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1(エロ)(終)

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先輩駆け出しアイドル攻め、後輩箱入りおバカオナニーマニア大学生受け

アナニー、アナル開発、乳首ローター、ディルド、乳首イキ、雌イキ

————-

僕にとってオナニーは希望と自由の象徴なんだ。

歴史だけは古い地方都市の、地元では名士と言われる僕の家。
僕は分家筋だけど本家からは結構有名な政治家を輩出してる。
そんな家は窮屈で、僕はずっと周りの人間に遠慮して暮らしていた。

まひろ先輩は僕と正反対だった。
同じ中学で、不良グループにいた一学年上の凄くカッコイイ先輩。
学生時代に話したことが一度だけある。

生徒会の仕事で学校を見回りしていた時に、校舎裏でこっそりまひろ先輩が煙草を吸っていて、それを咎めたんだ。
煙草を吸うまひろ先輩はとても格好良くて、自分の意思とか周りに立ち向かう勇気とか、僕に無いものを全部持ってる気がした。
だから思わず話しかけた。
本当は隣で一緒に吸ってみたかったのだけど、バレたとき親や一族に見捨てられたらと思うと怖くて、体に悪いとか適当に偽善的なことを言って彼が吸っていた煙草を取り上げた。

先輩が去った後火が消えて残骸になったその吸い口にこっそり口をつけてみたら、苦くて、煙くて、泣きたくなった。

その時の吸殻は今も手元にある。
実家にいる時はバレたらどうしようってヒヤヒヤしながら必死に隠し持ってた。
情けないくらいに小さな反抗心なんだけど、たまにどうしようもなく日々が重苦しく感じる時にそっと手にしてみると、まひろ先輩が頑張れって言ってくれてる気がして元気が出た。

中学を卒業した後僕は親の指示で地元の進学校に行った。
本当は一緒の高校に行きたかったけど、先輩の高校、僕の模試結果より偏差値が30くらい低くて、意気地なしの僕は親に相談すらできなかった。
場所も全然違って先輩を見かけることもなくなったけど、吸殻を眺めて灰色の毎日を耐えた。
高校3年になった時に先輩が芸能人になるために上京したって噂を聞いて、僕も東京の大学に行こうと決めた。

東京に来て、僕は初めて自由というものを少し知った。

道を歩いても恭しく挨拶してくるご近所さんはいない。教師がこっそり僕の素行を父さんに報告することも無い。

何より、自分しか住んでいない家で思いっきりオナニーができる!

今なら分かる。
僕結構性欲が強い方だ。

学生時代はムラムラしてもあまり自分で慰めることが出来なかった。
ゴミ箱はお手伝いさんが毎日片付けるし、携帯やパソコンはセーフティガードがかかっていて、エッチな雑誌やマンガなんて以ての外。
家に持ち込むだけで犯罪者になるような気持ちだった。
知識も道具も足りなくて抜くと言えば性器を上下に擦るだけの侘しいマスターベーション環境だったのだ。

それが、東京で一人暮らしを始めて、自分でスマホとパソコンを買って、ネット通販のやり方を学んで劇的に僕の性活は一変した。

最初は怪しいサイトの偽の課金請求にあたふたしていた僕も、今では常連のアダルトコンテンツサイトで鮮やかな手つきで今日のお供を探している。

そして道具も充実した。
初めてオナホを使った時の衝撃は今でも覚えている。
こんなに気持ちがいいものが世の中にあったなんて!とアルキメデスにでもなった気分だったけど程なくして手をだしたエネマグラはさらにそれを超えてきた。
コペルニクス級だ。いっそガリレオでもいい。

誰に話す機会もないのだけど、人間の性って本当に神秘的で奥深いと思う。
だって、男の乳首やお尻の中を刺激するのがあんなに気持ちいいなんて。
しかも乳首もお尻も最初はあまり気持ちが良くないのだ。
ちんこだってぎゅうぎゅう擦るだけじゃどんどん感度が悪くなる。
気持ちをリラックスさせて、優しく触って、構い続けているとだんだん気持ちが良くなってその先に夢のような時間が待っている。
優しく自分を愛したり誰かを愛したりすることでどこまでも気持ちよくなれるように進化してきたのだとしたら、人間も案外捨てたもんじゃない。

