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第2章 入学前編
8 (エロ)
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傾向:フェラ
———————
「ルコ」
名前を呼ばれて目を開けると、ユーリスが目の前にいた。
一緒に顔から下が視界に入ってびっくりする。
その上半身は何も身につけていない。
さっき玄関先で見た姿のままだった。
「……っ」
どうしましたと言おうとして、声が出ないことに気づく。
体も鉛のように重くて上手く動かせない。
「ルコ、僕の裸、見てただろ?」
笑みを浮かべながらユーリスが言う。
弁解しようとしても声も出ないし首も動かなかった。
しなやかな手が伸びてきて、頬を撫でられる。
指先でくすぐるように柔らかく顔の輪郭を撫で下ろして、首筋を辿った。
それだけで背中にゾクっとした感覚が走って頭が痺れる。
「はぁっ……」
言葉は出てこないのに熱い息が口から漏れる。
指はどんどん降りてきて、シャツ越しに上半身を4本の指の先でなぞり下ろしていった。
「ねえ、こっちも見たいんだろ?」
ろくに動かない手を取られてユーリスの下半身に押し付けられる。
グリグリ押し当てられていると、明らかにそこの感触が変わっていった。
「澄ました顔して、忠義のあるフリして、本当はずっと僕とエッチなことしたいって思ってる。ここを出ていけないのも、僕とヤりたくて仕方がないからだ。」
否定しないといけないのに、体が動かない。
必死に目で訴えていると、ユーリスは楽しそうな顔で俺の足を割って膝の間に座り込んだ。
そこにぬるっとした感触と明らかな快感を感じて、ユーリスがズボンから取り出した俺の性器を舐め始めたんだと分かる。
じゅぷじゅぷ舐められて、気持ち良さに意識が急浮上するのが分かった。
不自由な喉で何度も発声を試みる。
「ぃっ……ちがうっ!!」
ようやく声が出せた所で目が覚めた。
寝起き直後の、頭の隅がぼんやりした感覚の中視界が明瞭になる。
夢か、と思ったすぐ後に夢で感じたのと同じ快感が下半身に流れて体が跳ねた。
「んぁあっ……?」
足の間にユーリスがしゃがみこんで俺の性器を咥えている光景が視界に入り、頭が混乱する。
夢じゃなかったのか!?
「やめっ……あっ、……ふぁっ、んっ」
抵抗しようと身じろぐと、弱い先っぽの部分に舌先を押し込まれて力が抜けた。
そのままグニグニと穴が空いたくぼみのところをこじ開けるように舌がうねる。
勃起して硬くなった幹の部分も唾液をぬりこめるようにユーリスの手がぐしゅぐしゅと扱いてきてそれも気持ちがいい。
ぴちゃ、ちゅっ……ぢゅぷっ、じゅぷん……
「あっ……はっ…もっ、だめっ…いっ……っ!」
前のめりになってユーリスの肩に手を置いたのは、押しのけるためじゃなくて縋り付くためだった。
留めのように口の中にすっぽり咥え込まれて粘膜に締めつけられると一気に射精まで追い込まれて頭の中を絶頂感が突き抜ける。
びゅくびゅく精を吐き出す気持ちいい感覚が少し続いて、出し尽くすとすっと静まっていった。
「はぁっ……はぁっ……」
状況が理解できないまま息を吐く。
暖炉の明かりを後ろに背負ったユーリスの顔は暗くて表情が少し分かりづらい。
その中で、目だけがギラギラした鋭さを孕んでこちらをじっと見上げているのが分かった。
それを呆然と見つめ返していると、片膝を掴まれて持ち上げられる。
開いた脚を肘掛けに引っ掛ける体勢を取らされそうになっていることに気づき慌てて足を下ろして抵抗した。
そこでやっと、下半身の服が全て脱がされていることを理解する。
「おやめください。い、ったいどういうつもりですかっ」
本当いったい何なんだこれは。
訳がわからない。ちゃんと意味をくれ。
ユーリスが寝てる俺をひん剥いて襲う意味を。
何も言わないユーリスに、つい返事を待つ顔が険しくなる。
「っ……だって、ルコ寝ちゃったし、ムラムラしたから……」
……はぁ?
