生きる

春秋花壇

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課題の分離

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課題の分離

課題が山積みになったとき
焦りと不安に押しつぶされる
ひとつひとつの問題が
大きな山に見える

でもよく考えてみれば
山は小さな石の集まり
ひとつひとつ分けて見れば
解決の糸口が見えてくる

目の前の問題に集中し
ひとつひとつ解決していく
その積み重ねが
大きな成果を生む

課題の分離
それは心の整理
自分を信じて
一歩ずつ進んでいく


分かれ道
彼女の名前は美咲。夫の隆一との間に生まれた一人息子、亮太がいる。亮太は小学校三年生だが、統合失調症とアスペルガー症候群を併せ持つ。美咲は毎日、亮太との生活に奮闘している。彼女の一日は早朝から始まる。亮太の突然のパニック発作や、常に独自の世界に没頭している彼の世話は、まるでジェットコースターに乗っているかのようだった。

「お母さん、僕は悪くないんだよね?」亮太の言葉が美咲の心に刺さる。彼の言葉には純粋な疑問と不安が混じっていた。美咲は微笑みながら、「もちろん、亮太。君は何も悪くないよ。お母さんはいつも君の味方だよ」と答える。しかし、内心では彼の症状と向き合う日々の苦労に心が折れそうになっていた。

ある日、亮太の通う特別支援学校での保護者会に出席した美咲は、他の親たちとの会話の中で「課題の分離」という概念を知った。これは、親が子どもの課題と自分の課題を明確に分けることで、過度なストレスを避けるというものだった。美咲はこれに興味を持ち、試してみることにした。

翌日、美咲は亮太に「自分でできることは自分でやるんだよ」と伝えた。亮太は最初、戸惑いと不安の表情を見せたが、徐々に自分のペースで物事に取り組むようになった。美咲もまた、彼の成長を見守りながら、自分自身の課題に集中する時間を持つようになった。

ある日、美咲は庭で亮太が一人で花壇の手入れをしているのを見つけた。彼は黙々と花に水をやり、土を整えていた。

「お母さん、見て!僕、ちゃんとできるよ!」

亮太の顔には達成感が満ちていた。美咲はその瞬間、涙がこぼれ落ちるのを感じた。

「亮太、すごいね。お母さんもとっても誇りに思うよ。」

「ほら、お花も喜んでるよ」

「うん、とっても嬉しそう」

美咲は亮太の成長と共に、自分自身もまた成長していることに気づいた。亮太が自立していく姿を見て、美咲は彼の未来に希望を持つことができるようになった。課題の分離を実践することで、美咲は亮太との生活において新たなバランスを見つけたのだった。

亮太が特別支援学校で発表した作品は、クラスメイトや教師たちから大きな賞賛を受けた。その日は美咲も学校に呼ばれ、亮太の成長を間近で見ることができた。

「お母さん、僕はもう少し頑張るよ。お母さんも自分の時間を大切にしてね。」

亮太の言葉は美咲の心に深く響いた。

そして、美咲は亮太と共に過ごす日々を、大切に感じるようになった。亮太の成長を見守りながら、美咲もまた、自分の課題に向き合い、共に歩んでいくことを誓った。彼らの生活には多くの困難が待ち受けているが、二人はお互いを支え合いながら、少しずつ前に進んでいくのだった。

それぞれの課題を分けて向き合うことで、美咲と亮太は新たな絆を築いていく。美咲は自分自身の時間を持つことで、亮太の母としての役割だけでなく、一人の人間としても成長することができた。そして、亮太は自分の力で困難に立ち向かう力を身につけていく。二人の歩みは遅いかもしれないが、確実に前進している。その日々の中で、美咲は亮太との絆を深めていくのであった。





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