そう思えるようになっただけで東京でオナニーに目覚めて良かったと思うし、そのきっかけをくれたまひろ先輩には感謝が尽きない。
ぶっちゃけ家が怖くて、これだけギンギンに性に目覚めてもまだ生身の女の子には手を出せて無いけどね。
避妊だって100%じゃないし、万が一妊娠とかさせたらと思うと勃つものも勃たなくなる情けない僕だ。
それに、初めては本当に好きな子としたいな、なんて。少し童貞を拗らせてるのは気付いてる。

「はぁ……しゅごっ、あっ、なか……あ、イくっ、いっっ!……はっ、あっ……またぁっっ!」

乳首をきゅうっと摘みながら腰をガクガク震わせて中イきの快感に身を委ねる。
最近のお気に入りはアナルプラグで、入れておくとじわじわと前立腺を責め続けて一定時間入れておくとお尻を締めただけでイけるゴールデンタイムが来る。
時間になるまで家事や課題レポートなんかの雑事をこなすこともできるけど、僕はその時がくるまでじっくりと他のところを刺激して準備しておくのが好きだ。

散々イき倒した後でスマホを見たら、トークアプリにメッセージが来ていた。

『あと30分くらいで水崎んち行くから。部屋番号分かんないから下来て。』

まひろ先輩のメッセージ画面だ。
送られたのは丁度30分くらい前。
僕は絶頂の余韻もそこそこに慌ててベッドから跳ね起きてぢゅぽんっと尻からプラグを抜いた。
アナニーの必須アイテム、厚手のお尻ふきで体をささっと清めて部屋着を着る。
プラグを洗っている時間はないと判断して風呂場に放り込み、怪しい痕跡は適当に消して部屋を出た。
匂いは稼働させた空気清浄機がなんとかするだろう。

まひろ先輩は上京した後男性アイドルグループで活動を始めた。
今は売れっ子とはまだ言いがたいけど、将来絶対ブレイクするって僕は信じてる。
応援のつもりで先輩の公式SNSアカウントをフォローしたら、『本名でアカウント作るとか水崎って実はバカ?』って忠告DMが来て連絡を取るようになった。
アカウント名は変えた。
それからたまに会うようになって、一度部屋に招いてからは立地が仕事に行きやすいからとたまにふらっと泊まりにくる。
SNSや動画サイトで先輩の姿をたくさん見られるようになって相変わらず僕の方が元気付けられてばかりだけど、宿を提供したりグッズやCDを買って恩返ししてるつもり。

マンション下の広いエントランスに降りると、車の助手席からまひろ先輩が降りてきた。
挨拶のためか運転席側に移動する。
運転席には大人っぽい洗練されたお姉さんが座っていて、開けた窓から頭を出して屈み込んだまひろ先輩の頬に軽いキスをした。

車が去ったあと、まひろ先輩が振り返ってエントランスで立ち尽くす僕に歩み寄る。

「遅えよ。待たされたじゃん。」

いきなり押しかけてきたと思えない悪びれない態度。

「あ、あ、あの人、恋人!?」

思わず目を見開いて尋ねる。

「だったらどうする?。」
口元を緩めてまひろ先輩が言った。

「決まってるじゃん!サングラスとマスクするんだよ!世間にバレちゃうよ!?先輩はアイドルなんだから!」

僕が言うと、飄々としていた先輩がうっとおしそうな表情になる。
いやいや、何面倒臭そうにするの。
当たり前でしょ。夜のマンション内の敷地とはいえどこで誰に見られてるかわからない。
そういうちょっとした油断がスキャンダルになるのだ。