何だよそれ。ムカムカしてきた。
「……いい加減にしろよ……。」
俺の言葉にユーリスが息を飲むのが分かった。
「こっちが従う立場だからって好き放題しやがって!溜まったら適当に使って抜きゃいいって、やられる方の気持ち考えたことあるか!?」
「そんな……」
暖炉が放つオレンジ色の光源の中でも、ユーリスの顔色が悪くなったのがわかる。
でも言わずにはいられなかった。
「ないよなぁ!あったらしねぇだろ!勝手に人の部屋でオナったり、寝てる間に体弄ったり。自分は平民になら何してもいいって思ってんだよ。捌け口にしていいってよ!」
「ルコ、違うんだ……」
「何も違わねぇよ。お前のしてきたことが全部だろうが。」
「ち、ちが……」
明らかに青ざめた顔でこちらを見ているユーリス。
その様子に少し冷静になるけどこっちだってもう限界だ。
よりによってユーリスに、そんな風に扱われたくなかった。
胸がズキズキして苦しい。
どうして俺はこんなにユーリスの態度に傷ついているんだろう。
どうして子供のする事だって許してやれないんだろう。
「……もういい。俺はあんたの執事を辞める。戻ったら旦那様に申し出ます。」
「い、いやだ……ルコ……」
声を震わせてるユーリスを無視して、床に散らばった衣服を拾って立ち上がる。
着る間も惜しくて下が裸のままリビングの扉に向かった。
「……ごめんなさい。」
背中から小さい声で言われたけど振り返りもせず扉をくぐる。
廊下に出ると、姿が見えなくなっていたノスニキがいた。
俺と入れ替わりでスルリとリビングに入っていく。
それを横目で見ながら、俺は苛立ちのままに乱暴に歩いて使用人の部屋に向かった。
———————
「ルコ」
名前を呼ばれて目を開けると、ユーリスが目の前にいた。
一緒に顔から下が視界に入ってびっくりする。
その上半身は何も身につけていない。
さっき玄関先で見た姿のままだった。
「……っ」
どうしましたと言おうとして、声が出ないことに気づく。
体も鉛のように重くて上手く動かせない。
「ルコ、僕の裸、見てただろ?」
笑みを浮かべながらユーリスが言う。
弁解しようとしても声も出ないし首も動かなかった。
しなやかな手が伸びてきて、頬を撫でられる。
指先でくすぐるように柔らかく顔の輪郭を撫で下ろして、首筋を辿った。
それだけで背中にゾクっとした感覚が走って頭が痺れる。
「はぁっ……」
言葉は出てこないのに熱い息が口から漏れる。
指はどんどん降りてきて、シャツ越しに上半身を4本の指の先でなぞり下ろしていった。
「ねえ、こっちも見たいんだろ?」
ろくに動かない手を取られてユーリスの下半身に押し付けられる。
グリグリ押し当てられていると、明らかにそこの感触が変わっていった。
「澄ました顔して、忠義のあるフリして、本当はずっと僕とエッチなことしたいって思ってる。ここを出ていけないのも、僕とヤりたくて仕方がないからだ。」
否定しないといけないのに、体が動かない。
必死に目で訴えていると、ユーリスは楽しそうな顔で俺の足を割って膝の間に座り込んだ。
そこにぬるっとした感触と明らかな快感を感じて、ユーリスがズボンから取り出した俺の性器を舐め始めたんだと分かる。
じゅぷじゅぷ舐められて、気持ち良さに意識が急浮上するのが分かった。
不自由な喉で何度も発声を試みる。
「ぃっ……ちがうっ!!」
ようやく声が出せた所で目が覚めた。
寝起き直後の、頭の隅がぼんやりした感覚の中視界が明瞭になる。
夢か、と思ったすぐ後に夢で感じたのと同じ快感が下半身に流れて体が跳ねた。
「んぁあっ……?」
足の間にユーリスがしゃがみこんで俺の性器を咥えている光景が視界に入り、頭が混乱する。
夢じゃなかったのか!?
