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3,(エロ)
しおりを挟む「アル、それはただの甘えん坊だ。私を抱きしめても本能は治らぬ。」
私はこめかみを押さえていった。
本当にしくじったな。アルを最高の環境で育てようとするあまり、猥雑なものを過度に排除してしまう結果になっていたようだ。もう少し男女の欲望について学ぶ機会を設けるべきだった。
「でも俺、本当にルーデリヒしかいないんだ。ルーデリヒを抱きたい。」
アルは泣きそうな顔で言う。
その顔には混乱が見て取れた。
可哀想だが今日本能を発散するのは難しいかもしれない。
体の成長に、知識と心が追いついていないのだ。無理をさせたら心が傷付いてしまうだろう。
全ては私の采配ミスだ。私は魔王にも子育てにも向いていないようだな。少し落ち込むぞ。
「アル、分かった。辛いかもしれないが、今日は我慢して寝なさい。このことは私が何とかするから安心するがよい。」
「ルーデリヒ、だっこは?」
「してやる。ほら、久々に一緒に寝るか?」
私がアルの背中に手を添えて立ち上がらせると、従順にベッドまで着いてきた。
先に寝かせて、横に添い寝してやる。
成長して私とさほど変わらないサイズになった体に腕を回そうとしたら、先にアルの腕が体に絡みついてきて力強く抱き寄せられた。
「はぁ……ルーデリヒ……」
私の首元に掛かる吐く息が熱い。
本能を抑えるのが辛いのだろう。
全身でまとわりつくように脚もがっしり絡めてくるので、押し付けられた股間が勃起しているのも分かってしまった。
「アル、抜けば少し楽になるのではないか?風呂場で抜いてきなさい。」
「……抜く?」
本能のせいだろうがアルはしきりに腰を揺らして私に猛りを押し付けてくる。
しかし、それを鎮めるためにどうしたら良いかは知らないらしい。確かに、それも教えていない。
「刺激して、精を吐き出すのだ。」
「わかんない。ルーデリヒ……」
縋るような瞳で私にぎゅうぎゅうしがみついてくるアル。
ふむ、仕方がない。今教えるか。
と言っても私は本来生殖をする魔物ではないので、経験で言えばアルと大差がない。魔王は一時代に一人、その者が死ぬと数百年の時を経てどこからかまた新たな魔王が生まれ出る。
今は人間の姿だからそういうこともできる構造だが、この18年アルを育てる事に全力を注いできたから機会はなかった。
とりあえず、あれだ。扱けばいいだろう。
アルは淫魔だから、快感も人間よりは感じやすいのでは。
「アル、私に身を委ねよ。」
「うん。」
抱きついてくる腕をそのままにして、アルの下半身に手を伸ばす。
チュニック状の寝巻きを着ているのでたくしあげればすぐに下着にたどり着いた。
下着の腰紐を緩め、履き口を広げて中に手を差し込む。
「あっ……ルーデリヒ」
「痛いか?」
慎重に竿を握り、掌で少し圧迫しながら上下に扱く。
「ううん、気持ちいい。変になりそう。」
アルが私の首に回した腕にギュッと力を込め私の首元に顔を埋める。その仕草に何やら心中がザワザワした。
「その感覚に身を任せるがよい。」
しゅこ、しゅこと刺激するとアルのものは更に硬さと質量を増していく。
私も詳しくはないが、結構大きいのではないか。これを膣に挿れる女は少し大変そうだ。
まあ、淫魔との行為は至高の快楽だというから大丈夫なのだろうが。
「はぁ……はぁ、ルーデ、リヒ……も、」
しばらくアルの反応を見ながら善さそうな方法で扱いていたら、アルがそんな風に言い出した。
ふむ、達しそうなんだろうか。どれ、少し様子を探ろう。
そうして私は、あまり深く考えずに精神共鳴の術を使った。
アルがまだ喋れない時は、泣いている原因がオムツなのか食事なのかなどを知るためによく使ったものだ。
「……っ!」
その瞬間、味わったことのない痺れが体を駆け巡り思わず体が跳ねる。
慌てて術を解除した。
「ル、ルーデリヒ?」
「……大丈夫だ。ほら、安心して射精しなさい。」
我に返った私は一層手の動きを激しくした。
「あっ、ルーデリヒ……ルーっ……はぁ、あっ」
握っている手に竿の震えが伝わり、やがて指に濡れたものが絡んできたことでアルが果てたのだと知る。
「ルーデリヒ。」
「どうだ?スッキリしたか?」
サイドテーブルからクロスを取り出し、汚れた局部を拭ってやった。
「……。ルーデリヒ……」
アルは答えずに、また手を伸ばして抱きついてきた。
これで済むなら、淫魔が無差別に人間の女を孕ませて恨みを買うこともないわけだから治るわけはないか。
「おやすみ。」
私は縋り付くアルの背中を撫でながら眠りに就いた。
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