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実質賃金

実質賃金とは、名目賃金から消費者物価指数（CPI）で除して算出される指標です。名目賃金とは、労働者が実際に受け取った給与の額です。一方、消費者物価指数は、家計が購入する代表的な商品やサービスの価格の平均的な変化を示す指標です。

つまり、実質賃金は、名目賃金で購入できる商品やサービスの量を示します。名目賃金が上昇しても、物価上昇率の方が高ければ、実質賃金は低下します。

実質賃金の重要性
実質賃金は、国民の生活水準を測る上で重要な指標です。実質賃金が上昇すれば、国民はより多くの商品やサービスを購入できるようになり、生活水準が向上します。逆に、実質賃金が低下すれば、国民の生活水準は低下します。

また、実質賃金は、企業の収益や投資にも影響を与えます。実質賃金が上昇すれば、家計の消費が活発になり、企業の収益が増加します。逆に、実質賃金が低下すれば、家計の消費が低迷し、企業の収益が減少します。

日本の現状
日本の実質賃金は、近年低迷しています。2023年11月の実質賃金は、前年同月比2.4％減少しました。これは18ヶ月連続のマイナスです。

この低迷の原因としては、主に以下の2点が挙げられます。

物価上昇率の加速
名目賃金の伸び悩み
物価上昇率は、2023年11月に3.7％まで上昇しました。これは、消費税率引き上げの影響を除けば、41年ぶりの高い水準です。一方、名目賃金の伸びは鈍く、2023年11月の現金給与総額は前年同月比1.2％増加にとどまっています。

今後の課題
日本の実質賃金を引き上げるためには、以下の取り組みが必要です。

物価上昇率を抑制する
名目賃金の伸びを加速させる
物価上昇率を抑制するためには、政府によるエネルギー価格対策や、企業による生産性向上の努力が必要です。一方、名目賃金の伸びを加速させるためには、企業による積極的な賃上げが必要です。

政府は、2023年6月に閣議決定した「新しい資本主義」の具体化に向けた総合経済対策において、実質賃金引き上げを重点項目の一つとして掲げています。具体的には、以下の取り組みを進めています。

最低賃金の引き上げ
同一労働同一賃金の実現
企業による人への投資の促進
これらの取り組みが実を結び、日本の実質賃金が早急に上昇することを期待します。

情報源
厚生労働省：毎月勤労統計調査
総務省：消費者物価指数
内閣府：新しい資本主義
その他
実質賃金に関する質問があれば、お気軽にお問い合わせください。