徒然草

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徒然草 第百二十三段

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徒然草 第百二十三段:原文、現代語訳、ポイント、解説

原文

無用の事に心を遣ひ、人をもてあそぶ輩、世の中に多かり。国の事、家の事などいとひて、徒然と日を送り行くは、いとあさましき事なり。

よくよく思ひ合はせば、人の世に生れ来れるは、第一に、食ふ事、第二に、衣る事、第三に、住むべき屋作り。この三つこそ、人の命にかかわりたる事なれ。

世間の誉れも、財宝も、みなこの三つのためにこそあれ。この三つ弁へたれば、誉れも財宝も、自然と集まるものなり。

されば、この三つの事、第一に心にかけて、余の事はなべて捨て置くべし。

現代語訳

無駄なことに時間を費やし、人を弄ぶ者が世の中には多い。国の事、家の事などを疎かにして、ただただ無為に日々を過ごしていくのは、実に情けないことである。

よくよく考えてみると、人間がこの世に生まれてくるのは、第一に食うこと、第二に衣ること、第三に住むべき家を建てることである。この三つこそが、人間の命に関わることである。

世間的な名誉や財宝も、全てこの三つのためにあるのだ。この三つをしっかりと備えれば、名誉や財宝も自然と集まってくるものである。

よって、この三つの事こそが最も重要であり、他のことは全て捨て置いて良いのである。

ポイント

人間として最も大切なのは、食うこと、衣ること、住むことである。
世間的な名誉や財宝は、これらの基本的な欲求を満たすために存在するものである。
基本的な欲求を満たすことができれば、名誉や財宝も自然と手に入る。
無駄なことに時間を費やすのではなく、自分の生活をしっかりと整えることが大切である。
解説

この段では、著者は人間にとって最も大切なものは何かについて論じています。著者は、人間にとって最も大切なものは、食うこと、衣ること、住むことであると述べています。

これらの基本的な欲求を満たすことができれば、名誉や財宝も自然と手に入るという考え方は、現代社会においても依然として有効な考え方と言えるでしょう。

私たちは、日々忙しく働いていますが、本当に大切なものは何かを見失いがちです。この段の言葉を胸に刻み、自分の生活を見直してみるのも良いのではないでしょうか。

参考資料

徒然草 第百二十三段 - 青空文庫 [https://yozora.main.jp/cgi-bin/inp/sagyo.cgi?p=002238][無効な URL を削除しました]
徒然草 第百二十三段 解説 - 旺文社 [https://en.wikipedia.org/wiki/Tsurezuregusa]
その他

徒然草は、鎌倉時代に書かれた随筆です。
作者は吉田兼好と言われています。
徒然草は、人間の生き方について様々な角度から考察した作品として知られています。
徒然草の言葉は、現代社会においても依然として多くの示唆を与えてくれます。
徒然草について何か他に知りたいことはありますか?
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