上 下
1 / 1

1

しおりを挟む
「アリス」

私は子供の頃からみんなに愛されていた。
何でも我が儘を言っても許された。
だって可愛い私に皆が「可愛い」「アリスは可愛い」「貴方は村一番の美人になる」
「美しいよ君は」「肌が白いねお人形様みたい」

あんなに褒めてくくれるだもん。そりゃ調子に乗るよ。

私は自分に酔っていた。
快楽主義なんだろうか。
私は楽しいことを追求した。

朝が来て、私は準備する。鏡に立って今日の私もみる「私は可愛いアリス」「私は可愛いアリス」「私は可愛いアリス」

いつもの日課を終えて母が用意してくれた服を来て、母が用意してくれたご飯を食べる。

誰もいないのはいつものことだ。

今日も私は可愛い。

朝ごはんを食べて歯をみがきトイレ身支度も終了していつものお祈りをしに外にいく。

目的地は教会。皆が私を可愛いと言ってくれる。私は微笑む。それが私にできること。

教会に到着する。いつもドアが開いている。神父さんはいないけど私はいつもの場所に行き、いつものように片膝をついて手を握りお祈りする。

私はいつも可愛い私はどうすれば良いですか?教えて神様。私は可愛いけど私の楽しいことを私は何を望んでるの?私は可愛いありたい。
私は楽しくありたい。だけど何も知らない。
私にもいつか私にもいつか私はどうすれば良いですか?駄目だ頭が回ってない。違うの。
私はアリス。私はここにいる。お願い私はここにいるから。私を見つけて。


私は祈り続けた。10分くらいか1時間なのか分からないけど気がすむまで祈り続けた。
私のできることはそれだけだから。


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...