徒然草

春秋花壇

文字の大きさ
上 下
29 / 250

徒然草 第二十七段

しおりを挟む
徒然草 第二十七段

原文

御国譲りの節会行はれて、剣・璽・内侍所渡し奉らるゝほどこそ、限りなう心ぼそけれ。新院の、おりゐさせ給ひての春、詠ませ給ひけるとかや。

今の世のこと繁きにまぎれて、院には参る人もなきぞさびしげなる。かかる折にぞ、人の心もあらはれぬべき。

現代語訳

新帝への譲位の儀式が行われ、剣と璽と内侍所を譲り渡される様子は、この上なく心細いものであった。新上皇が皇居を退去されての春、歌を詠ませられたとか。

世間のことが忙しくなって、上皇の御殿には参上する人もいないのは寂しいことだ。このような時こそ、人の本心は表れるべきだろう。

解説

この段落は、新帝への譲位の儀式が行われた際の寂しさを描いたものです。

新上皇は、皇位を譲り渡すことで、権力と地位を失うことになりました。そして、かつては多くの臣下や廷臣に囲まれていた上皇の御殿も、今では閑散としています。

このような状況の中で、新上皇は自身の心細さを感じると同時に、世の中の移ろいやすさを実感したのでしょう。そして、かつて栄華を誇っていた頃には見えなかった、人間の弱さや本性を垣間見たのかもしれません。

この段落は、権力や地位の儚さ、そして人間の心の複雑さを描いた、示唆に富んだ内容となっています。

参考資料

徒然草: [移除了无效网址]
徒然草現代語訳: [移除了无效网址]
その他

この段落は、様々な解釈が可能です。例えば、新上皇の寂しさだけでなく、新帝への期待や不安など、様々な感情が込められていると考えることもできます。

また、この段落は、単に過去の出来事を描いたものではなく、現代社会にも通じる普遍的なテーマを扱っていると言えるでしょう。

徒然草は、このように様々な解釈が可能な作品であり、だからこそ多くの人々を読み続けているのだと思います。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

寝室のクローゼットから女の声がする!夫の浮気相手が下着姿で隠れていてパニックになる私が下した天罰に絶句

白崎アイド
大衆娯楽
寝室のクローゼットのドアがゴトゴトと小刻みに震えて、中から女の声が聞こえてきた。 異様な現象を目の当たりにした私。 誰か人がいるのかパニック状態に。 そんな私に、さらなる恐ろしい出来事が目の前で起きて…

生意気な女の子久しぶりのお仕置き

恩知らずなわんこ
現代文学
久しくお仕置きを受けていなかった女の子彩花はすっかり調子に乗っていた。そんな彩花はある事から久しぶりに厳しいお仕置きを受けてしまう。

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

抱きたい・・・急に意欲的になる旦那をベッドの上で指導していたのは親友だった!?裏切りには裏切りを

白崎アイド
大衆娯楽
旦那の抱き方がいまいち下手で困っていると、親友に打ち明けた。 「そのうちうまくなるよ」と、親友が親身に悩みを聞いてくれたことで、私の気持ちは軽くなった。 しかし、その後の裏切り行為に怒りがこみ上げてきた私は、裏切りで仕返しをすることに。

処理中です...