R18/短編/ﾊｲｽﾍﾟｴﾘｰﾄ騎士は復讐に燃える平凡騎士見習いを弄ぶ

6,

ヂンヂン煩い通信具の呼び出し音で目が覚めた。
のっそりベッドから這い出してまだ鳴り止まない卓上の魔道具を操作する。

「はい、ルドルフ・フロック第2近衛騎士長付きのトマです。」

機器に話しかけると、よく知った声が帰ってきた。

「公営ギルド宮廷班のジョンズです。早朝にすみません。今よろしいですか？」

「はい。魔物の討伐ですか？」

「ええ。ジュール郊外にあるヴァシュルの森でオークの群れが出没しています。詳細はギルドのジュール支部からブリーフィングを受けてください。」

「承知しました。伝えます。」

「恐れ入ります。本日午後には着任するよう要請します。」

「はい。多分大丈夫です。」

「その旨支部に伝えます。失礼いたします。」

通信が切れた後、簡単に身支度をして朝食の準備に取り掛かった。
出来上がったものに保温の術をかけて一番面倒な作業に取り掛かる。

「ルドルフ、起きて下さい。」

男の寝室に入り布団にくるまってぐうぐう寝てる大の男に声を掛ける。

「…………」

こんもりした布団の山は微動だにせず。
まあこれくらいで起きるとは鼻から思ってない。

「ルドルフー！お、き、て、く、だ、さ、い！！」

山をゆさゆさ揺する。効果はないようだ。
これもいつも通り。

「ルドールフ！！」

バリッと布団を剥がす。眩しい朱色の髪が目に飛び込んで来て、ふわっとルドルフの匂いが鼻を掠めた。
寝巻きのはだけた胸元からなめらかな肌が覗いていて、そこに一瞬目を奪われる。
体がじわっと熱くなる感覚がした。

って、何盛ってるんだ俺。
昨日散々シたじゃないか。

邪念を追い払っていると、ルドルフがううんって呻いて身じろいだ。

「ルドルフ、起きt……」

起きそうな気配に期待した所で、伸びてきた腕に体を捉えられてベットに引きずり込まれる。

「ちょっ……ルドルフ！」

「ぐう……」

寝息を立てながらゴソゴソと抱き込んだ人の体を弄り出す。
寝ながら盛るな寝ながら！
こっちだって朝からちょっと意識しちゃって過敏なんだから。

「っぁ、ゃ……やめろ！起きてください！仕事入りました！今日行けって！」

「ぐう？」

器用にいびきで返事をしたルドルフが薄目を開ける。
手が緩んだ隙にカサコソもがいて腕から抜け出した。

今度こそがっしり筋肉質な体がのっそり起き上がる。

「仕事、どこ？」

「じ、ジュールです。オークの群れだそうです。午後には支部に行けって。」

乱された衣服を整えながら報告する。

「わかった。……ふわぁ……」

ルドルフは何事もなかったかのようにシャツの裾から手を突っ込んで綺麗に割れた腹を掻きながら洗面台に向かった。

こっちはまだドキドキしてるんだけど。
それもこれもルドルフの所為だ。
面倒見て貰ってるとはいえお仕置きだ何だって散々人の体オモチャにしやがって酷い上官だ。魔力を貰えなきゃ部下なんてとっくにやめてる。
それだって、ちまちまじゃなくて一気によこせ一気に。いくら気持ちよくたって知らないからな。

心の中でブツブツ文句を言いながら顔を洗っているだろうルドルフにタオルを届けに後を追った。