魅了 憑依 徹底的な魔法の数々 心置きなくざまぁさせていただきます

ココとスキュラの不思議な絆

 「ココとスキュラの不思議な絆」

目の前のスキュラは、巨大な姿を保ちながらも、どこかリラックスした様子でココに微笑んでいる。その笑顔は、恐ろしい怪物にしては信じられないほど優しく、どこか懐かしい気持ちを呼び起こす。

ココは、無意識に自分の手のひらをスキュラに近づけ、そっとその手のにおいをかがせていた。その行動は、まるで長い間離れていた友人に対する温かい挨拶のようだった。スキュラは、軽く首をかしげながら、その手をじっと見つめている。

「ふふ、懐かしい匂いだな。」スキュラは低い声で言い、目を細めて嬉しそうに笑った。

ココはその言葉に嬉しさがこみ上げてきて、思わずほおずりしながら言った。「きみがスキュラ―」と言いながら、顔をその巨大な体にすり寄せていた。スキュラは一瞬驚いたように目を見開き、そしてその後、にっこりと笑った。

「ほんとうに、変わらないね、ココ。」スキュラの大きな目が優しく光った。

その様子を見ていたユリシアは、突然、何かを思い出したように目を見開いた。彼女の記憶が過去のある瞬間にさかのぼり、何かがつながったのだ。

「ココ、ひょっとして…魔物使い？」ユリシアは疑問の表情を浮かべて言った。

「かな？」ココはあっけらかんと答えながら、微笑みを浮かべる。

その言葉を聞いた一行は、しばらく静かにココを見つめていた。ココの言葉は、どこか不確かでありながらも、その姿勢には確信を感じさせた。そして、ユリシアの表情が次第に変わり、少しずつ理解が深まっていくのを感じた。

「魔物使い？」アランが疑問を投げかける。

「うーん、どうだろうね。」ココは言葉を濁しながらも、次第にその雰囲気に乗っていく。「でも、私はいつもこうやって、ダジャレやボケやドジを言って、相手を先頭不能にして、気づいたら友達になっちゃうんだ。」

「それ、すごいよね！」フィオナが驚きの声を上げた。「そんな風に魔物を…手なずけてるなんて。」

ココは照れたように肩をすくめながら言う。「まあ、そんなにすごいわけじゃないんだけどね。でも、だいたい、最初はみんな私のボケに反応してくれるんだ。」

「ボケ？」ユリシアが首をかしげた。

「うん、そう。例えば…」ココはしばらく考え込むと、突然ニヤリと笑って言った。「この間、サンドイッチに変な顔を描いたんだ。そしたら、どうしてもそのサンドイッチが動き出してきてさ。もう、全員がその顔を見て笑っちゃって、結果的にそのサンドイッチをみんなで食べる羽目になったってわけ。」

全員は一瞬、ココが言ったことの意味を理解できずにポカンとした表情を浮かべていたが、やがてその冗談に笑いがこぼれ始めた。ユリシアがまず笑い出し、次にフィオナ、アラン、そしてエリスまでが続いて笑った。

「でも、本当にそれが…魔物使いの力だとしたら、かなりすごいよね。」ユリシアは目を輝かせながら言った。「ボケやダジャレで魔物を手なずけるなんて、考えたこともなかった。」

ココは少し照れながらも、胸を張って言った。「まぁ、私の魔物使いっぷりはこんなもんだよ。でも、何でもボケとダジャレで乗り越えるから、案外うまくいくんだ。」

その時、スキュラがにっこりと笑って、もう一度ココを見つめた。「本当に君は面白い子だな。昔からそうだった。」

ココはまた、スキュラの言葉に微笑んだ。「昔から？」と繰り返す。「本当に、こんな風に話せるなんて、ちょっと信じられないな。」

「君があの時言った通り、私は魔物使いだよ。君もそういう才能を持っている。」スキュラは柔らかく答えた。

ココは不安げに言った。「でも、私、すごいことなんてしてないよ？ ただのボケとダジャレだけで…」

スキュラはそのままじっとココを見つめ、静かな笑顔を浮かべた。「君の才能は、それだけじゃない。君は、人々を引き寄せる力を持っているんだ。それが、魔物たちにも伝わるんだよ。」

ココはその言葉を胸に深く受け止めた。確かに、彼女は自分に特別な力があるとは思っていなかった。ただ、面白いことを言ったり、ちょっとしたドジを踏んだりして、周囲の人々が笑ってくれればそれで十分だと思っていた。しかし、スキュラの言葉に触れ、彼女はその力がもっと大きなものだと気づき始めた。

「ありがとう、スキュラ。」ココは感謝の気持ちを込めて言った。

スキュラはニヤリと笑って言った。「これからもよろしくね、ココ。君のボケとダジャレを楽しみにしているよ。」

ココは笑顔で答えた。「うん、私も楽しみにしてるよ。さあ、次はどんな冒険が待ってるんだろうね。」

そして、一行は再び旅を続けることにした。ココの魔物使いとしての新たな才能が明らかになる中、彼女のユニークな方法で、どんな困難も乗り越えていくことになるのだった。