「とにかく、早く中入って。ここに出入りしてるって広まったら出待ちされちゃうよ。」

コンシェルジュのカウンターを抜けた後着ていたパーカーをまひろ先輩に被せた。

「俺は逮捕された容疑者かよ。」

勝手に外そうとするので慌ててエレベーターに押し込む。

「あのさ、さっきの人、別に付き合ってないから。勘違いすんなよ。今撮影してるドラマを流すテレビ局のスタッフで、キスはいきなりされただけだから。」

マンションに使われてるのは最新の昇降システムだけど、僕の部屋がある高層階まで着くのには少し時間がかかる。
ボタンの前で待つ僕に背後からポソっとまひろ先輩が言った。
エレベーターが目的のフロアに到着し、会話しながら廊下を進む。

「え!?それってセクハラじゃないか。何とかならないの?」

「ちょい役で仕事もらってる立場だし、俺も油断したから。」

やっぱり芸能界って大変なんだな。そんな過酷な環境で夢を追いかけるまひろ先輩は強くてすごい。
ますます見直してしまった。
親のお金でマンションに住んで大学に通っている僕とは魂のレベルが違う。
僕はちょっと恥ずかしい気持ちで自分の部屋に先輩を通した。

「でも俺だって最近我慢して溜まってるから、お姉さんに遊んでもらうのもいいかもな。」
感心しているとソファに腰掛けた先輩がとんでもないことを言い出す。

「軽い気持ちで遊ぶなら危険だよ。本気で好きとかだったら仕方ないと思うけど……。」
まひろ先輩は僕と違って周りに流されず生きてきたから、あまり周囲の目が気にならないのかもしれない。
でも世の中ちょっとしたことでイメージを損ねてキャリアにも響くから心配だ。

「でも、ヤらないとムラムラするし。」

うーん。気持はよくわかる。
そうだな……。

「そんなに俺によそで遊んで欲しくないなら、み、水崎が相手してくれても……」

「そんなにムラムラするならオナニーで発散しようよ!」

丁度先輩のポソポソ発言に被せてしまった。なんて言ったんだろう。
先輩の方は僕の言葉が聞き取れたのかぽかんと口を開けてこっちを見てる。
僕そんなに変なこと言ったかな。

「ごめん先輩、何か言った?」

「い、いや、いい。お前、オナニーって……。」

「うん。気持ちよくオナニーしてちゃんと発散すればムラムラは治るんだから、その方が下手に遊ぶより安全でしょ。」

「いや、無理だろ。たかがオナニーで。」
おやおや、握ってガシガシするのがオナニーと思ってる口ですな。
僕も少し前までそうだったから人のこと言えないけどね。

「そんなことない!ちゃんと自分の体を大事に扱えば気持ちよくなれるから。まひろ先輩は素晴らしい人なんだから、もっと自分を大事にしようよ。」

僕はまひろ先輩にたくさん元気と癒しをもらってきたし、今ももらってる。先輩はきっと売れっ子アイドルになってもっとたくさんの人を救うだろう。
だから先輩には、ムラムラするから誘われたらエッチするなんて投げやりなことしないで、自分を大切に扱ってほしい。

「……中坊の時もお前に自分を大事にしろって言われた。」

タバコ没収した時のことだ。
適当に言っただけなのに覚えててくれてたんだ。

「でも、ちゃんとした人間のお前とちがって、俺はどうやって自分を大事にしたらいいかわかんねぇよ。」

先輩がふぅっと深いため息を吐く。
僕はちゃんとした人間なんかじゃない。もしそう見えてるのなら、それは僕の人生の支えになってくれたまひろ先輩のおかげだ。
僕だってまひろ先輩の力になりたい。

「わかった。じゃあ僕がお手本見せてあげる。」

ソファに座る先輩の手を引いて寝室に向かった。
先輩は目を丸くして大人しくついてくる。
戸棚を開けて、僕のとっておきのグッズたちが入ったケースを取り出した。
これを人に見せるのは初めてだ。
今更になって頬に熱が溜まる。
でも、まひろ先輩の為だ。
恥ずかしがってなんていられない。
オナニーの時に使う撥水性のカバーを被せたセミダブルのベッドに一緒に座ってもらった。

