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徒然草第百八段
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徒然草第百八段
原文
寸陰惜しむ人なし。これ、よく知れるか、愚かなるか。愚かにして怠る人のために言はば、一銭軽しといへども、これを重ぬれば、貧しき人を富める人となす。されば、商人の、一銭を惜しむ心、切なり。光陰何のためにか惜しむとならば、内に思慮なく、外に世事なくして、止まん人は止み、修せん人は修せよとなり。
現代語訳
誰もが時間を惜しまない。これは、誰もが知っていることなのか、それとも愚かなことなのか。愚かしくて怠けている人のために言うならば、一銭は軽いものであっても、それを積み重ねれば、貧しい人を富める人になる。だから、商人が一銭を惜しむ気持ちは切実である。時間を惜しむのは、なぜなのか。内に思慮がなく、外に世事に関わらず、修行したい人は修行すればいい、そうでない人は修行しなくてもいいということになる。
ポイント
時間は誰にとっても平等であり、有限である。
時間を無駄にすれば、どんな小さなものであっても、それが積み重なって大きな損失となる。
時間を有効活用するためには、内省と世事への関心が必要である。
人それぞれにすべきことがあるので、他人に流されずに自分の道を歩むことが大切である。
解説
この段は、時間という有限な資源の重要性を説いています。著者は、時間を無駄にする人は愚かであると断言し、商人が一銭を惜しむように、時間の一瞬一瞬を大切にするべきだと訴えています。
時間の使い方には、人それぞれに合った方法があります。しかし、いずれの方法を選ぶにしても、内省と世事への関心がなければ、時間を有効活用することはできません。内省とは、自分自身を振り返り、何をすべきかを考えることです。世事への関心とは、世の中の動きを知り、自分の生き方と照らし合わせるということです。
内省と世事への関心を持つことで、自分にとって本当に大切なものが見えてきます。そして、その大切なものに向かって、時間を有効活用できるようになるのです。
徒然草は、鎌倉時代に書かれた随筆です。この第百八段は、現代社会にも通じる普遍的なメッセージを伝えています。私たちは皆、有限な時間を与えられています。その時間をどのように使うのかは、私たち一人ひとりの責任です。
補足
この段の冒頭にある「寸陰」という言葉は、「一寸の光陰」の略で、非常に短い時間を意味します。
「商人」という言葉は、ここでは一般的に物を売買する人を指すだけでなく、利益を求める人全般を指すという意味合いがあります。
「修せん」という言葉は、「修行する」という意味です。
参考
徒然草全文:https://yozora.main.jp/cgi-bin/inp/sagyo.cgi?p=002238
徒然草第百八段の現代語訳:https://samim.io/p/2021-03-27-tsurezuregusa-essays-in-idleness-collection-o/
徒然草第百八段の解説:https://dash.harvard.edu/bitstream/handle/1/42029681/SWANSON-DISSERTATION-2019.pdf
原文
寸陰惜しむ人なし。これ、よく知れるか、愚かなるか。愚かにして怠る人のために言はば、一銭軽しといへども、これを重ぬれば、貧しき人を富める人となす。されば、商人の、一銭を惜しむ心、切なり。光陰何のためにか惜しむとならば、内に思慮なく、外に世事なくして、止まん人は止み、修せん人は修せよとなり。
現代語訳
誰もが時間を惜しまない。これは、誰もが知っていることなのか、それとも愚かなことなのか。愚かしくて怠けている人のために言うならば、一銭は軽いものであっても、それを積み重ねれば、貧しい人を富める人になる。だから、商人が一銭を惜しむ気持ちは切実である。時間を惜しむのは、なぜなのか。内に思慮がなく、外に世事に関わらず、修行したい人は修行すればいい、そうでない人は修行しなくてもいいということになる。
ポイント
時間は誰にとっても平等であり、有限である。
時間を無駄にすれば、どんな小さなものであっても、それが積み重なって大きな損失となる。
時間を有効活用するためには、内省と世事への関心が必要である。
人それぞれにすべきことがあるので、他人に流されずに自分の道を歩むことが大切である。
解説
この段は、時間という有限な資源の重要性を説いています。著者は、時間を無駄にする人は愚かであると断言し、商人が一銭を惜しむように、時間の一瞬一瞬を大切にするべきだと訴えています。
時間の使い方には、人それぞれに合った方法があります。しかし、いずれの方法を選ぶにしても、内省と世事への関心がなければ、時間を有効活用することはできません。内省とは、自分自身を振り返り、何をすべきかを考えることです。世事への関心とは、世の中の動きを知り、自分の生き方と照らし合わせるということです。
内省と世事への関心を持つことで、自分にとって本当に大切なものが見えてきます。そして、その大切なものに向かって、時間を有効活用できるようになるのです。
徒然草は、鎌倉時代に書かれた随筆です。この第百八段は、現代社会にも通じる普遍的なメッセージを伝えています。私たちは皆、有限な時間を与えられています。その時間をどのように使うのかは、私たち一人ひとりの責任です。
補足
この段の冒頭にある「寸陰」という言葉は、「一寸の光陰」の略で、非常に短い時間を意味します。
「商人」という言葉は、ここでは一般的に物を売買する人を指すだけでなく、利益を求める人全般を指すという意味合いがあります。
「修せん」という言葉は、「修行する」という意味です。
参考
徒然草全文:https://yozora.main.jp/cgi-bin/inp/sagyo.cgi?p=002238
徒然草第百八段の現代語訳:https://samim.io/p/2021-03-27-tsurezuregusa-essays-in-idleness-collection-o/
徒然草第百八段の解説:https://dash.harvard.edu/bitstream/handle/1/42029681/SWANSON-DISSERTATION-2019.pdf
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