徒然草

春秋花壇

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徒然草 第八十四段

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徒然草 第八十四段

原文

法顕三蔵の、天竺に渡りて、故郷の扇を見ては悲しび、病に臥しては漢の食を願い給ひけることを聞きて、さばかりの人の、無下にこそ心よわき気色を、人の國にて見え給ひけれと人のいひしに、弘融僧都、優に情ありける三蔵かなといひたりしこそ、法師のやうにもあらず心にくく覚えしか。

現代語訳

法顕三蔵がインドに渡って、故郷の扇を見ては悲しみ、病に臥しては中国の料理を所望したという話を聞いて、「あれほどの高僧なのに、異国ではなんと弱々しい姿を見せることか」と批判する人がいた。しかし、弘融僧都は「なんと情深い三蔵なのだろう」とほめたたえたのが、私には僧侶らしくなく却って心に残った。

解釈

この段落では、偉大な人物であっても、人間的な弱さを持つものであるという考え方について述べられています。

具体的には、法顕三蔵がインドでホームシックにかかり、中国の料理を所望したというエピソードを紹介しています。法顕三蔵は、インドという異国で、故郷や慣れ親しんだ文化を恋しく思ったのでしょう。

しかし、ある人はこのエピソードを、高僧である法顕三蔵が弱々しい姿を見せたとして批判します。一方、弘融僧都は、法顕三蔵のホームシックを理解し、むしろその人間的な弱さを称賛します。

この段落は、人間の弱さを否定するのではなく、むしろ受け入れることの大切さを説いていると言えるでしょう。偉大な人物であっても、人間である以上は、弱さや欠点を持つものです。

徒然草には、このような人間に対する深い洞察に基づいた言葉が数多く含まれています。

参考

徒然草第八十四段 - 徒然草を読む: https://www.youtube.com/watch?v=qZ0xHi-QU2I
徒然草第八十四段 - 国語ノート: [無効な URL を削除しました]
その他
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ソース
note.com/bukkoh48/n/nfce7080910ce
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