「じゃあまず上脱いで。」

先輩にそう指示して自分のトレーナーも脱ぐ。
先輩の視線が僕の胸に注がれるのを感じた。
視線で促すと、ハッとしたように先輩が服を脱いだ。
適度に鍛えられた綺麗な体。
触りたい衝動に駆られるけど、先輩を襲うなんてとんでもない。
ぐっと堪えて自分の肌に触れた。

「すぐに性器を触らないで、最初は愛撫から。ゆっくり撫でて……特に敏感なところを探すんだよ。」

首や鎖骨、脇腹を目の前でそっと撫でてみせる。

「んっ、敏感なとこは優しく何度も撫でて、指先で、掠めるみたいに」
弱い脇腹を五指の先を触れるか触れないかの強さで肌に押し当て、くるくるとさする。
腰のあたりがザワザワして鳥肌が立つ。
時折ゾクリとしてつい手が止まりそうになるけど耐えて続けた。

先輩にじっと見られているせいか、いつもよりも感じる気がする。

「こうか?」
横に座った先輩が、僕と同じように手のひらを浮かせて指先だけ肌に押し当てた状態で僕の背中をさすった。すぼめた指先を、つうっと開くみたいにして。

「んひゃあっ……そ、だけどぉ、あっ、あ……」
そこは自分で触れないところだから練習にならないと言おうとしたのに、先輩の手がしつこく僕の背中を這い回るから言葉にならず背中をしならせてピクピク跳ねるばかりだ。

「せんぱっ……自分、に、やって……」

「んーまだちょっとわかんねぇから、もうちょっとやってみせて。」

そ、そうか。

僕は先輩がちゃんと体得できるようにその視線に晒されながら体を弄り続けた。

「なあ、乳首は触らないの?」

僕が脇や腹筋ばかり撫でているのを見た先輩が上ずった声で聞いてくる。

「触る、けど……あと少し……。」

「何で?」
つつっ、と先輩が爪の先で優しく背中のくぼみを擦り上げる。

「んんっ!さ、触りたいってなってから、少し焦らした方が、気持ちいいから」

「じゃあ、本当はもう自分でおっぱい触りたくて仕方ないんだ?」

図星を言い当てられてぶわっと羞恥心が湧き上がる。
でもちゃんと参考になるように言わないと。

「ふっ、うん、もう……触りたい。」
恥ずかしくて涙が出てきたのか、少しぼやけた視界で先輩を見やる。

こすっ
「んああっ!」

先輩の爪先が、背中を撫でたのと同じ感じで僕の乳頭を掠めた。
いきなりの直接的な性感に思わず声を上げる。

「わりぃ、当たった。」

どう手を動かしたらそんな当たり方になるのか不思議だけどわざとじゃないらしい。
さらに煽られた欲求に我慢できず、僕は乳首に移ることにした。

ケースの蓋を開けて、中からニップルローターを1組取り出す。
取り付け部分がカップになってて、先端に振動するモーターがついてる。
色は黒くてフォルムもシンプル。卑猥すぎない。
案外一人の時って如何にもなグッズだと逆に冷静になって冷めるというか。

「それ乳首用?ぽく見えない」
先輩が何故かちょっと残念そうに言う。

「一人で使うなら実用性重視の方が良いから。」

そう言って自ら片方の先端にプチュっと取り付ける。
スイッチを入れるとモーター音を立てて震えだした。
カップの裏には小さい突起がついていて、振動で乳首の先に擦れるようになっている。
さっき先輩に触られた刺激には比べようもないが、微かな振動に眉根を寄せた。

いろいろ試したけどやっぱり乳首ローターは静かでハンズフリーなタイプが一番いい。
音が大きいと没入感を阻害するし、固定できなかったり落ちやすかったりするとオナホやディルドとの併用に支障がでる。
大事な二つの要素を兼ね備えつつなるべく刺激も追求して見つけたのが今のアイテムだ。
この良さ、先輩に伝えたい。

「先輩もほら、試してみて。」
僕はまだ取り付けてない片方を先輩に差し出した。
少したじろいだだけで手を出そうとしない。
でも逃げる感じもしないので、つけ方がわからないのかと思いプチュっと先輩の乳首に付けてあげた。
そのままスイッチを入れてみると、僕の胸元からしてるのと同じ音が先輩の胸元からし出した。

