23 / 35
23, エロ
しおりを挟むこのままとろとろになったアカオの中に押し入ってしまいたいという強い衝動に駆られるが、早まるなと思い直す。
アカオがどうにかトキノとのセックスを回避しようとしているうちは、交渉でどうにか切り抜けられると思っているうちは、あからさまに敵対的な態度に出ることはないと踏んでいるからだ。
トキノだって、アカオが予想外に態度だけは従順なのを目の当たりにして、監禁した当初と違い無理矢理に奪うのは出来るだけ避けたいと思っている。
アカオがトキノを上手く懐柔して自由になろうと思っているのと同じように、トキノもアカオを囲い込んで自分を受け入れさせようとしていた。
「あ……トキノ、挿れるの……?」
尻の狭間にペニスを擦り付けられたのに気付き、アカオが尋ねてくる。
怯えているようにも期待しているようにも聞こえてトキノの頭はぐつぐつに茹だるようだった。
「我慢してるよ。兄さんとの約束だから。でも、触って落ち着かせてくれたら楽になるんだけど。」
尻の谷間にくっ、くっと怒張を擦り付ければ抱き込んでいる腰がびくっと震えた。
「えっ……。」
アカオが視線を泳がせる。
その表情は困惑が滲んでいた。
流石にダメか。
トキノがそう思ったとき。
何かがそっとトキノのそそり立つペニスに触れた。
一拍置いてそれがアカオの指先だと理解する。
アカオが自ら手を伸ばし、トキノのものを握り込んだのだ。
「下手だったら、ごめんな。」
そう前置きして逆手で握った手を上下に動かす。
「うんん、あっ、兄さん……すご、気持ちいい。堪らない。もっと。」
トキノが早々に気持ちよさそうにつぶやく。
腰を抱いていたはずのトキノの両手が、縋るようにぎゅっとアカオの体を腕を回して抱き締めた。
そんなに気持ちいいんだろうか、ただこすってるだけなのに。
とアカオは少し不思議に思ったが、腕を自分の尻の下に伸ばしどうにか尻の間に突き出ているトキノのものを擦る。
「前の方が、やりやすいんじゃない?」
囁くような色っぽい声色が耳元で発されてドキリとした。
相手はトキノなのに。
反応できないでいると腰を少し持ち上げさせられた。
自然にできた2人の体の隙間から、ふるりと反り返ったトキノの性器が飛び出してくる。
大きすぎだろ……とアカオはしばしそれを見つめた。
上からの角度で見ても規格外に長さも太さもあることがわかる。
どうりで、アカオの股の間にあるそれを後ろ手で掴めるわけだ。
こんなの尻に入る訳ない。入れさせるつもりは絶対ないけど。
「さわってくれないの?」
強請るように促され前から握り込んだ。
後ろ手で扱いていたときと違い、その怒張の様子がつぶさに分かる。
カリが張り出した亀頭、血管の走る太い幹、強く支配する側の雄そのものの造形をしていて、こんなところでもアカオは敗北感を感じた。
何をしても敵わず、追い抜かれ、あげく体を好き勝手に弄ばれて奉仕させられている。
悔しくて堪らない。
なのに、トキノがアカオの与える刺激にうっとりとして感じている様子は何故か目が離せない。じっと見つめられると何だか屈辱ではない感情で体が熱くなる気さえしてくる。
その事実を直視したくなくて、熱心に手を動かした。
これはやらないと犯すと脅されたからやってるだけで、自分の意思じゃない、と思いながら。
トキノはそんなアカオの様子をじっと目に焼き付けていた。
自分に懸命に奉仕するアカオの姿が可愛すぎたからだ。
過去には適当に知り合った手慣れた相手に触らせたこともあるが、アカオの下手くそな愛撫の方が段違いに気持ちいい。
ペニスを差しだされて戸惑う様子も、慣れない手つきで扱く様も、いつまでやればいいのかとこちらを伺ってくる仕草も、全部全部可愛い。
この慣れていない感じ、男性経験がないのは勿論として自分で触ったりもしないんだろうか。
兄さんはどんな風にオナニーするんだろう。次は見せて貰わなくちゃ。
興奮して射精が迫る間も、トキノの頭の中はアカオでいっぱいだった。
17
お気に入りに追加
562
あなたにおすすめの小説




塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる