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31, エロ
しおりを挟むアカオは必死で考えを巡らせた。
どうにか盛ってくるトキノをいなし、自分のペースで話を進める方法が、何かないか……。
「兄さん、何も考えないで、俺に任せて。」
トキノが宥めるようにアカオの額についばむキスを何度も落とす。
それをされると確かにアカオの気がゆるんで思考はふやけていった。
「……初めてだから、優しくして欲しい……」
結局何も思いつかず、アカオは小さく言った。
別にトキノに落ちた訳じゃない。今は分が悪すぎるだけだ、とアカオは自分に言い訳した。
だってトキノが甘いことを言ってくるせいで胸がきゅうきゅうして苦しいし、乳首やら性器やらを刺激されてうずうずするしでぜんぜん調子が出ない。
それにこのしつこく迫ってくるトキノを落ち着けないとアカオが上手くあしらうこともままならない。
これは戦略的撤退だとアカオは結論付けた。
「うん……。」
アカオの言葉にトキノは薄く返事をした。
その様子にアカオはちょっと不安になる。
こっちの要望通りちゃんと手加減して貰わないと困るからだ。
本人は無自覚だったが、この時のアカオは性感で頬は薄く上気していて瞳は潤んで揺れており、思惑とは真逆の効果をトキノに与えていた。
衝撃が強すぎていっそ反応が無に近くなるほどだった。
このかわいいものは今すぐに抱き潰して外の奴らの手が届かないようにするしかない、とトキノは決意した。
今すぐ痛いくらい勃起したものを中にぶち込みたい、という衝動をどうにか抑えてトキノはゆっくりアカオにキスをした。
アカオか逃げずにそれを受け入れたので、トキノは叫びだしたくなるくらいの嬉しさでアカオの唇を貪った。
何度も唇を押し付けて舌をのばす。
アカオは抵抗無く口を開き、敏感な粘膜をトキノの舌が撫でると体を小さく跳ねさせる。
それがどうしたって可愛くて、トキノは夢中でキスを続けた。
鼻から抜けるような喘ぎが耳に入るたびにだんだん理性が削られていく。
もっと身体中に触れてアカオをとろかせたい気持ちはあったが、それ以上に早くアカオが欲しくなりトキノは手早くベッド脇の引き出しからローションを取り出して蓋を開けた。
手のひらに取った粘液をアカオの尻に塗り込めると細い腰がビクッと反応する。
「あ、洗ってないから……」
汚いかもと続けようとしたアカオを無視してトキノの指先が穴に触れる。
ゆっくり液体を塗しながら一本指を入れてみると、アカオはいつになく恥ずかしそうに眉を顰めた。
これまでトキノがアカオの中を弄る時は必ず事前に洗っていた。
今日は寝起きで始めてしまったから気になるのだろう。
その戸惑う様子も初めて見る姿で本当に可愛いとトキノは嘆息した。
以前は強く拒否されたが、やっぱり絶対に排泄するところも見せてもらわなきゃな、と内心でアカオに見せてもらうものリストに追加する。
恥ずかしがるアカオを味わいながら指で中を探ってみると、案外綺麗だった。
そういえば、昨日は夕飯を食べるどころじゃなかったからなと思い出す。
「兄さん、お腹空いてない?」
「へ?あ、大丈夫だけど……っ」
指先が前立腺を掠めた時にアカオがひっと息を呑んだ。
散々トキノに開発されて、すっかり性感帯になったアナルへの刺激に顔がとろけ出す。
「本当?一旦やめてご飯にしても良いよ。」
そんな気はさらさらないのに、アカオの反応が見たくてわざと言う。
指を2本に増やし、より念入りにアカオが乱れる場所に指を押し付けた。
「っ……だい、しょぶっ、あぁっ、あっ……」
アカオは快楽に飲まれそうになりながら、それでも気になる事をどうにか口にする。
「はぁ、トキノ、中っ……汚くない?嫌じゃ、ないか?……はぁっ」
「うん、兄さんの中綺麗だよ。このまま挿れたい。でも、兄さんが本当に気になるならお風呂行こうか?」
恥ずかしがるところが見たい。でも、本当に嫌なことはしたくない。相反する二つの感情がトキノの中でせめぎ合う。
「トキノが嫌じゃない、なら……このままで……あっ、あんっ」
「ごめん、広げるの先にするね。」
アカオの反応に堪らなく煽られてしまい、中を解すのを優先することにした。
挿入時に傷付かないよう、慎重に括約筋を伸ばしながら指を増やす。
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