わわ、乳首ローターをつけた先輩、えっろ。
なんだか改めて自分が凄いいやらしいことをしてる実感が湧いてきた。
先輩と同じローターの刺激だと思うと余計感じてしまう。
さっきから窮屈なボクサーパンツがさらに勃起した自身に押し上げられてつっぱった。

散々開発した僕と違って先輩は感度が悪いらしく、ローターの振動にも怪訝そうに首を傾げてすぐに外してしまった。
まあ、僕も最初の時はそんなもんだったから別に先輩が不感症ってわけでも無いと思う。
今だってズボンの様子から先輩も勃ってるって分かるし、何にかはわからないけど反応してるって事は、今してるオナニー開発に問題はないはず。

「お前、これが気持ちいいのか?」

うんと答えようとして躊躇う。
悪気はないんだろうけどまるで自分がそんなことで感じる人間だと認めさせられるみたいだ。
耳が熱くなる。

「ちゃ、ちゃんと開発すればみんな気持ちよくなる、もん。」

僕は論点をずらして答えた。

「手や口より?」
何故か追求がしつこい。

「手は、ローターより色々できるから気持ちいいけど、他にも使うから。口は、試したことないからわからない。自分じゃ届かないから。」

「女にさせた事もないの?」

「僕の家は厳しいんだ。今まで好きな人も出来た事ないし。」

本音を言えば心から好きになった人と結婚してお互いの気持ち良さを引き出し合うようなエッチがしたい。
でも多分僕のパートナーは親が家同士の結びつきを考えて決めるんだと思う。
エッチを楽しめる相手だと嬉しいけど、変な性格じゃなければ御の字なんだろうな。

「そんな顔すんなって。じゃあ、今試そうぜ。」

僕はどんな顔してたんだろう、と思う間も無く先輩に押し倒された。
吸着力で選んだ僕の乳首ローターはその衝撃にも耐えて先っぽに取り付き体を震わせている。
仰向けになった分モーターの重みで乳首とローターがより密着し、加えられる振動が強くなった。
でも、開いた方の乳首にはそれ以上の衝撃が待っていた。

先輩がかぷっとそこに吸い付いて舐め始めたからだ。

じゅぷ……ちゅうっ、ぢゅぢゅっ、ちゅぷん
「あああっ!んはぁ……あっ、や、まっ」

暖かくて柔らかい舌がぬぷんと乳輪全体を舐め回したかと思うと、口に吸い込まれるように乳首全体を吸引されて先端を固くなった舌の先がクリクリと捏ねる。
生き物にしか出せない不規則な動きと感触は機械と比べ物にならなかった。

「な、どっちが気持ちいい?」

先輩の息が唾液まみれの乳首に吹きかかる。
それにピクンと震えると、続けてからかうようにふうってわざと息を吹きかけられた。

こんなの比べるまでもない。
「しぇ、しぇんぱいの口の方が気持ちがいい……」
なんて事だ。あれだけで舌が回らなくなるくらいぐずぐずにされてしまった。

「ははっ、オモチャざっこ。」

先輩が嬉しそうに笑って僕の胸に張り付くローターをプチンと取り去った。
ベッドの隅に放られたローターが静かな音を立てて無意味に震える。

「じゃあ次は、口と手どっちがイイかテストな?」
上機嫌の先輩が続けて訳のわからない段取りを決めてくる。
いや、それオナニーの話じゃな……

きゅむ
「ひぁあ!」

ローターから解放された乳首がきゅっと摘ままれた。
親指と中指で乳首をくびり出すように摘んで先端を人差し指の爪でかしかしひっかく。

「ちゃんと言うまで終わらねぇかんな。」

もう片方にまた先輩の口が吸い付いてさっきみたいな刺激が再開された。

くりくり、こす、くにゅくにゅくにゅ、こりゅっ
じゅぱっ、ちゅっ、ひゅぷぷっ、ぢゅぢゅ
「はあっ、あっ……あああっ、んんっ」

言葉にならない喘ぎばかり漏らしていると、頬をペシペシと軽く叩かれた。
どっちがイイか言えって意味だろう。
でもどっちも気持ち良すぎて決められない。
というか止めてくれないとまともに話せないと思う。
言葉を出せないでいるとさらに刺激が激しくなった。
本当に言うまで終わらせないつもりらしい。

