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◇マヤ

花街ヴィオモラ5

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「だんな見た目を裏切らないねぇ。男が良いのかい?」
「あぁ・・・いや、今はどっちでも良いが・・・」
うなずきかけて、留まった。ドラゴン交じりが男とは限らないではないか。
「でも、こだわりが有るからここに来たんですよね?」
キラリと案内人の目端が光る。
じゃなきゃ、一夜限りの性欲を発散させるだけの相手を探すのに態々中央公園の案内所なんて来ない。
一夜限りの相手なら値段も手ごろで若くてかわいい駆け出しの赤ずきんを買うのが普通だ。
それが赤ずきん達にまとわり着かれた様子も見せずここにいるという事は、営業をかける隙も見せずに真っすぐココに来た事になる。
入り口の値段の安い新人の赤ずきんに見向もしていないという事は何か細かいリクエストが有るという事だろうと案内人は予想していた。当たらずとも遠からず、である。
「混血の珍しい見た目の赤ずきんがいるって聞いたんだけど、何か知っているかい?」
ガルフは担当直入にドラゴンとは言わず遠回しに探りをいれてみる事にした。
「珍しい混血・・・旦那ナカナカの通ですね!」
何か誤解された。
ここ、ヴィオモラでは赤ずきん達が納める税はナカナカの収入源だ。
こだわりのある客は常連客になりやすい。
案内人は手持ちの資料と脳内の記憶を全速力で検索し始めた。
「結構いますよ。世界広しと云えどもレッドウルフと他種族の混血の娼夫(婦)とヤれるのなんてここ位ですし。」
「狼系か、今はそそられんな」
と言いつつ似顔絵を見る。何人か好みのタイプがいた。
「ウサギと猫と人間」
これは珍しい。人間と何かが混ざるのは良くある事だがウサギと猫は珍しかった。
どちらも縄張り意識が強いので大概ウマが合わずにいがみ合う。そういう仲になりずらいのだ。
「・・・・ほう・・・耳がウサギでしっぽがネコか・・・」
しかも男で似顔絵の顔はソコソコガルフ好みだった、女も抱けないわけでは無いがガルフの好みは男だ。
仕事が終わったらぜひとも一度お相手願いたい。
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