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突然言われた事に驚きで思考が止まる。
「チャンスって、結婚のか?」
ないない。何故なら余が絶対回避するから!
「んーちょっと違う。ほら、そのあんたが言う真実の愛ってやつ?」
んん?
「貴様は貴様で生きてれば本当に好きな人がそのうち出来るんじゃないか?」
まあ、余だって二十歳になる今まで初恋もまだだけど、余のことだからそのうちきっと可愛いお姫様と素敵な恋ができると思う。
こいつと結婚させられなければな!!
「それは間に合ってる。そうじゃなくて、あんたが俺を真実の愛で好きになったりしないの?」
は?
こいつは何を言いだすんだろう。
「いやいやいや、無いだろ。」
「なんで試してもないのに言い切れるんだ?」
「確かに会ったばっかりで貴様のことはよく知らないが、絶対無い。」
余は政略結婚なんて他人のいいようにされるのはごめんなのだ!
「……会ったばっかり?」
「そうだろう。貴様が1週間前にエルペーニャに来てから、まともに話すのはこれが初めてだ。」
余が逃げまくって会わないようにしていたからな。
「……ああ、そうだな。」
明らかに落胆したような声音。
まあ、振り返ると失礼な態度だったかもしれない。
勝手に人の部屋に入って来て馬乗りになるこいつよりはマシだけどな?
「まあいいや。俺もあんまり昔のことは
思い出したくないから。大事なのはこれからってことで。」
「はぁ。」
「じゃあルチアーノ、改めて俺を真実の愛で好きになって?」
額がくっつきそうな距離で囁かれた。
やつの吐息がかかる感触に唇が震える。
「だっだから、無いと言ってるだろ!無いっ!な~いっ!」
「やってみないと分からないだろ?それとも、俺に夢中になっちゃうのが怖くて逃げてる?」
「馬鹿なこと言うな!余が逃げる?貴様ごときに何されようと余はなんともないからなっ。」
「それって俺に何されてもいいってこと?」
「言葉通じてます!?」
余としたことがこんな奴に思わず敬語になってしまった。
「まあ聞けよ。あんたにも悪い話じゃない。この1ヶ月であんたが俺のアプローチを受けて好きにならなかったら俺から婚約解消していい。持参金は違約金として渡す。どうだ?」
た、確かにそれは良いこと尽くめだ。
余はこいつを好きになんかならないし、勝つのが分かりきってる賭け。
コーツには日頃絶対1人の時に誰かと約束とかするなって言われてるけど、これは余にとって良いことしかないから大丈夫だよな。
「いいだろう。その言葉忘れるなよ。」
「…………。」
「何だ。撤回するか?」
「いや、しない。ありがとうルチアーノ。俺にチャンスをくれて。」
暗い部屋で、勝手に人の髪の毛束をさらりとつまんでキスをする姿が見えてしまった。
何なんだ。勝手な事ばっかり言うかと思えば急に感謝してきたり。変なやつ。
毛先を弄っていた手が、上に伸びて頬を撫でる。
それがだんだんまた下に降りて、首筋を辿った。
「っふふ」
くすぐったくて首が竦み声が漏れる。
「ここ、弱い?」
指の腹で擽りながら、指より柔らかいものを押し当ててきた。
その感触と、顎にあたる柔らかい髪の感触でそこに吸い付かれてるとわかった。
痛くないくらいの強さで肌が吸われて、隙間から伸びた舌がぬるっとそこを舐める。
くすぐったい以外の感覚が広がるのに混乱した。
ちゅっ……ぴちゃ、くちゅ……ぢゅっ、
「ひゃぁっ……何するんだっ、やめっ……あっ……」
首をしゃぶるような大胆なものに発展した勢いで、かぷっと喉仏を甘噛みされて体がビクつく。
暴れて止めようとしても、両手は押さえつけられたままだ。
腰に乗られていて起き上がることもできない。
首を這っていた掌がさらに下に降りて、寝巻きに着ているロングチュニックの上から胸を包んだ。
優しく左側全体を撫でたかと思うと、中心の乳首の部分だけをつまみ上げるように捏ねる。
布越しに先端を擦られる感覚にゾワリとしたものが背中を走った。
「っはぁ……嫌だって!触るな!」
「でもルチアーノ、俺のアプローチ受けるって言ったろ?」
ちゅぱっと余計な音を立てながらやっと首から顔を離した奴が言う。
ゆってな……あれ?言ったことになるのか?
「それとも降参?やめて下さいってお願いするならやめてもいいけど。」
「っはー!?誰が貴様にお願いなんかするかっ。好きにするがいい。余は何ともないからなっ!」
「ありがとう。でも簡単すぎてちょっと心配になってきた。誰にでもこういうことさせたらダメだから。俺だけな?」
余は一番貴様にさせたくないですが!?
