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触れた唇が割れ、そこから舌が伸びてきて私の唇をなぞった後に歯列をこじ開けて口内に入ってきた。

顎の裏側をざらりと熱い舌で舐められるとくすぐったいような痺れるような感覚が走る。
自分の酒臭い呼気が全部飲み込まれていく。

「んっ……ちゅっ、はぁ……な、何?……あっ」

被さってくる体を押すとキスを止めて少し離れてくれた。
うなじを指でなぞられてゾワっとする。
そのまま頭まで手が伸びてきて、結いあげていた髪を解かれた。
枕に毛先が広がる軽い音がする。

「晃の習慣では弟になったら兄の口を吸うんだろう?こないだ声を掛けてきた宦官が、弟にして欲しいとしつこいから適当に引き受けたらいきなり同じ事をしてきた。その時は冗談じゃないと殴ったが、まさかリンから申し出があるなんて……。」

私の頬をセイ君の長くて訓練でカサついた指が撫でる。
それ違う兄弟だよ!いわゆるそういうアハンな関係の契兄弟てやつだよ!
というか平白の言ってた噂の出所それでは!?

「いや、ちが……兄弟て……」

早くセイ君の勘違いだって説明しないと……

「やっぱり嫌か?嫌ならリンも殴ってくれて別にいい。」

セイ君が切なそうな表情で覗き込んでくる。
それ、殴っていいなんて思ってる顔じゃないよ。
飛ぶ鳥を落とす勢いの将軍が見捨てないでって縋ってくる子犬に見えるんですけど……。

そんな顔されると、胸の中がぎゅっと握られたような心地になる。
やっぱり、異国の地で一人重責を負うって心細いんだろうな。
どういう訳かはよく分からないけど私を信頼して頼ってくれたならそれを無下には出来ない。
今誤解だって言ったら、拒絶したと思われてしまうだろうか。

別にキスするの、嫌じゃなかったしな……。



……うん、よし!ここは漢霖潤、どーんと受け止めよう!
困ってる人を前にキスくらいなんだ!!


「嫌なもんかセイ君!私は君の兄として君を受け止めるよ!」

手を伸ばして艶やかな髪ごとセイ君の頭をよしよし撫でてやる。
セイ君がすっと嬉しそうに目を細めた。

「じゃあ、まず弟以外の痕跡は上書きしなきゃな。」

その言葉にん?と思った直後、胸にチクッとした痛みが走った。

見るとセイ君が俺の乳首の横あたりの肌に吸い付いている。

「いっ……ひぁっ」

吸い付かれた後にベロリと舐め上げられて反射的に背中が反る。

「吸われたのは乳首だけか?」

問いかけながら口を這わせてない方の乳首の先端を人差し指の腹でカシカシ擦り始める。
その刺激に何故か頭が痺れるような感覚が生まれた。
何なんだこれ?

「わか、なっ……寝てたから……あっ」

先っぽを擦っていた指が今度は粒をきゅっとつまんで捏ねだす。

くりっくりっ、くりゅっ

その動きから感じるのは明らかに性感だって、流石に気付いた。

「じゃあ、念のため全部上書きしないとな。」

全部って、どゆこと……?キスだけじゃないの?
言葉が飲み込めないでいると、摘まれていない方の乳首にぬるっとした暖かい感触。
セイ君が、私の乳首をぱっくり口に含んで吸い上げ始めた。

「っんはぁ……やだぁ、吸わないでぇ……」

舌が乳頭や乳輪を舐め上げるたびに、ヌルつきと柔らかい肉の感触に堪らない快感が走る。

指で弄られている方はくにくに揉まれて既に固く痼ってしまったみたいで、指でピンと弾かれるだけでじゅわっと快感が広がるようになった。

「セイくっ……やめてっ」

触られる度に気持ちいいのに困ってどうにかやめて貰おうと手で静止を試みる。
けど、体格差で敵うわけもなくあっさり片手で両手首を掴まれ頭上で抑え込まれた。

「他のやつには触らせるのに?」

これまでより少し乱暴に指で乳首を埋め込むように胸に押し込まれ、指先が小刻みに揺れて逃げ場をなくした粒を嬲る。
その振動が凄く気持ちいい。

「ああぁっ……だ、って、平白と……全然ちがっ……」

ここを弄られるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。

「へぇ、今そいつと比べてるのか?どう違う?」

「どうって……気持ちいい。」

「そいつにされるより?」

そう言ってセイ君が両方の乳首をまた弄り出す。
片方は口に含んで歯で軽く側面を擦り、もう一つは埋め込んだのをくびり出すように摘んでこよりを作るみたいに指先で捏ねる。

カリカリ、くにくにくにっ

「ふあぁぁあぁっ!わか、ないっ……こんなっ、初めて、だからぁっ……ひぅっ……ああぁん」

両手は抑え込まれたまま身体をしならせて震えてしまう。
指は乳首を刺激したまま、唇が首筋に這い上がって顎と首の境目に吸い付かれる。
離れる時にはぁ、とすごく熱い吐息がそこにかかってゾワっとした。

「じゃあこっちは?触られたか?」

そう言ってセイ君が私の袴の前に手を当てる。
その下にある既に萌して上を向き始めた性器をぐっと掴まれた。
慌てて首を横に振る。

「嘘つき。寝てたんだから分からないだろ?」

敏感な部分を服越しにぐにぐに刺激されてさらにはっきりとした快感が体を巡った。
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