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3(エロ)

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腕が自由になったから抵抗しなきゃいけないのに、やわやわと体の前半分を刺激されると腕から力が抜ける。

マキメの5本の指が俺のあまり凹凸がない腹を下から上にじっくりなぞりあげた。

「んひぃああああぁっ……」

気持ちいい。

そのまま鎖骨まで指が達すると、今度は浮き出た骨に沿って横に撫で上げる。

「ん、ふうぅぅっ……」

気持ちいい。

どんどん気持ち良さが貯められていって、1つのゴールがほしくて堪らなくなる。


イきたい。


口には絶対出したくなくて、でもどうにかしたくて体を捻り自分から背後のマキメの顔を覗き込んだ。
こんなやつの面、出来ればコンリンザイ拝みたくないのに。
小4までは学校中の女子人気を総なめしていたキレイな顔がこちらを見つめ返す。
あんな事があってマキメが学校に行くのを諦めなければ、今でもこいつは学校中の女に気に入られてたに違いない。
どうでもいいけど。

「メイタ……」

俺の名前を呼ぶマキメは思ったより余裕がないギラギラした顔をしていた。
体を起こすと俺をベッドに寝かせて自分は対面で上から被さってくる。
見上げるとじっと見つめてくる瞳と目が合った。


小5になりたての頃、マキメは誘拐に遭った。
マキメの父の研究成果を欲しがった外国の独裁者が、情報を引き出す手段として息子のマキメを狙ったんだ。
まあ、その成果ってだいたいマキメが出したものだから、実質本人が誘拐されたことになる。

『警察の努力』でマキメは早々に無事に解放されたけど、やっぱり誘拐された事はトラウマだったのかそれからマキメは外に出なくなった。

誘拐事件は結局国際問題化を恐れた国の圧力でうやむやにされ犯人は捕まらず仕舞い。
世の理不尽さに俺たち家族はみんな憤ったけど、マキメは外見上飄々としていた。

引きこもるくらいにショックだったくせに、周りにはそれを見せない不器用なところがマキメにはある。
だから散々ひどい事をされても、何だかんだ俺はやつとの関係を切れずに今に至っていた。

そして事件のしばらく後、マキメを誘拐した独裁国の中央研究所で大規模な毒ガス漏出騒ぎが起きたらしいというニュースが出た。正確な人数は報道がなかったけど犠牲者も出たらしい。
リビングでおやつを食べながらテレビを見ていたらいつの間にか入ってきたマキメがそのニュースを見て、

「あ、やっと作れたんだ。」

とポツリと言った。
驚いて見つめると、

「心配ないよ。扱い難い割に数時間で無毒化しちゃうから実用性はないんだ。」

とまるで世間話みたいに続けて俺の口の端についたプリンを指で拭った。

犯行グループの背景を察して面倒がりろくに動かなかった警察と、なのに早々に解放されたマキメ。
小5のマキメが一体どんな交渉を誘拐犯としたのか。

俺は考えないことにして、日本の警察はちゃんと凄いしマキメは傷ついた心を隠してケナゲに生きる可哀想な幼馴染なんだと思う事にした。
今でもそう言い聞かせている。
でないと俺がこれまでこいつの仕打ちに耐えてきた意味がなくなるからな。


俺を見下ろしてくるマキメの目は熱っぽいけどどこか優しい。
その表情を見る度に胸がぎゅっと詰まる感覚になる。

もしあの日俺がマキメを置いて遊びに行かないで一緒に帰っていたら、俺がマキメを守ってやれたかもしれないのに。
そしたらマキメは今頃友達に囲まれて暮らして、俺もツルツルじゃないし黒歴史動画だって爆誕しなかっただろう。
……多分。

「口開けて、成分吸い込んでるから、中もきっと気持ちいいよ。」

細くて長い指が顎に触れて口を開けるよう促してくる。
言われるまま口を開けたら、マキメの顔がどんどん近づいてきてふにっと柔らかい感触がした。
マキメの口が俺の口を塞いで、はむはむ唇を啄ばみながら器用に開いた口から舌を差し込んでくる。

ちゅるっと舌を軽く吸われるだけでマキメの言ってる事がわかった。

気持ちよすぎる。

亀頭を直接擦るくらいの快感が、口のどこを触られてもすぐ近くの脳にどんどん送り込まれてくる。

「んむっ……んっ……んんんっ」

マキメの舌が俺の口の粘膜を撫でる度勝手に体が跳ねる。
マキメはそれを俺の腰と腕を抑えるだけで封じ込めてキスを続けた。

さっきまでしつこく撫でていた上半身には今度は一切触ってこない。
ひたすら口の中を舐め回すだけ。
それがただただ気持ちいい。
自分のとマキメのが混ざり合ったよだれが首筋を伝って、それにも物凄く感じた。

ちゅくっ、ちゅくっ、ぷちゃ、ちゅぷん

ネバネバした水の音が耳に入って恥ずかしい。
なのにマキメの舌の動きを夢中で受け止めている自分がいる。
舌を引きずり出されて、フェラするみたいにじゅぽじゅぽ唇で扱かれたのが留めだった。
はあ、だめだ……何かくるっ

「ん゛ん゛ん゛っ…………っ!……ん゛ん゛っ」

限界を超えた快感が体を貫いて、マキメがのしかかっている体が弓なりに沿って股間を突き出す姿勢になった。
その股間から、触ってもないのにびゅくびゅく射精する感覚がしてとにかく解放が気持ちいい。

吐き出している最中、ジャージの上からマキメが俺のちんこを掴んだ。
グチュッと中に溜まった精液が音をたてる。

「メイタ、おくち中クリトリスになっておちんぽ触らないでもいっぱい潮噴けたね。偉い。」

熱っぽく呟いて、鼻の頭にちゅっとキスをされる。
こいつが何言ってるか分からない。
いや、分かりたくない。

で、こいつは分かってるのか。今のが俺のファーストキスだって。
神様、いやこの悪魔はどうしてこうも俺から甘酸っぱい初体験のチャンスを次々奪うのか。

「じゃあもう、いいだろ。効果ありってことで。」

出して少し冷静になった頭で返す。
こんなとんでもない事されても、怒るだけ無駄だ。
セクハラだセーテキボーコーだって騒いだところで、こいつは外面が恐ろしくいいのでこいつの親も俺の親も信じないし、下手すると俺が悪者になる。
もう何度も経験してきた。
こいつの一家を怒らせて父ちゃんがまた無職になっても困るしな。まだこの家の住宅ローンがいっぱい残ってる。

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