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春秋花壇

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同じ姿

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「同じ姿」

私の心の奥深くに、重く冷たい感情が渦巻いていた。愛すれば愛するほど、息子の和俊は壊れていくように感じていた。彼の笑顔を見るために、尽くし、時間をかけたのに、その努力はどうしても実を結ばない。

「和俊、どうして勉強しないの?」
「お母さん、もういいよ…」
その言葉が、まるで刃物のように私の心を刺す。彼の目には、私が投げかける期待の重さが映っていた。私はただ、彼が喜ぶ顔が見たかっただけなのに。どうして、どうしたらいいのだろうか。

私自身、親との関係には長い苦悩があった。父との関係は少しずつ修復されてきた。彼の頑固な一面も受け入れられるようになり、穏やかな会話ができるようになった。しかし、母との仲直りは未だに果たせていない。40年たっても、彼女と私の間には距離があった。

「お母さん、お願いだから、私を理解して!」
そう言いたくても、口を開けば説教ばかり。子供のころから続いていたその構図は、今も変わらない。私は母と同じ姿になりたくないと必死にもがいてきた。それなのに、いつの間にか、母と同じ言葉を口にしていた。

「和俊、もっと頑張らないと!あなたにはできる力があるのよ。」
私の声は、まるで彼女のものと同じだった。私の口から出たその言葉が、心の奥で大きな抵抗を引き起こす。子供を思うがゆえの期待が、彼の心を押しつぶしているのだとわかっていたのに。

その日、私は決意した。もう一度、和俊と向き合う時間を持とう。彼の気持ちを理解し、彼が何を望んでいるのかを聞こう。無理に期待を押し付けるのではなく、彼の声に耳を傾けることから始めるのだ。

「和俊、今日は一緒に遊びに行こうか。」
私の提案に、彼の目がわずかに輝いた。少しずつ心を開いてくれるかもしれない。彼の好きなゲームセンターに行くことにした。そこには彼の好きなゲームが並んでいて、私も知らない世界が広がっていた。

ゲームをしながら、和俊は笑顔を見せた。その瞬間、私の心が少しだけ軽くなる。彼と一緒に楽しむ時間が、私たちの関係を少しずつ修復していくのではないかと思った。

「お母さん、これやってみて!」
彼がコントローラーを渡してくれる。その瞬間、私の心にあった重い鎖が外れたような気がした。母の影に縛られず、私自身の気持ちを大切にしていこう。和俊の幸せを心から願うためには、まず自分自身を解放しなければならない。

「すごい!お母さん、上手だね!」
彼の笑顔が私の心を照らす。少しずつ、私たちの距離が縮まっていくのを感じる。愛は、押し付けるものではなく、受け入れ合うものだと、今さらながらに気づいた。

私の親との和解は、未だ道半ばかもしれない。しかし、今は和俊との関係を築くことに集中しよう。彼の笑顔が、私の未来を明るく照らす道しるべとなることを願って。どんな苦しみも乗り越え、彼を支えていく覚悟ができた。

そして、少しずつ母との関係も変わっていくことを信じて、歩みを進めていこう。愛することの意味を見つめ直し、母と和解するための第一歩を踏み出した私の心には、希望が芽生えていた。






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