「チャンスって、結婚のか?」
ないない。何故なら余が絶対回避するから!
「んーちょっと違う。ほら、そのあんたが言う真実の愛ってやつ?」
んん?
「貴様は貴様で生きてれば本当に好きな人がそのうち出来るんじゃないか?」
まあ、余だって二十歳になる今まで初恋もまだだけど、余のことだからそのうちきっと可愛いお姫様と素敵な恋ができると思う。
こいつと結婚させられなければな!!
「それは間に合ってる。そうじゃなくて、あんたが俺を真実の愛で好きになったりしないの?」
は?
こいつは何を言いだすんだろう。
「いやいやいや、無いだろ。」
「なんで試してもないのに言い切れるんだ?」
「確かに会ったばっかりで貴様のことはよく知らないが、絶対無い。」
余は政略結婚なんて他人のいいようにされるのはごめんなのだ!
「……会ったばっかり?」
「そうだろう。貴様が1週間前にエルペーニャに来てから、まともに話すのはこれが初めてだ。」
余が逃げまくって会わないようにしていたからな。
「……ああ、そうだな。」
明らかに落胆したような声音。
まあ、振り返ると失礼な態度だったかもしれない。
勝手に人の部屋に入って来て馬乗りになるこいつよりはマシだけどな?
「まあいいや。俺もあんまり昔のことは
思い出したくないから。大事なのはこれからってことで。」
「はぁ。」
「じゃあルチアーノ、改めて俺を真実の愛で好きになって?」
額がくっつきそうな距離で囁かれた。
やつの吐息がかかる感触に唇が震える。
「だっだから、無いと言ってるだろ!無いっ!な~いっ!」
「やってみないと分からないだろ?それとも、俺に夢中になっちゃうのが怖くて逃げてる?」
「馬鹿なこと言うな!余が逃げる?貴様ごときに何されようと余はなんともないからなっ。」
「それって俺に何されてもいいってこと?」
「言葉通じてます!?」
余としたことがこんな奴に思わず敬語になってしまった。
「まあ聞けよ。あんたにも悪い話じゃない。この1ヶ月であんたが俺のアプローチを受けて好きにならなかったら俺から婚約解消していい。持参金は違約金として渡す。どうだ?」
た、確かにそれは良いこと尽くめだ。
余はこいつを好きになんかならないし、勝つのが分かりきってる賭け。
コーツには日頃絶対1人の時に誰かと約束とかするなって言われてるけど、これは余にとって良いことしかないから大丈夫だよな。
「いいだろう。その言葉忘れるなよ。」
「…………。」
「何だ。撤回するか?」
「いや、しない。ありがとうルチアーノ。俺にチャンスをくれて。」
暗い部屋で、勝手に人の髪の毛束をさらりとつまんでキスをする姿が見えてしまった。
何なんだ。勝手な事ばっかり言うかと思えば急に感謝してきたり。変なやつ。
毛先を弄っていた手が、上に伸びて頬を撫でる。
それがだんだんまた下に降りて、首筋を辿った。
「っふふ」
くすぐったくて首が竦み声が漏れる。
「ここ、弱い?」
指の腹で擽りながら、指より柔らかいものを押し当ててきた。
その感触と、顎にあたる柔らかい髪の感触でそこに吸い付かれてるとわかった。
痛くないくらいの強さで肌が吸われて、隙間から伸びた舌がぬるっとそこを舐める。
くすぐったい以外の感覚が広がるのに混乱した。
ちゅっ……ぴちゃ、くちゅ……ぢゅっ、
「ひゃぁっ……何するんだっ、やめっ……あっ……」
首をしゃぶるような大胆なものに発展した勢いで、かぷっと喉仏を甘噛みされて体がビクつく。
暴れて止めようとしても、両手は押さえつけられたままだ。
腰に乗られていて起き上がることもできない。
首を這っていた掌がさらに下に降りて、寝巻きに着ているロングチュニックの上から胸を包んだ。
優しく左側全体を撫でたかと思うと、中心の乳首の部分だけをつまみ上げるように捏ねる。
布越しに先端を擦られる感覚にゾワリとしたものが背中を走った。
「っはぁ……嫌だって!触るな!」
「でもルチアーノ、俺のアプローチ受けるって言ったろ?」
ちゅぱっと余計な音を立てながらやっと首から顔を離した奴が言う。
ゆってな……あれ?言ったことになるのか?
「それとも降参?やめて下さいってお願いするならやめてもいいけど。」
「っはー!?誰が貴様にお願いなんかするかっ。好きにするがいい。余は何ともないからなっ!」
「ありがとう。でも簡単すぎてちょっと心配になってきた。誰にでもこういうことさせたらダメだから。俺だけな?」
余は一番貴様にさせたくないですが!?
21
↓めちゃくちゃ世話になっている
B L ♂ U N I O N
B L ♂ U N I O N
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