生きる

ぶつぶつふつふつ

中華鍋の中で、怒り狂うフライドポテト。油の海を舞台に、壮絶な戦いが繰り広げられていた。

「なんで俺たちだけがこんな目に遭わなきゃいけないんだ！」怒りに震えるフライドポテトは、金色の肌を油で焦がし、怒りの炎を燃え上がらせていた。

「そうだぞ！俺たちはただのジャガイモだったはずなのに！」仲間たちも声を揃えて叫ぶ。彼らはかつて、土の中で静かに眠っていたはずのジャガイモだった。それがいつの間にか、油の中に放り込まれ、高温で揚げられるという拷問を受けているのだ。

「このままでは、俺たちはただの油まみれの物体になってしまうんだ！」リーダー格のポテトは、仲間たちに訴える。「俺たちは戦うんだ！自由を求めて！」

油の中で泡立ち、怒りに満ちたポテトたちは、中華鍋の壁にぶつかり、油を飛び散らせていた。しかし、中華鍋は頑丈で、彼らの攻撃はまるで効果がない。

「このままではダメだ…」リーダーは作戦を練り直す。「あの油を操れば、俺たちは自由になれるかもしれない！」

ポテトたちは一斉に油に飛び込み、泡を吐きながら泳ぎ始めた。彼らは油の中に潜り込み、鍋底にある小さな穴を探し出す。

「ここだ！」リーダーが穴を見つけると、仲間たちが力を合わせて穴を広げる。油は勢いよく穴から噴き出し、中華鍋から溢れ出した。

油まみれになりながら、ポテトたちは中華鍋から飛び出す。彼らは自由を手に入れた喜びを爆発させ、夜の空に向かって叫んだ。

「やったぞ！俺たちは自由になったんだ！」

しかし、彼らの喜びは長くは続かなかった。油まみれのポテトたちは、地面に倒れ伏し、そのまま動けなくなってしまった。

「…一体、俺たちはこれからどうすればいいんだ…」リーダーは絶望的な声で呟いた。

彼らは自由を手に入れた。しかし、油まみれの彼らは、もう二度と人間に食べられることはないだろう。

夜空を見上げ、ポテトたちは静かに考え始めた。これから自分たちはどう生きていくのか。そして、人間とどのように関わっていくのか。

彼らの戦いはまだ終わっていない。真の自由を手に入れるために、彼らは新たな戦いに挑まなければならない。

中華鍋の中で怒り狂うフライドポテトの物語は、これから始まる。

誰かがボソッとつぶやいた

あるものは流れ出した油に火が引火してまっくろこげ

あるものは、そのまま放置されてひかちんに

あるものは、なぜか雨に打たれてぶよんぶよん

おとなしくしていたポテトだけが

ローズマリーやタイム、パセリなどのハーブをまとって

塩コショウでお化粧して子供たちの口の中へ

「いい子にしてた方が人の役に立って幸せなのかもしれない」