「あ、あ、あ、や……だめっ、あ、あぁっきちゃ、くぅ、あっ、あ゛あ゛っ!!」

とうとう下着の中に白濁を吐き出して絶頂した。
さっきアナルプラグで遊んだ時にも何回か出したのでそんなに量は多くなかった。
乳首イきとか生まれて初めてだ。
甘い余韻にはぁっとため息をつく。

もうこれオナニーじゃない。
こんな激しくて強いのは、もはやセックスでは。
僕、先輩とセックスしちゃってない??
そんな考えが頭をよぎって青褪めた。
若干賢者モードも入ってるのだと思う。

少しパニックになって先輩を見上げる。
お腹が沸騰するような熱い視線で見返されて、ゆっくり顔が近づいてきた。

「だっだめ!」

唇がくっつく直前で手で自分の口を覆ってガードする。

「あ、あの、僕は別に先輩をエッチに誘ったんじゃなくて、だって僕が相手しても問題は解決しないし、本当に、先輩がオナニーでムラムラを抑えられたらスキャンダルとかのリスクも減るなって思って……。」

「……わかってる。」

先輩が僕の上からのそりと退いた。
感じていた体温が去っていくのを少しさみしく思う。

「で、乳首の他は?」

「あ、うん。まずオナホだよねやっぱり。男には一番馴染み深い道具だと思うけどこだわると結構奥深くて……。」

先輩が続けるつもりなので、僕も気を取り直してケースから数種類取り出し特徴を説明する。
先輩はモテるからかあまり使ったことがないらしく、ふんふんと僕の説明を聞いていた。

「で、どれを試してみる?」
フンス、と自慢のアイテムを手にオーダーを迫る。

「いや、オナホはいいや。」

「ええ!オナニー最重要アイテムだよ!?」

「でも今使うのはお前だろ。お前が女の穴に突っ込んでるとこ見てもな。」

た、確かに僕が使ったオナホを貸すのはお互い抵抗があるだろうから、試すのは僕だろう。
そんなとこ見ても仕方がないってことだよな。
結構奥深いから、先輩にもオナホの魅力を知って欲しいんだけど。

「じゃあ、次の先輩の誕生日にいくつかプレゼントするから試してみてね。」

「あー、まあ。他は?」

「えっと、あとはディルドだけど……見る?」
同じ理屈で、これも飛ばしかな。
そうするとあまりもうすることがないのだけど。

「見る。」

こっちは見るんかい!と心でつっこむ。

「え?お尻の穴に入れるんだよ?興味あるの?」

「ある。」

あるんかーい。
せ、先輩が尻穴開発に興味を……!
だめだ。これ以上考えると鼻血でそう。

「じゃ、じゃあ、これでやるね。」
ケースから選りすぐりの一本を取り出す。

僕はベッドの縁に腰掛けた体勢から、ズボンと精液がついた下着を脱いだ後ベッドに乗って足をM字に広げる体勢になった。
先輩が開いた足の間に陣取ってこちらを見つめてくる。

あ、これ、割と恥ずかしいやつだなって段々気付いたけど後には引けなかった。
な、なんだこれくらい!
見ろよ僕の生き様!

ちょっとよくわからない鼓舞をして、ローションを手に垂らす。
少し体温で温めてアナルに塗した。
さっきプラグを入れてたから、準備にそこまで時間はかからないはずだ。
実際穴はまだ柔らかくて、すぐに指が三本入るようになった。
頃合いを見てじゅぷんと手を引き抜き、ディルドの先を挿入する。
選んだディルドはそこまで太くも長くもない。
シリコン製の柔らかい素材でできていて余計なコブもなく、持ち手が長めで動かしやすいしバイブもグラインドもする。
完全防水だからじゃぶじゃぶ洗えて衛生的だしお湯で温めることもできる。
でかいディルドは視覚的に興奮するし腸壁にもガンガン当たるけど、やっぱり内蔵だからプラスチックで無茶に擦れば傷つくリスクは上がる。
だから僕は前立腺をピンポイントで開発する事にして、優しい刺激で気持ちよくなれるように訓練した。

