生きる

春秋花壇

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鏡の中の私

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鏡の中の私

鏡に映る自分は、いつもどこかぎこちなかった。つり上がった目、太い鼻、薄い唇。どれも自分の理想とはかけ離れていた。

「なんで私だけこんなにブサイクなの?」

鏡に向かって何度もそう呟いた。周りの友達はみんな可愛くて、羨ましくて仕方がなかった。

「お母さん、私自分が嫌い」

「中学校の頃はみんなそんな感じよ」

『今の中学生は笑顔でも死にたがる』と言われているのに、情弱なのか真剣にとりあってもらえない。

これでニキビでもできようものなら、メンタル豆腐になっちゃう。

大人は自分が子供だつたときを忘れてしまう。

経験の分かち合いをしてくれない。

親も嫌い。

先生も嫌い。

自分も嫌い。

だいきらい><

で、「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」としたり顔で説教してくる。

いつどこでどう変化すればいいんだよ。

ねぇ、教えてよ。

長所を伸ばし、短所をリフレーミングしたくても全部が短所に思えてくる。

自分は価値があると思いたくても大嫌いなんだから思えるわけもない。

だれかたすけてーー!!

「お前なんか早く消えちまえ!」


ある日、私は思い切って美容院に行った。髪型を変えれば、少しでも自分に自信が持てるかもしれないと思った。

美容師さんに相談して、思い切ってショートカットにした。鏡の中の自分は、今までとは全く違う印象だった。

「あれ?意外と可愛い?」

(o^―^o)ニコ

初めて、自分の顔に自信を持つことができた。

美容院から帰ると、友達に新しい髪型を見てもらった。

「めっちゃ可愛い!似合ってるよ!」

友達の言葉に、思わず顔がほころんだ。

その日から、少しずつ自分を変えていくことにした。メイクの勉強を始めたり、ダイエットをしたり。

口を大きく開けて縦に伸ばしたり、舌をぐるぐると回したりしてお顔の体操もしてみた。

目力をつけるために目元の筋肉を鍛える。

ホットタオルで温めたり、水でざぶざぶ洗顔したり。

わたしはわたしを育てていく。

努力を重ねるうちに、周りの反応も変わってきた。

「最近、なんか綺麗になったね?」

そう声をかけられることが増えた。

自分自身も、以前よりも鏡を見るのが楽しみになった。

「私、意外と可愛いじゃん!」

そう思えるようになった。

自分に自信が持てるようになって、周りの世界も違って見えた。

今まで気づかなかった景色が美しく感じられた。

人と話すのも、以前よりも抵抗がなくなった。

自分を変えていくことで、世界も自分も好きになれた。

鏡の中の私を見てもいやじゃなかった。

そこには、自信に満ち溢れた、笑顔の私がいた。

わたしはわたしを好きになる。
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