R18/君が婚約破棄するというので、絶対離さないと分からせるまで愛するのをやめない

ナイトウ

文字の大きさ
上 下
5 / 27

5,(エロ)

しおりを挟む
突然言われた事に驚きで思考が止まる。

「チャンスって、結婚のか?」

ないない。何故なら余が絶対回避するから!

「んーちょっと違う。ほら、そのあんたが言う真実の愛ってやつ?」

んん?

「貴様は貴様で生きてれば本当に好きな人がそのうち出来るんじゃないか?」

まあ、余だって二十歳になる今まで初恋もまだだけど、余のことだからそのうちきっと可愛いお姫様と素敵な恋ができると思う。
こいつと結婚させられなければな!!

「それは間に合ってる。そうじゃなくて、あんたが俺を真実の愛で好きになったりしないの?」

は?
こいつは何を言いだすんだろう。

「いやいやいや、無いだろ。」

「なんで試してもないのに言い切れるんだ?」

「確かに会ったばっかりで貴様のことはよく知らないが、絶対無い。」

余は政略結婚なんて他人のいいようにされるのはごめんなのだ!

「……会ったばっかり?」

「そうだろう。貴様が1週間前にエルペーニャに来てから、まともに話すのはこれが初めてだ。」

余が逃げまくって会わないようにしていたからな。

「……ああ、そうだな。」

明らかに落胆したような声音。
まあ、振り返ると失礼な態度だったかもしれない。
勝手に人の部屋に入って来て馬乗りになるこいつよりはマシだけどな?

「まあいいや。俺もあんまり昔のことは
思い出したくないから。大事なのはこれからってことで。」

「はぁ。」

「じゃあルチアーノ、改めて俺を真実の愛で好きになって?」

額がくっつきそうな距離で囁かれた。
やつの吐息がかかる感触に唇が震える。

「だっだから、無いと言ってるだろ!無いっ!な~いっ!」

「やってみないと分からないだろ?それとも、俺に夢中になっちゃうのが怖くて逃げてる?」

「馬鹿なこと言うな!余が逃げる?貴様ごときに何されようと余はなんともないからなっ。」

「それって俺に何されてもいいってこと?」

「言葉通じてます!?」

余としたことがこんな奴に思わず敬語になってしまった。

「まあ聞けよ。あんたにも悪い話じゃない。この1ヶ月であんたが俺のアプローチを受けて好きにならなかったら俺から婚約解消していい。持参金は違約金として渡す。どうだ?」

た、確かにそれは良いこと尽くめだ。
余はこいつを好きになんかならないし、勝つのが分かりきってる賭け。
コーツには日頃絶対1人の時に誰かと約束とかするなって言われてるけど、これは余にとって良いことしかないから大丈夫だよな。

「いいだろう。その言葉忘れるなよ。」

「…………。」

「何だ。撤回するか?」

「いや、しない。ありがとうルチアーノ。俺にチャンスをくれて。」

暗い部屋で、勝手に人の髪の毛束をさらりとつまんでキスをする姿が見えてしまった。
何なんだ。勝手な事ばっかり言うかと思えば急に感謝してきたり。変なやつ。

毛先を弄っていた手が、上に伸びて頬を撫でる。
それがだんだんまた下に降りて、首筋を辿った。

「っふふ」

くすぐったくて首が竦み声が漏れる。

「ここ、弱い?」

指の腹で擽りながら、指より柔らかいものを押し当ててきた。
その感触と、顎にあたる柔らかい髪の感触でそこに吸い付かれてるとわかった。

痛くないくらいの強さで肌が吸われて、隙間から伸びた舌がぬるっとそこを舐める。
くすぐったい以外の感覚が広がるのに混乱した。

ちゅっ……ぴちゃ、くちゅ……ぢゅっ、

「ひゃぁっ……何するんだっ、やめっ……あっ……」

首をしゃぶるような大胆なものに発展した勢いで、かぷっと喉仏を甘噛みされて体がビクつく。

暴れて止めようとしても、両手は押さえつけられたままだ。
腰に乗られていて起き上がることもできない。

首を這っていた掌がさらに下に降りて、寝巻きに着ているロングチュニックの上から胸を包んだ。
優しく左側全体を撫でたかと思うと、中心の乳首の部分だけをつまみ上げるように捏ねる。
布越しに先端を擦られる感覚にゾワリとしたものが背中を走った。

「っはぁ……嫌だって!触るな!」

「でもルチアーノ、俺のアプローチ受けるって言ったろ?」

ちゅぱっと余計な音を立てながらやっと首から顔を離した奴が言う。

ゆってな……あれ?言ったことになるのか?

「それとも降参?やめて下さいってお願いするならやめてもいいけど。」

「っはー!?誰が貴様にお願いなんかするかっ。好きにするがいい。余は何ともないからなっ!」

「ありがとう。でも簡単すぎてちょっと心配になってきた。誰にでもこういうことさせたらダメだから。俺だけな?」

余は一番貴様にさせたくないですが!?
しおりを挟む
↓めちゃくちゃ世話になっている
B L ♂ U N I O N
感想 3

あなたにおすすめの小説

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

悩める文官のひとりごと

きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。 そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。 エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。 ムーンライト様にも掲載しております。 

敵の将軍に捉われたのち囲い込まれて愛を知る

ちとせ
BL
敵国将軍×美貌騎士  数年間戦争をしていた大国アドラと小国ムーア。 大国アドラの将軍ランギールは、獅子と評される立派な体躯を持ち戦場では負け知らず。 そんな彼は戦争中から小国ムーアの騎士フレイスに思いを寄せていた。 ついに戦争は終結し、大敗したムーア国のフレイスは捕虜としてランギールの屋敷に捕えられていた。 そこで薬を飲まされるフレイス。 それは存在を隠された小さな島国でしか手の入らない、男性の陰部を女性の陰部に変えるもので……  ※攻めに少し?変態要素があります  ※BLジャンルですが本編では性器は女性です。苦手な方はお控えください  現在執筆中の長編小説の息抜きも兼ねているのでややご都合主義なところあると思います。ご了承ください。  カントボーイネタが書きたいと思い立ち、作者の趣味を詰め込んだような内容です! お話は完結しているのですが、たまにアイデアが湧いてきたときに不定期更新することあります。 基本5ページ以降は本格的なイキ地獄でフレイスがとことん責められちゃいます。※閑話は除く だいたい女性器での描写になる予定です。 フレイスのことを好きすぎて限界まで攻めちゃうランギールをお許しください。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

処理中です...