徒然草

春秋花壇

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徒然草 第百一段

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徒然草 第百一段 

原文

或人、任大臣の節会の内弁を勤められけるに、内記の持ちたる宣命を取らずして、堂上せられにけり。極まりなき失礼なれども、立ち帰り取るべきにもあらず、思ひわづらはれけるに、六位外記康綱、衣被きの女房をかたらひて、かの宣命を持たせて、忍びやかに奉らせけり。いみじかりけり。

現代語訳

ある人が、任大臣の任命式を取り仕切ることになったが、内記が持っている宣命書を取り忘れて、そのまま紫宸殿に上がってしまった。
大変失礼なことであるが、今さら取りに戻るわけにもいかず、どうしたものかと困っていたところ、六位外記の康綱が、衣被きの女房に頼んで、その宣命書を持たせて、こっそりと届けさせた。
見事な機転であった。

ポイント

任大臣の任命式という重要な儀式で、宣命書を忘れてしまうという大失態。
取りに戻ることもできず、途方に暮れる様子がユーモラスに描かれている。
六位外記の康綱の機転によって、事なきを得る。
困った状況でも、冷静さを失わず、適切な行動をとることが大切であることを示唆している。
解説

この段は、任大臣の任命式という重要な儀式で、宣命書を忘れてしまうという大失態を犯した人物と、それを救った六位外記の康綱の機転を描いたユーモラスな内容となっています。

任命式を取り仕切るという大役を任された人物は、緊張のあまり、宣命書の存在をすっかり忘れてしまいます。しかし、取りに戻ることもできず、どうしたものかと途方に暮れてしまいます。

そんな窮地に陥った人物を救ったのは、六位外記の康綱という人物でした。康綱は、衣被きの女房に頼んで宣命書を持たせ、こっそりと届けさせたのです。

康綱の機転によって、事なきを得た人物は、康綱に深く感謝したと言われています。

この段は、私たちに大切な教訓を与えてくれます。

どんな状況でも、冷静さを失わず、適切な行動をとることが大切です。

また、周囲の人を助けるためには、機転を利かせて行動することも重要です。

康綱のように、困っている人を助けることができる人になりたいものです。

参考情報

徒然草 第百一段の詳細解説: https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=196
任大臣の任命式: https://www.cao.go.jp/about/about.html
六位外記: https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%BD%B9%E8%81%B7
衣被きの女房: https://hu.wikipedia.org/wiki/Ki_kicsoda_a_h%C3%ADrk%C3%B6zl%C3%A9sben%3F_%28A%E2%80%93Zs%29
その他

この段は、比較的短いため、原文のまま理解しやすい。
現代語訳は、分かりやすいように意訳している部分がある。
解説は、より深く理解するために、ポイントを補足した内容となっている。
この説明が、徒然草第百一段を理解するのに役立てば幸いです。

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