徒然草

春秋花壇

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徒然草 第三十七段:解説と考察

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徒然草 第三十七段:解説と考察
原文

朝夕へだてなくなれたる人の、ともある時、我に心おき、ひきつくろへるさまに見ゆるこそ、「今更、かくやは」など言ふ人もありぬべけれど、なほ、げにげにしく、よき人かなとぞ覚ゆる。疎うとき人の、うちとけたる事などいひたる、また、よしと思ひつきぬべし。

現代語訳

普段は気兼ねのない関係で、いつも馴れ合っている人が、急に気を遣って、初々しいふりをするのを見て「今さら、そんなよそよそしくしなくても」など、言う人もいるけれど、親しき仲に礼儀があって、デリカシーを持った人に思える。

疎い人の、うちとけたる事など言ひたる、また、よしと思ひつきぬべし。

解釈

この段落で、兼好法師は、普段は親しい間柄であっても、相手が突然気を遣ったり、形式ばった態度を取ったりするのを好ましく感じるという考えを述べています。

ポイント

親しき仲にも礼儀あり: 兼好法師は、親しい間柄であっても、相手への敬意を忘れないことが大切であると考えています。それは、形式的な礼儀作法だけでなく、相手の気持ちに寄り添い、配慮することでもあります。
自然体であることの大切さ: 一方で、兼好法師は、無理に飾ったり、虚飾を張ったりすることよりも、自然体でいることが大切であるとも考えています。それは、相手との真の繋がりを築くためには、ありのままの自分を受け入れてもらう必要があるからです。
状況に応じた振る舞い: 兼好法師は、相手との関係性や状況に応じて、適切な振る舞いをすることが重要であると考えています。普段は親しい間柄であっても、フォーマルな場では礼儀正しく振る舞う必要があるでしょう。
考察

この段落は、人間関係における「礼儀」と「自然体」のバランスについて考えさせてくれます。親しい間柄であっても、相手への敬意を忘れずに、状況に応じた適切な振る舞いをすることが、良好な関係を築くためには重要であると言えるでしょう。

現代への示唆

現代社会では、SNSやメールなどのコミュニケーションツールが普及し、人と人との距離感が近くなっています。しかし、この段落に込められたメッセージは、現代にも通じる普遍的な価値を持っていると思います。

相手との関係性や状況に応じて、適切な距離感を保ちましょう。
形式的な礼儀作法だけでなく、相手の気持ちに寄り添い、配慮することを忘れずに。
ありのままの自分を受け入れてもらえるよう、自然体で接しましょう。
まとめ

徒然草 第三十七段は、親しき仲にも礼儀あり、状況に応じた振る舞いをすることが大切であるという内容です。この段落に込められたメッセージは、人間関係における「礼儀」と「自然体」のバランスについて考えさせてくれます。現代社会においても、良好な関係を築くためには、このメッセージを忘れずにいたいものです。

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