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32, 【番外】憧れの天使6
しおりを挟む新しく作る教会の場所はセルトの白百合の神の神殿があった所にした。
退魔師として仕事をしていくうちに、今の怨霊化した悪魔を闇雲に散らしていく方法では無いアプローチが出来るのではないかと考えたからだった。
ユジンが村に移り住んだ後、教会やこれまで縁のあった人から寄付を集め、廃墟となった神殿の基礎を利用して新しい教会は完成した。
助祭はこれまで教会がなかった村の祭司担当だったグイドという男を選んだ。
悪魔に恨みがあるようで、退魔のためなら大抵のことは見逃して貰えそうだったから異教の術も駆使するユジンには都合が良かった。
次にユジンが取り組んだのは悪魔を呼び出し従属させる事だった。
悪魔は穢れを取り除けば無害になる。従属させた悪魔は、主人の血肉を与えれば体内の穢れを浄化できる。
組み合わせれば、ラムールのように怨霊となった悪魔を元に戻せるのでは無いか。
それに、とユジンは寄り添うアリアスとラムールを思い出す。その先はあえて考えるのをやめた。
この場所を選んだのは、呼び出すならかつての白百合の神が良いと思ったからだ。誰もが愛する天使のような悪魔を呼び出せたら利用価値は相当だろう。
このあたりでは長年悪魔の被害の話は聞かないから、今もそれは悪魔が巣食うという暗闇の世界でひっそり生きているのかもしれない。
見たことのない暗闇の世界を思うと、あのサウィン祭の夜に聞いた変な語尾が浮かんできた。
……いや、あれが呼び出されたら嫌だな。馬鹿そうだったし。
口の端を釣り上げながら、今年のサウィン祭も礼拝堂の中に悪魔を誘き出す術を施していった。
試すのは今年で四回目だ。やはり、悪魔を教会に招くのはなかなか難しいらしい。
しかしその後の従属させる儀式を施すには教会内部の聖域を利用するのがより確実だと見立てている。
そうしてその夜、ユジンが待ちに待ったノックの音がその耳に届いた。
「へ?……え……あ……。」
ユジンがはやる気持ちを抑えて扉を開くとユジンより頭半分小さい人形の存在が立っていた。
ボロボロなローブのフードを目深に被っていて顔はよく分からないが、優美な線を描く顎や首のラインやミルクのような綺麗な肌はそれだけで息を飲むほど美しい。
ただ、足元は膝丈のローブから黒い肌の細い脛が伸び、その裾から黒い尻尾がピョコピョコしているのを少し見て嫌な予感がした。
いや、これだけ美しいんだ。きっと当たりに違いない。
そう思い直し戸惑う相手に語りかける。
「よく来ましたね。ほら、お入りなさい。」
逃がさないように肩を掴めばビクンと体が震え可愛らしいと思った。
次の声を聞くまでは。
「だっだめなのだ!俺様は悪魔だから、人間のおうちには入っちゃダメで、それで……。」
…………お前かよ。
もう何年も前の事なのに、ユジンはその声と話し方をよく覚えていた。
何だか腹が立ってくる。まるで私がこいつを待っていたみたいじゃないか。
これまで散々調べても何も出てこなかったくせに。私が施したおとないの合図を三回も見落としたくせに。アリアスの時はホイホイ来たくせに。
しかしユジンはそれを顔に出さなかった。もう三回も失敗している。この際こいつでもいいじゃないか。仕方ないんだ。そう言い聞かせて作戦を続けた。
相手の警戒を解くためだと言い訳して、フードの上からそっと頭を撫でる。
すると悪魔は頬をほんのり赤くして口を半開きに開いた。
その様子に下腹部がカッと熱くなる感覚がユジンを襲う。
何だこれは。ユジンが誰かに対してこんな風になった事はこれまで一度も無かった。それが、あの見るからに愚かで頭が足りなさそうな悪魔を前にすると甘い衝動が湧いてくる。
その後もどうにか悪魔の一挙手一投足に昂る自分を内心で宥めたが、とうとう抑えきれなくなりユジンは目の前の悪魔の自由を奪い、肉体を作り変えて激しく犯した。
そうして何度目かの子種を悪魔の中に注いだあと、ようやくユジンは少し冷静になる。
相手の様子を見れば、すでに瞼は閉じられてすうすう呼吸をしていた。
激しい情交に意識を飛ばしたようだ。
犯すためにローブを剥いだ下から出てきた、息を呑むほどの愛らしい相貌を見つめる。
やっと萎えた逸物を引き抜くと、支えを失った細い体が椅子から落ちそうになった。抱きかかえて膝に乗せ、自分が椅子に座る。姿勢が変わっても悪魔の尻穴からユジンが吐き出した大量の白濁が流れ出る様子はない。
この手中にある蠱惑的な体が全て吸収したのだと考えると、治った熱がぶり返しそうだった。
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