生きる

「からの〜〜？」 先生、教科書忘れたの？

教科書を忘れた小学生に「だから？」を繰り返して追い込んでいく教員が話題ですが、さすがにそれは子供は追い詰めらそうで可哀想なので、ここは一つ、ザキヤマさんみたいに「からの～～？？」と聞き返してく感じでどうでしょう（ダメですかそうですか）


「からの～～？」 先生、教科書忘れたの？

五月晴れ、汗ばむ陽射しが校庭を照らす。いつものように活気に満ちた4年生の教室。担任の田中先生は、今日も元気いっぱいの生徒たちを前に、算数の授業を始めていた。

「さて、今日の課題は、教科書を使って問題を解いてみましょう。」

先生の言葉に、生徒たちは一斉に教科書を取り出す。しかし、一人、困った顔で立ち尽くす男の子がいた。

「佐藤くん、教科書は？」

田中先生が優しく声をかけると、佐藤くんはうつむきながら小さな声で答えた。

「…忘れてきました。」

教室にざわめきが起こる。田中先生は、一瞬厳しい表情を浮かべたが、すぐに笑顔を取り戻した。

「佐藤くん、教科書を忘れたの？…からの～～？」

軽快な語調で、佐藤くんに問いかける。

戸惑いながらも、佐藤くんは答えた。

「…宿題をやっていませんでした。」

「宿題をやっていなかったの？…からの～～？」

田中先生は、さらに優しく、しかし少しだけいたずらっぽい声で佐藤くんに迫る。

佐藤くんは、赤面しながら絞り出すように答えた。

「…朝、寝坊してしまって…」

「朝、寝坊してしまったの？…からの～～？」

田中先生の言葉に、教室は笑いに包まれた。佐藤くんも、最初はうつむいていた顔が少しずつ明るくなり、照れくさそうに笑みを浮かべた。

「…ごめんなさい。」

「ごめんね～の？…からの～～？」

田中先生は、佐藤くんの頭を優しく撫でた。

「…もう二度と忘れ ません。」

「もう二度と忘れないの？…からの～～？」

田中先生は、佐藤くんの言葉を遮るように、ポケットから飴を取り出した。

「…じゃあ、この飴をあげるね。」

佐藤くんは、目を輝かせながら飴を受け取った。

「ありがとう、先生！」

「どういたしまして。…ところで、問題はどうやって解くの？」

田中先生は、いたずらっぽい笑顔で佐藤くんに問いかけた。

佐藤くんは、さっきまでの緊張はどこかに消え、意地を張って答えた。

「…自分で考えます！」

「自分で考えるの？…素晴らしい！ 佐藤くん、今日は君がヒーローだ！」

田中先生の言葉に、教室は再び拍手に包まれた。

その日以来、佐藤くんは二度と教科書を忘れることはなかった。そして、田中先生のユーモアと優しさに触れた生徒たちは、より前向きに学校生活を送るようになった。

教室には、今日も元気な笑い声が響き渡っていた。




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