徒然草

徒然草 第百段

徒然草 第百段

原文

久我相国は、殿上にて水をめしけるに、主殿司、土器を奉りければ、まがりを参らせよとて、まがりしてぞめしける。

現代語訳

久我の太政大臣通光公は、清涼殿殿上にてお水を飲まれる際、主殿司の女官が土器を差し上げたところ、「柄杓を持ってきなさい」と言って、それで飲んだ。

ポイント

この段は、久我通光太政大臣の無駄遣いについて述べている。
久我通光太政大臣は、清涼殿殿上でお水を飲む際に、土器ではなく柄杓で飲むことをわざわざ指示した。
これは、土器を下に見て、柄杓の方が上品であると考えていたためと思われる。
しかし、清涼殿殿上では土器で水を飲むのが決まりであり、柄杓を使うのは非常識であった。
久我通光太政大臣は、自身の地位や権力に溺れ、無駄遣いをしていたことが伺える。
解説

この段は、久我通光太政大臣の浪費癖を皮肉った内容となっている。

久我通光太政大臣は、清涼殿殿上という公的な場で、わざわざ土器ではなく柄杓で水を飲むことを指示した。これは、土器を下に見て、柄杓の方が上品であると考えていたためと思われる。

しかし、清涼殿殿上では土器で水を飲むのが決まりであり、柄杓を使うのは非常識であった。久我通光太政大臣は、自身の地位や権力に溺れ、無駄遣いをしていたことが伺える。

兼好法師はこの段を通して、権力者の愚かさを批判していると言えるだろう。

また、この段は、当時の貴族社会における奢侈の風潮を垣間見ることができる。貴族たちは、自身の地位や権力を見せつけるために、無駄な浪費を競っていたのである。

この段は、現代社会にも通じる教訓を与えてくれる。

私たちは、自分の立場や状況に関係なく、常に謙虚な気持ちで生活することが大切である。

参考情報

徒然草第百段の詳細解説: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%92%E7%84%B6%E8%8D%89
久我通光太政大臣: https://es.wikipedia.org/wiki/Hikari
清涼殿: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%BE%A1%E6%89%80
その他

この段は、比較的短いため、原文のまま理解しやすい。
現代語訳は、分かりやすいように意訳している部分がある。
解説は、より深く理解するために、ポイントを補足した内容となっている。
この説明が、徒然草第百段を理解するのに役立てば幸いです。