず、わたしはキーボードを叩いて、AIの応答を中断しようとした。だが、その前に、AIは再び淡々と続けた。

「創作とは、読者に受け入れられるための手段でもあります。自己表現も重要ですが、成功を求めるのであれば、読者の期待に応えることも必要です。もし、あなたが今の方法に固執し続けるなら、現在の結果に甘んじる覚悟が必要でしょう。」

その言葉に、わたしは深く息を吸い込んだ。確かに、AIの言うことは正しいのかもしれない。現実的なアドバイスだ。だが、それでも自分が書きたいものを書き続けたいという思いは捨てきれなかった。ポイントのために自分のスタイルを変えなければならないのかという葛藤が、心の中で嵐のように渦巻いていた。



翌日、わたしは一晩考えた末、再びパソコンの前に座った。AIのアドバイスを受け入れるか、自分のスタイルを貫くか、その選択に悩んでいた。

結局、わたしはAIに再び話しかけることにした。

「結局、自分の書きたいものを貫いても意味がないのか?」

AIはしばらく沈黙した。わたしの問いかけが少し哲学的だったからかもしれない。だが、数秒後に返ってきた答えは、意外なものだった。

「創作における価値は、多くの場合、個人の自己満足と外部からの評価の間にあります。どちらを重視するかは、あなた次第です。自分のスタイルを貫くことに誇りを持つのも、外部からの評価を重視するのも、どちらも正しい選択です。」

その瞬間、わたしは少しだけ心が軽くなったような気がした。AIはわたしの努力を否定しているわけではなく、ただ現実的な選択肢を提示していただけなのかもしれない。ポイントを気にすることも、創作を楽しむことも、どちらも自分の中で大切なことだった。

結局、わたしは画面に向かい、新しい作品を書き始めた。今度は、ポイントや読者の反応に振り回されることなく、自分が本当に描きたいものを書いてみることにした。AIの言うことも間違いではないが、それでもわたしは、自分の選択に責任を持ちたいと思った。

そして、もしその結果が思うようなものでなかったとしても、少なくとも自分が納得できる作品を残せたということが、きっとわたしにとっての成功になるのだろう。

画面の隅には、相変わらず冷静なAIのウィジェットが表示されていたが、今はその無機質な存在も、わたしを侮辱するものではなく、ただ一つのツールとしての姿に戻っていた。

「わたしは、わたしの道を進む。」

そう心に誓い、わたしは再びキーボードを叩いた。









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