「やめっ……あっ、……ふぁっ、んっ」
抵抗しようと身じろぐと、弱い先っぽの部分に舌先を押し込まれて力が抜けた。
そのままグニグニと穴が空いたくぼみのところをこじ開けるように舌がうねる。
勃起して硬くなった幹の部分も唾液をぬりこめるようにユーリスの手がぐしゅぐしゅと扱いてきてそれも気持ちがいい。
ぴちゃ、ちゅっ……ぢゅぷっ、じゅぷん……
「あっ……はっ…もっ、だめっ…いっ……っ!」
前のめりになってユーリスの肩に手を置いたのは、押しのけるためじゃなくて縋り付くためだった。
留めのように口の中にすっぽり咥え込まれて粘膜に締めつけられると一気に射精まで追い込まれて頭の中を絶頂感が突き抜ける。
びゅくびゅく精を吐き出す気持ちいい感覚が少し続いて、出し尽くすとすっと静まっていった。
「はぁっ……はぁっ……」
状況が理解できないまま息を吐く。
暖炉の明かりを後ろに背負ったユーリスの顔は暗くて表情が少し分かりづらい。
その中で、目だけがギラギラした鋭さを孕んでこちらをじっと見上げているのが分かった。
それを呆然と見つめ返していると、片膝を掴まれて持ち上げられる。
開いた脚を肘掛けに引っ掛ける体勢を取らされそうになっていることに気づき慌てて足を下ろして抵抗した。
そこでやっと、下半身の服が全て脱がされていることを理解する。
「おやめください。い、ったいどういうつもりですかっ」
本当いったい何なんだこれは。
訳がわからない。ちゃんと意味をくれ。
ユーリスが寝てる俺をひん剥いて襲う意味を。
何も言わないユーリスに、つい返事を待つ顔が険しくなる。
「っ……だって、ルコ寝ちゃったし、ムラムラしたから……」
……はぁ?
何だよそれ。ムカムカしてきた。
「……いい加減にしろよ……。」
俺の言葉にユーリスが息を飲むのが分かった。
「こっちが従う立場だからって好き放題しやがって!溜まったら適当に使って抜きゃいいって、やられる方の気持ち考えたことあるか!?」
「そんな……」
暖炉が放つオレンジ色の光源の中でも、ユーリスの顔色が悪くなったのがわかる。
でも言わずにはいられなかった。
「ないよなぁ!あったらしねぇだろ!勝手に人の部屋でオナったり、寝てる間に体弄ったり。自分は平民になら何してもいいって思ってんだよ。捌け口にしていいってよ!」
「ルコ、違うんだ……」
「何も違わねぇよ。お前のしてきたことが全部だろうが。」
「ち、ちが……」
明らかに青ざめた顔でこちらを見ているユーリス。
その様子に少し冷静になるけどこっちだってもう限界だ。
よりによってユーリスに、そんな風に扱われたくなかった。
胸がズキズキして苦しい。
どうして俺はこんなにユーリスの態度に傷ついているんだろう。
どうして子供のする事だって許してやれないんだろう。
「……もういい。俺はあんたの執事を辞める。戻ったら旦那様に申し出ます。」
「い、いやだ……ルコ……」
声を震わせてるユーリスを無視して、床に散らばった衣服を拾って立ち上がる。
着る間も惜しくて下が裸のままリビングの扉に向かった。
「……ごめんなさい。」
背中から小さい声で言われたけど振り返りもせず扉をくぐる。
廊下に出ると、姿が見えなくなっていたノスニキがいた。
俺と入れ替わりでスルリとリビングに入っていく。
それを横目で見ながら、俺は苛立ちのままに乱暴に歩いて使用人の部屋に向かった。
32
↓めちゃくちゃ世話になっている
B L ♂ U N I O N
B L ♂ U N I O N
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