傲慢エルフと変態キメラ Vo1

◆◇ドラゴンの獣人

世界でたった一匹の獣人４

「何だその蕩けたチーズみたいな顔は、俺の知ってるザッツがそんな顔するものか！オイお前さてはガルフの偽物だな！着ぐるみか！？着ぐるみだろう！中に別人はいってるだろう！？背中見せろ！スリット入ってるだろう？ボタンで留めてる合わせ目が有るんじゃないのか！？その着ぐるみを脱げ！」
ガルフの平素とまるで違う態度に嫌悪したザッツが鳥肌を立てて別人説を喚きだした。
「恋人・伴侶とそれ以外のヤツに見せる顔が全く違うのなんて当たり前ですよ。まぁたまにいるけどな、マジで誰彼構わず股開いて腰振るヤツ。それこそ娼夫(婦)になれば大枚稼げそうなのにな、意外と安給料のボランティアでやってるから貴重な存在だよな。もったいねぇなぁとは思ってますけどね。」
俺にはできねぇなぁ、と言いながらマヤに優しく微笑んで持たされた鎖をそっと引いた。
マヤが頬を染めて吐息を漏らす。
「いや、今までの恋人に向けてた表情と比較したって別人級だから！誰彼構わずってそれその子の事だろう。っつかマジでそこでおっぱじめるつもりか、止めれ！まだ話は済んでねぇんだよ」
「だからコイツは街で特別扱いされてるでしょう。まぁ、コイツあやしながらでも話は出来ますよ。その気に成っちまってるしなぁ。恋人だって恋人によりけり、どんな対応するかなんて相手によるでしょう」
「よく言うわ、恋人出来てもエルフの癖にエスコートが下手すぎて速攻で振られて来たヤツが」
ガルフがそれを聞いて面白くなさそうに方眉を上げた。
一応気にしているらしい。