徒然草

春秋花壇

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徒然草 第二十七段

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徒然草 第二十七段

原文

御国譲りの節会行はれて、剣・璽・内侍所渡し奉らるゝほどこそ、限りなう心ぼそけれ。新院の、おりゐさせ給ひての春、詠ませ給ひけるとかや。

今の世のこと繁きにまぎれて、院には参る人もなきぞさびしげなる。かかる折にぞ、人の心もあらはれぬべき。

現代語訳

新帝への譲位の儀式が行われ、剣と璽と内侍所を譲り渡される様子は、この上なく心細いものであった。新上皇が皇居を退去されての春、歌を詠ませられたとか。

世間のことが忙しくなって、上皇の御殿には参上する人もいないのは寂しいことだ。このような時こそ、人の本心は表れるべきだろう。

解説

この段落は、新帝への譲位の儀式が行われた際の寂しさを描いたものです。

新上皇は、皇位を譲り渡すことで、権力と地位を失うことになりました。そして、かつては多くの臣下や廷臣に囲まれていた上皇の御殿も、今では閑散としています。

このような状況の中で、新上皇は自身の心細さを感じると同時に、世の中の移ろいやすさを実感したのでしょう。そして、かつて栄華を誇っていた頃には見えなかった、人間の弱さや本性を垣間見たのかもしれません。

この段落は、権力や地位の儚さ、そして人間の心の複雑さを描いた、示唆に富んだ内容となっています。

参考資料

徒然草: [移除了无效网址]
徒然草現代語訳: [移除了无效网址]
その他

この段落は、様々な解釈が可能です。例えば、新上皇の寂しさだけでなく、新帝への期待や不安など、様々な感情が込められていると考えることもできます。

また、この段落は、単に過去の出来事を描いたものではなく、現代社会にも通じる普遍的なテーマを扱っていると言えるでしょう。

徒然草は、このように様々な解釈が可能な作品であり、だからこそ多くの人々を読み続けているのだと思います。

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