上 下
13 / 14

13,(エロ)

しおりを挟む

私が指摘すると、アルドリッヒも肩を鼻に近づけて自分のまとう匂いを確認した。

「うわ、本当だ。夜会でツヴァイエルンの貴族だとかいう女に話しかけられて、話を聞いていたら具合が悪いからバルコニーの空気を吸いたいって言われたんだ。連れて行ったら今度は抱きついてきて、引き剥がして戻ったらコンラートがいなくなってた。多分女はあいつの差金だったんだろう。」

「……そうか。」

別にそんな、言い訳がましくしなくてもいいが。

「ちょっと待て。」

アルドリッヒはそういうと乱暴に自分のダブレットとシャツを脱ぎ捨てた。

「ほら、これでもうしないだろ?」

上裸で両手を広げて見せてきたので、少し近づいて匂いを嗅ぐ。

「ああ。」

「他に気になることは?」

聞かれて首を横に振った。別に、香水のことだってそんなに気にしてないが。

「よかった。」

無邪気に笑うと体を少しかがめて私に手を伸ばしてくる。
そのままひょいっと私を横向きに抱き上げる。決して小柄でも軽くも無い私を軽々とベッドまで運び、横たえさせた。
何だか女になったようで反応に困る。

横になった私に跨って上から被さってくる男を見上げると、顔を赤くしてうっとりした顔をしていた。アルドリッヒほどの人間が何故私なんかにこんな顔をするのだろう、と少し戸惑いの気持ちを覚える。

「服、脱がせていいか?」

「あ、ああ。いちいち聞くな。約束は守る。」

これから先何でもかんでも聞かれたらたまらない。恥ずかしいではないか。

「分かってるけど、言わせてみたいというか……」

もそもそと私の服を剥ぎながら顔を赤くしてアルドリッヒが言う。
そうだった。こいつは私を羞恥で辱めるようなことがしたいのだった。

「そうか。なら聞け。恥ずかしいが……答える。」

「あーもう、何なんだよあんた。」

アルドリッヒが唸るように言いながら剥き出しになった私の胸元に頭を埋めた。
ぢゅぅっ、と吸いつかれるたびに皮膚がチリチリする。口が離れた所を見れば、表面が赤く鬱血していた。
吸われるのは少し痛いが、大の男が人の胸でもぞもぞしている姿は何だか面白い。いや、違うな。……可愛い?

「ふふっ」

「何?」

少し不機嫌そうな声だ。

「すまない、くすぐったくて。」

可愛いと言えばもっと機嫌を損ねそうだと思い誤魔化した。

「俺のだって印、いっぱいつけるためだから。」

また言い訳がましいことを言って、アルドリッヒが胸に顔を埋める。
今度は晒された片方の乳首にちうっと吸い付いた。

「んっ……」

じわっと広がる温かさと疼きに声が漏れる。

尖らせた舌先で乳頭をくにくにと抉られて、じんじんした感覚がどんどん溜まっていった。
もう片方は、指でつままれて粒全体をすりすり擦られながら捏ね回される。

「ここ、モロ感メスイき乳首にしていいんだろ?」

濡れた先端に、濡れた声が拭きかかる。

「あっ……ああ。」

「ああじゃなくて、ちゃんと自分で言ってみて。」

指がきゅぅっと強めに乳首を絞めあげたので、私の感じる刺激も一層ビリビリしたものになった。

「っぁ……私の、乳首を……モロ感メスイき乳首にして、構わない。」

言えば、アルドリッヒの目により熱がこもったのを感じた。その目を見ると私も何だか堪らない気持ちになる。

「じゃあ、俺に乳首弄られてイくとこ見せて。」



くりくり、こすこすこす
きゅむっきゅむっ、くりくりくりっ

「あっ……ふっ、んんぁっ……」

それから背後から抱えるように抱きしめられて、前に回った両手でひたすら乳首を責められている。

最初は時折ビリビリジンジンするくらいだったのが、感じる触り方を知られたのか弄られ過ぎて敏感になったのか、今はもうずっと身悶えするような快感を休みなく与えられている状態だ。

「乳首感じる?」

「んはぁ……ちくびっかんじるぅ……」

「乳首気持ちいい?」

「ちくびぃ……き、きもち……あぁっ」

耳元ではそんな風にずっと聞かれて答えさせられて、暗示にかかったように乳首の快感しか考えられなくなっていた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。

【完結】別れ……ますよね?

325号室の住人
BL
☆全3話、完結済 僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。 ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

お疲れ騎士団長の癒やし係

丸井まー(旧:まー)
BL
騎士団長バルナバスは疲れていた。バルナバスは癒やしを求めて、同級生アウレールが経営しているバーへと向かった。 疲れた騎士団長(40)✕ぽよんぽよんのバー店主(40) ※少し久しぶりの3時間タイムトライアル作品です! お題は『手触り良さそうな柔らかむちむちマッチョ受けかぽよぽよおじさん受けのお話』です。 楽しいお題をくださったTectorum様に捧げます!楽しいお題をありがとうございました!! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

屈強な男が借金のカタに後宮に入れられたら

信号六
BL
後宮のどの美女にも美少年にも手を出さなかった美青年王アズと、その対策にダメ元で連れてこられた屈強男性妃イルドルの短いお話です。屈強男性受け!以前Twitterで載せた作品の短編小説版です。 (ムーンライトノベルズ、pixivにも載せています)

メゴ ~追いやられた神子様と下男の俺~

てんつぶ
BL
ニホンから呼び寄せられた神子様は、おかしな言葉しか喋られない。 そのせいであばら家に追いやられて俺みたいな下男1人しかつけて貰えない。 だけどいつも楽しそうな神子様に俺はどんどん惹かれていくけれど、ある日同僚に襲われてーー 日本人神子(方言)×異世界平凡下男 旧題「メゴ」 水嶋タツキ名義で主催アンソロに掲載していたものです 方言監修してもらいましたがおかしい部分はお目こぼしください。

お客様と商品

あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています

八神紫音
BL
 魔道士はひ弱そうだからいらない。  そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。  そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、  ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。

処理中です...