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30, エロ
しおりを挟むトキノはジタバタと抵抗するアカオを一方的に抱き上げてベッドに連れて行った。
「トキノ!こういうのは付き合ってからだろ。僕だってちゃんと考えてお前と付き合うことになればそういう事も考えるけど、まだ早いよ。な?」
トキノに破る勢いで開かれそうになってる襟元を握りしめてアカオは説得した。
こちらを見てくる瞳がギラギラしているようで、まるで猛獣のようだと思った。
狐のくせに、とアカオはその迫力にちょっと焦る。
「だって、急に嫌いじゃないとか言うし、考えてみるとか言うし、兄さんもう本当可愛い。我慢できない。」
トキノの表情と声色に含まれた色気が凄くてドキドキした。
何だか流されそうになる自分がいて必死でトキノから顔を逸らしてみる。
「ぁ、う……でも」
もうひと推しされたら拒めないかもしれない、そう思っている事がバレないようにぎゅっと目を瞑った。
「分かった。嫌なら兄さんには触らないから、自分の触っていい?もう興奮して痛くて。」
「へ?」
トキノは自分の上半身をアカオの上に乗せて少し腰を浮かすとゴソゴソとボトムスを寛げた。
トキノの体が壁になってアカオからは様子が窺えないが、勃起した自分のものを性急に扱き始める。
「っ……はぁ、兄さん……。」
トキノは顔をアカオの肩口に埋め、スンスン匂いを嗅ぎながら自分を慰めていた。
体の上で匂いをオカズにされて勝手にマスをかかれるとか、本来なら怒っていい状況だ。アカオも頭では分かっている。
けれど、トキノの漏れる息や声が何だか扇情的で、何だか甘ったるい堪らないような匂いまでしてくるのでアカオは固まったままその様子を見つめた。
こくりと口に溜まった唾液を飲み込む音がやけに頭に響く。
あ、これヤバい、とアカオは思ったが遅かった。
「兄さんの、勃ってる……?」
ボトムスを押し上げるアカオのものに気付いたトキノが囁くように言った。
その言葉にかぁっと顔が熱くなる。
「あ、いゃ……これは、あっ……まてっ」
トキノが飛びつくようにアカオのズボンの前立てを開いて下着ごと引き下ろした。
ゴムに引っかった先端が少し下にひっぱられて、外れるとふるっと揺れながらまた上を向く。
萎える様子のないものをトキノに見つめられて居た堪れない気持ちになる。
「さ、触らないって……」
「嫌ならって言った。俺のオナニーでちんこ勃てといて、嫌って言うの?」
トキノがアカオの股間に腰を押し付け、竿同士をこすり合わせる。
何も抑えるものがないので、うまく擦れ合うことはなく粘膜同士がわずかに触れ合うだけだった。
けれど、その感触のもどかしさが酷く気持ちよく感じてアカオは肩を跳ねさせた。
「兄さん、俺のこと嫌い?」
腰を揺らしてアカオのものを緩く刺激しながらトキノが尋ねる。
「嫌い、じゃなぃ……」
「そうだよね。嫌いだったらちんこ擦り付けられて勃起しないよね。」
「っ、言うなよぉ。」
「だって兄さん、俺で勃起するくせに俺とセックスしたくないとか嘘吐くから。」
「うそじゃないっ、だって、まだ考えてるから……あっ」
一瞬先端同士が擦れ合って、鋭い快感が下半身に走った。けれどお互いの先走りで滑りすぐに離れてしまう。
アカオは無意識に腰を浮かせて追いかけいた。
「兄さんの頭は素直じゃないんだから、考えたらダメなんじゃない?」
すり、すり、とトキノが自分の腹筋をぬるつくアカオの亀頭に擦り付ける。
先端へのわずかな刺激にアカオの眉尻がふにゃりと下がった。
「ほら、自分の体に聞いてみて。どうして欲しい?」
「っ……」
アカオは力無く首を振った。
このままなし崩しになってしまったら、この先ずっとトキノに良いようにされてしまうのではないか。
仮にトキノを受け入れるにしても、自分がしっかり主導権は握っていきたい。
それはトキノに対するコンプレックスとはまた別の問題だとアカオは思っていた。
「兄さん、ちゃんと言って。言ってくれないと嫌だ。」
トキノが甘えるように耳元で囁く。
そうすると不思議と胸がきゅうっとして、言うことを聞いてやりたくなる。
いや、駄目だ、絶対に調子に乗らせる。アカオは頭の中で葛藤した。
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