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◇マヤ

教会13

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やはりメニューの中にもマヤの名前は無かった。
心の中で、居ないと言われたのに、それでも探してしまった自分を嗤う。
それを誤魔化すみたいにどうでもイイ事を宣教師に聞いた。
「・・・・・何で名前の並ぶ順番が役者よりも背景担当が前なんだ?」
「人気順です。」
「えげつねぇな。」
「さすがにリストには入れてませんが私に言っていただければ宣教師や修道士の中にもお相手する者もおりますよ。」
「素人程度で相手が務まるなら俺だって苦労はネェんだよ。」
「・・・・・あぁ・・それでマヤですか」
また、宣教師が面白くなさそうに呟く。
「何だよ、含むなぁ・・・そんなにマヤが嫌いか?」
「・・・・別に・・嫌いでは無いですよ、あの子が出る日は見物客がひと際多いですしね。」
ガルフの酒のつまみを横からヒョイとに三個摘まんで宣教師は続けた。
「今日みたいにね。ホラッ」
宣教師がそう言った正にその時、
『あぁん!・・・・何をするのだ・・・この無礼者ぉぉ・・・あっあっ・・放さぬかぁ・・あぁっ・・そこっダメェ・・・』
小型触手魔獣『カラスウリ』を改造した生物玩具『カラスウリ(改)』に巻き取られたマヤが天井から降ろされて来た。
蔓という蔓が絡み付いてうねうねと気色悪くマヤの衣装の上を這いずっている。
オレンジ色の瓜に良く似た部分が潰れ、中からドロリとした紫色の液体が溢れてマヤの衣装を溶かし始めている。
いつの間にか増えた観客はドヨリと妙な歓声を上げて、全員舞台で始まったとんでもない見世物に注目し、ガルフは口に含んだエールを思い切り横に吹いた。
一瞬虹が出来る。
宣教師がガルフの横で、自分は紅茶を飲みながら、冷めた顔でぼそぼそと言った。
「アノ子、集客力は有るんですけど集金力は無いんですよねぇ。毎週一回噴水広場に行けば大概タダでヤれますから。」
そうしてハァと一つ溜息を付いた。
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