わたしの婚約者、聖騎士は、聖女に魅了されてしまった

「わたしの婚約者、聖騎士は、聖女に魅了されてしまった」

彼の瞳に映るは、
輝く神の御使い、
聖女アカリの微笑み、
その美しさに心は奪われ。

わたしの愛した人は
もう遠く、
その手は
聖女のために伸びている。

言葉もなく、
誓いもなく、
ただその視線に
溶けていくように。

わたしが与えた愛は
ひとときの光、
聖女の影に隠れ、
無力さに涙をこぼす。

彼の心、
知らぬ間に変わり、
彼が望むものは
私ではなく、
神のような彼女だけ。

それでも、
心の奥に残る一縷の希望—
「戻ってきて」と、
彼が振り向くその日まで。

割れた茶碗のように
愛は壊れたけれど、
新たに作ることができるなら—
わたしは、待つしかない。

聖騎士よ、
どうか戻ってきて、
わたしのところに
再び手を差し伸べて。

聖女の魅了は解けても、
あなたの心が再び
私を選んでくれることを
信じて待ち続ける。






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