僕のお尻はくぷくぷとディルドを飲み込んでいく。
持ち手を器用に動かして、ちんこの裏あたりにある前立腺に先端を当てた。
クンクンと何度か押すだけでじんわり下半身が気持ちよくなって鼻から甘い息が漏れる。

「はぁっ、ここ、この奥のところに、はっ、前立腺があって、そこをお尻からたくさん押すと気持ち良くなるんだよ。」

僕は勃ちあがったペニスの下、会陰あたりを示して言った。
まひろ先輩がどこまでアナル開発に詳しいかわからないので念のため全部説明する。
うんともすんとも言わないので様子を伺うと、食い入るように挿入部分を見つめていた。
何度も押し殺した羞恥心がまた湧いてくる。

さっきから先輩の視線がちょっと変な感じだ。
もうだいたい説明したし、あと少しで終わりにしよう。

「それで、出来るだけ同じリズムで押しながら、前も手やホールで優しく擦って、力任せにイかないでジワジワって時間をかけて高めてく感じにするとオーガズムが深くなるんだよ。」

口頭だけで説明して、しゅぷっと中に入れていたディルドを引き抜く。
ウエットティッシュで表面を垂れるローションを拭った。

「イくまでやらねぇの?」
片付け始めた僕をみて先輩が聞いてくる。

「だって見本必要ないみたいだし。先輩、やる気全然ないでしょ。なんというか見てるだけって感じ。」

そりゃ始めたのはこっちだけど、その気がないなら断って欲しかった。
興味本位でさせてみたんだろうけど僕がとんだまぬけだ。

「手ぇ出したら嫌がったじゃん。」
先輩が拗ねたように言った。

「僕に出してどうするの!僕は見本で見せてるだけなの!自分でしなきゃ意味ないの!」
僕は先輩に、自分を大事にすることを知って欲しいのだ。子供の時からあんな不味いものを平気で吸ってた先輩に。

「……好きな奴が目の前でエロい事してんのに自分触ってられっかよ。」

先輩の言葉に、一瞬思考が停止した。

「え、す、好きって……え?」

何を言いだすんだ。変な冗談はやめて欲しい。

「流石に気付けよ。どうでもいい奴がいきなりオナニー見せてきたら、殴るか逃げるかするだろ。普通。」

唖然としているとふはっと笑われて、ジワジワ顔が熱くなる。
心臓がバクバクしだした。

「何とか言えよ。」

「へ?」

「お前だって俺のこと、その、好きだろーが。」

好きって、いやそんなまさか。
そんなの困る。親に言えないし。

まひろ先輩は辛い時支えになってくれて、世界を広げてくれて、困っていたら力になりたいって心から思えて、東京まで追いかけてきてしまうくらい会いたくて、裸を見たら触りたくなって、

あーもう、どうしよう。

「僕、まひろ先輩が好きだ。」

「お、おう。知ってた。」

嬉しそうに笑う顔に鼻を寄せてキスをした。
アイドルになった先輩はもうタバコをやめてるのに、あの日と同じ味がした気がして何だか泣きそうになった。

そのまま何度も唇を重ねて、段々キスが深くなっていく。
自然と僕が下になって重なるように二人でベッドに横たわった。
先輩の指先が僕の脇腹をするりと撫でる。

「ひぅっ!」
指先だけの軽いタッチで腹斜筋の表面を上下になぞっていく。
思わず首にすがりついて刺激に耐えた。

「ここ自分でもずっと触ってたよな。開発した?」

「あっ、んんっ……はぁっ」
した。僕は頭を振って肯定した。でも、先輩の手は自分で触る時の何倍も感じる。

「よく風呂場に変な道具があるから、好きなんだろうなとは思ってたけど……。」

まずい。バレてた。
風呂が汚いから掃除しろって言われて置き忘れを回収したことが何回かあったけど、あれは回収させてくれてたんだね。

「これからは俺もやるから、ほどほどにな。」

「んああぁっ」
きゅう、と両方の乳首を摘まれる。
優しくくりくりと捏ねられて、やっぱりがくがくと頭を振って承諾するしかなかった。

上半身を愛撫していた体が少し離れて腰を抱えられる。
先輩が、ずっと張り詰めっぱなしだった前をくつろげた。

「うっわ、先走りやば。」
態とらしく言ってははっと笑う。

ぴとっ、と先端が僕の穴に添えられてこしこし動かされると、ぬるぬる滑った感触がした。

「挿れていい?」

先輩が固くなった先を窄まりに当てて聞いてくる。
改めて聞かれると頷くしかない。

「う、うん。挿れて。」

承諾するとぐっと熱いものにアナルが押された。
ディルドやローターを入れる時のように、反射的にいきまないよう深く呼吸をする。
ゆっくりした速度で熱の塊がずぷりと中に入ってきた。
温感バイブって全然生ぬるかったんだなってくらいに熱い。

そのままずぷずぷと僕の中をかき分けるように進んで、先輩の腰が僕の腿裏に当たった所で止まった。

「痛くない?」

僕の額に張り付いた髪を掻き分けながら聞いてくる。
普段僕が使ってるディルドより先輩の方が太いから圧迫感はあるけど痛くはない。

「うん。動いていいよ。」

そう言うと先輩は動き出した。
凄い激しさは無くて、何かを探るようにじゅぷじゅぷと慎重に抜き差ししている。

ぐりゅ
「あっ」

何回かされているうちに突きこまれた先端が前立腺の真ん中に当たって頭に衝撃が走った。

「あ、ここ、前立腺?」

同じ場所を狙って亀頭でくんくんと何度も押し込んでくる。

「んあっ、あっ、そうっ……そこぉ、あっ」

「一定のリズムでずっと優しく突くんだっけ?イくまで?」

じゅぷっじゅぷっじゅぷっ
くん、くん、くん、
「あ、あ、あ、やぁ、まっ、あっ」

自分でコントロール出来ない快感に晒されておかしくなりそうなのに、先輩は律儀に俺のいうことを守って容赦なくもどかしい刺激を続けた。

いつもはこの刺激と合わせてペニスをしごいて達するのだけど、今日はもう出しすぎて甘勃ちしかしなくなっている。
この状態じゃ前でイくにイけない。

性器での絶頂を封じられて、後ろは焦れったい突き上げを続けられる。

「せんぱっ、もぉやだ、いきたっ」

「焦らすの好きだろ?」

じゅぷ、ずっ、ぐぷ
くん、くん、くん、くん
「あっ……ああっ、もっ……くるっ、おっきいの、きそうっ」

ぢゅっ、ぬぷ
くん、くん、くん、くん
「ふぁ、あぁ……あっ……あっ、やぁっ、くる、くる……もっ……きてぇ」

ずぷんっ、ずぷ、じゅ
くん、くん、くん、くん
「あ、ああ……あ、あっ……あっ」

ぬぷん、ぬっ、ちゅぶ
くん、くん、くん、くんっ
「あ……あぁ……んぁっ……あ゛あ゛あ゛あぁ!」

生殺しの状態で朦朧となっていたら、いきなり決壊したダムみたいに強い絶頂が流れ込んできた。
前から出てる感じはしなくて、初めて経験する本当に深い雌イキって感じ。
衝撃が治らなくて目の前の先輩の首にすがりついて小さく痙攣する。
中がぎゅうぎゅう締まる刺激で先輩もイったようで、じんわりと温かい液体が広がるのを余韻の中ぼんやり感じた。

「オモチャよりイイだろ?」

放心状態で抱きついていると、先輩が得意げに聞いてきた。

当然だ。
けど、オモチャより質も悪い。

先のことを考えたときの少しの不安と、先輩が隣にいる喜びをないまぜにして、更にぎゅっと目の前の体に抱きついた。

(おわり)
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